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ゴテンクスは何故超サイヤ人3に簡単になれたのか【ドラゴンボール考察】

ゴテンクスは少年トランクスと悟天が合体した姿である。
劇中では悟空からフュージョンを伝授され、精神と時の部屋による1週間程度の短期間の修行で超サイヤ人3を会得、魔人ブウ(悪)を圧倒する活躍を見せた。

元の二人、悟天とトランクスが天才的な才能を有していたのは確かだが、超サイヤ人3は悟空が(恐らく)疲労も睡眠も無いであろうあの世で数年修行して、ようやく変身できるようになった形態になる。本来であれば会得はそう簡単ではないだろう。

なぜそこまでの速さで会得することができたのか、ゴテンクスについて考察をしていきたい。

代償の少ないゴテンクスの超サイヤ人3

フュージョンとは、気の大きさと背格好が同じくらいの二人が特定のポーズを取ることで合体、大幅にパワーアップを果たす技である。

フュージョンによる合体は30分で解けてしまう制約があるが、合体自体には気が減るなどの代償は無い。(ポーズを間違えると激弱の一人が出来上がるというコメディ的な代償はある)

しかし、ゴテンクスは超サイヤ人3に変身した際、フュージョンの時間について以下のように発言している。

さっさとしろよ!!!こうやってめちゃくちゃ強くなってられんのはあとちょっとだけなんだからよ!!!
もういちどこうなるのに1時間もかかるんだぜ!!!

出典:ドラゴンボール完全版33巻

劇中、フュージョンの特訓を行っていた際は、合体が解けた後もすぐ再合体できるような描写があった。
しかし、超サイヤ人3になると変身(合体)時間が短縮され、さらに再合体までに1時間のインターバルが必要になってしまうというのである。

超サイヤ人3に変身することによって、今までには無かったフュージョンの代償が発生していることが伺えるだろう。

しかし逆に言えば、ゴテンクスの超サイヤ人3はその程度の代償で済んでいるのだ。

代償の大きい悟空の超サイヤ人3

ここで悟空の超サイヤ人3を確認してみよう。

最初に変身したのはデブの魔人ブウ戦、
この時は時間にしてせいぜい2~3分程度しか変身していないにも関わらず、現世にいられる時間が大幅に短くなってしまった。変身後は冷や汗が止まらなくなり、苦しそうな様子も伺える。

出典:ドラゴンボール完全版32巻

次に変身したのは魔人ブウ(純粋悪)戦。この時は戦闘自体は問題なくこなしたものの、気を貯めている途中に急激に力が抜けて変身前に戻ってしまい、それ以後は通常の超サイヤ人への変身すら不可能なほど消耗してしまった。

出典:ドラゴンボール完全版34巻

いずれのケースでも相手からの決定的な攻撃は食らっていないにもかかわらず、深刻なダメージが発生している。
それと比べるとゴテンクスの代償は遥かに軽微と言えるだろう。

実際に劇中では、超サイヤ人3の変身が解けた後も消耗している様子は無く、1時間後に問題なく再変身を行っている。

出典:ドラゴンボール完全版33巻

この時はすぐにブウに吸収されたが、ブウの中で最低でも5‐6分程度は変身状態を保っており、また戦闘の面でもゴテンクスを吸収したブウは悟飯を圧倒、気が減っている様子は見られなかった。

悟空の超サイヤ人3と比べれば雲泥の差である。それは何故なのか?

時間を代償に変換できるゴテンクス

ここで悟空の言葉をもう一度確認してみよう。

時間ってものがあるこの世では使うエネルギーが大きすぎて一気にヘトヘトになっちまう・・・・

出典:ドラゴンボール完全版34巻

「時間の概念があるこの世」ではエネルギー消費が大きすぎる点が問題である、と悟空は語っている。
そして、ゴテンクスの超サイヤ人3で代償となるのも「合体時間、及びインターバル時間」である。

つまり、フュージョンでは「合体時間のエネルギー」を代償にすることによって、超サイヤ人3の体への負担問題を解決してくれるのではないだろうか。

通常の超サイヤ人3では個人の莫大な気を消費しながら変身するが、フュージョン状態では合体エネルギーを消費するため、体への負担や気の減少が無いのだ。

考えてみればフュージョンをすることで何故こんなに強くなるのか、劇中では理由付けの描写は無いが、「フュージョンは時間エネルギーを気に変換している」から強くなれる、と考えれば説明がつく

つまり、「2人が1人になることで1人分の時間が現世から存在しなくなり、そのいなくなった分の時間エネルギーを気に変えている」のだ。
そして超サイヤ人3になる際の気の消耗も、その「いなくなった1人分の時間エネルギー」を使用しているため、合体時間が短くなるだけで済むのだろう。

フュージョンが一時的に「1人分の時間の概念が無い世界」を作り出す技だとすると、「時間の概念が無いあの世でしか使ってはいけない技」である超サイヤ人3にとって、非常に相性が良いと言えるだろう。そのため、平常時よりも会得のハードルも下がっていたのだと思われる。

ゴテンクス(トランクスと悟天)は類稀な才能を持っていたことは間違いないが、しかしただそれだけではなく、超サイヤ人3状態の悟空を目視したことによる模倣、そしてフュージョンと超サイヤ人3のメカニズムとの相性の良さが合わさった結果、短期間の修行での会得が可能だったと考えると納得できそうだ。

#ドラゴンボール

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