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西加奈子「くもをさがす」/ジルサンダーで買い物

西加奈子「くもをさがす」を読んだ。外出先で立ち寄った本屋で見つけ即購入。朝イチで乳がん治療について語っていた西さんの姿が忘れらず、使命感に近いものを胸にレジへ向かった。電車の中、レストランでの食事待ち、夫のトイレ待ち、そして帰宅後一気読み。で、今に至る。カナダのバンクーバーで治療・手術を受けることになった西さんの生活が目の前で見えるような、リアルな内容の本だった。トリプルネガティブ乳がんであることは、本を読む前に朝イチで知っていた。トリプルネガティブ。医療職でもあり、自分が大腸がん罹患後の時にがんについて広く調べた知識もあり、それは「あ・・・まじか・・」と一瞬固まるがんの種類だ。西さんがどう感じ、どう治療や手術を選択したのか。それが丁寧に綴られていた。ぜひ、たくさんの人に読んでもらいたいと思う。

そして、これは西さんの物語。西加奈子さんという人に起こった話。西さんと同じ種類のがんでも違う治療内容(治療しないという選択自体もきっとある)、また受け止め方感じ方向き合い方は人それぞれで正解はない。というか、その人の選択がある意味「正解」なんだと思う。

正直に話すと、わたしはこの本を読んで怒りに近い感情が湧いた。少しずつ、傷口から膿が出てくるみたいに、じんわりと確実にだらだらだらだらと。次第に熱を持って。読むスピードも加速し、眉間に皺が寄って、ぶつぶつ言いながら興奮して読み終えていた。うわあああああああ!!と叫びたくなった。
怒りは、もちろん、西さんに対してではない。西さんの体験を読んで、共感したところ、そうではないところの両方に触れて、自分の体験を思い出した。はっきりと。治療中必死だった。とても必死だった。その中で、嫌だったことや悔しかったこと悲しかったことうまく言い返せないで終わったこと、涙が止まらなかったことなど、ぶわあぁぁぁぁぁっと出てきた。思い出した。蘇った。溢れ出てきた。ゾンビのように。ああ。わたしはものすごく頑張ったんだな。やり遂げたんだな、あの治療を。その後も。日常を取り戻すのに必死で、仕事に復帰して、新しい人生が始まると思って、かなり無理をした。すごくすごく無理をした。今、それがすごくよくわかる。腹を立てている。がんの診断を受けた日からではなく、その前の、症状が出てコロナ禍でなかなか検査まで辿り着けなかったあの頃から、きっと腹を立てていた。いろんなことがあった。それを一つ一つ思いだす。本を読みながらじんわりと1ページ、1ページと読み進めるたびに思い出し腹が立った。

Instagramでやりとりをしている方が、この本のことを書いていた。
彼女も乳がんで放射線治療や手術などの治療をされている。

まるで自分のことが書いてあるかのようだ。苦しくなって途中で読めなくなった。
朝イチで西加奈子さんが出ていて、感じるものがあった。また読書を再開しよう。

今ならわかる。このことの前半部分が。思い出すんだよな、リアルに。そして苦しくなるんだな(わたしは怒りの感情だったけど)。思い出すことがあれば、ここにぽろぽろとこぼしていこうと思う。自分を解放することに繋がればいいな。溜め込みの人生はもう卒業したい。そう思った。

素晴らしい本です。命の尊さや治療方針の決定権は自分にあること、病気については受け身ではなく自分で調べて質問することの大切さなども書かれていて、がん罹患者もそうでない人も、男性も(これは乳がんの治療の話だけど)、読んでほしいなと思います。

話は変わり、今日はお友だちが店長を務めるお店に行ってきた。忙しそうだったから、ビタミンがいっぱい取れるジュースと美味しいマフィンを差し入れしてきた。次から次へとお客さんが来て本当に忙しそう。良いことだね。でも、大変だよね。でも、生き生きしていた。でも、友人として体調が心配になった。



くちびるバッグを持ってお出かけ(これはジルサンダーではありません)。


バックスタイル。
ボーダーカットソーを購入。
数日前にYouTubeでスタイリストの金子綾さんが紹介していて気になっていたもの。

お店でこちらを購入。他にもほしいものがわんさかあった。お洋服に袖を通してドキドキしたのは久しぶり。胸のときめき!早速明日着ようかな。ちょっと厚みがあるタイプのカットソーで真夏以外にも着る機会は多そう。わあいわあい。

見出し写真は今日食べたクレープ。美味しかったなあこれ。オレンジソースとバターがたまらなく美味しくて「う〜ん!!」って声が出たよ。また食べたい。クレープはシンプルなものが好きなんだけど、これはかなり好みだった。お洋服を買うテンションも重なり美味しさ倍増だったのかもな。

わ。もうこんな時間。なんだか書き殴ったような長い投稿になってしまった。
それもそれでありかな。

おやすみなさい。


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