平賀源内 クルムス『解剖学図表』


クルムス『解剖学図表』KULMUS, Johann AdamAnatomische TabellenAugsburg, 1764.クルムス『解剖学図表』


 ヨーハン・アダム・クルムス(Johann Adam Kulmus, 1687-1745)はドイツの医学者、解剖学者。 ブレスラウ(現在のポーランド、ブロツワフ)で生まれ、ハレ大学に入学して医学を学びはじめ、ライプツィヒ、シュトラースブルク、さらにはバーゼルの各大学で医学や理学を修めた。
 本書は、初心者にも分かり易いように28枚の図表について解説した医学書で、初版は1722年にダンツィヒ(現在のポーランド、グダニスク)で出版された。 その後、ドイツ国内の出版社で多く版が重ねられ、その内この本学図書館所蔵本は1764年にアウクスブルクで出版されたものである。 また、この書物はオランダ語をはじめフランス語、ラテン語などへの翻訳も進められ、やがては日本語にも訳されることになる。
 この日本語訳が作られた経緯は、1732年のドイツ語版がオランダ人医師ヘラルト・ディクテン(Gerard Dicten)によって1734年にオランダ語に翻訳されたものがオランダ東印度会社を通じて日本へ運ばれ、杉田玄白や前野良沢、中川淳庵らが翻訳をおこない『解体新書』(1774 -安永3-)として世に出されたという、余りにも有名な歴史として知られている。
 なお、杉田玄白らが用いた「ターヘルアナトミア」という呼称は通称である。

展示目録 『日本人を魅了してきたドイツの世界』 より

   資料ID:196984(書誌詳細画面へ接続)

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