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初コートサイドレポ【日環編】

 4/9日曜日、BREXvs茨城の試合を見るべく日環アリーナに足を運びました。照りつける日差しのなか、待機列に並ぶ多くの来場者。皆爽やかな笑顔で暑い暑いと口々にする中、私は真っ青な顔で冷や汗をダラダラとかいていました。

 なぜなら、その日私は人生史上1番近い座席で見ることになっていたからです。冷や汗ビショビショ&口の中サハラ砂漠の如く緊張した観戦。感じたことを、記録のため以下に綴ります。

コートサイドからの景色

 今回の座席は、「コートサイドC席ホーム側」です。ホームベンチ側のエンド席です。2列目ではあるものの、目の前に記者や公式の撮影者がいることから実質1列目の視界な座種です。

BREXのHPより引用

 1Fのエリアに降り、ウロウロと探し自席が見つかった時には驚きました。近すぎないか、本当にここの席で合ってるのか?と内心狼狽えました。試合が終わるまでに、座席番後を30回ぐらい見直しました。あ、合ってる…嘘だろ?のくだりを同じ回数しました。

 見える視界は次の通り、刮目せよ。

ワッ……?わァッ!?(思わずちいかわ化)

 迫力なんてものじゃない、ドリブルが体にドンドコ響くレベルの近さです。そして皆デカすぎんだろ……!ジェレットさんにいたっては足が3メートルぐらいあるのでは????
 ここで私は試合を見るのか……?緊張と興奮で胃の中と脳みそがかき混ぜられ、煮込まれた感覚に陥りました。
 筆者は具だくさんでじっくり煮詰められたポトフが大好物です。

 近くで見ると、いつも見ている中でも新たな発見がありました。
 距離感の近さから、ブレクシーの持つフラッグの影と揺らめきまで見えるんですよ。いつも強さと美しさでコート上で煌めく彼女達は、近くで見たからこそ表情1つ所作1つが洗練されていて素晴らしいと感じました。

 もちろん試合のなかで、選手たちが良く見えました。目配せ、声かけ、息遣いなどが感じられました。彼らは生きているんだな、と。
 そのなかでも、印象的だった選手の話を2つします。

田臥勇太という存在

 2Q、審判が選手交代を促すジェスチャーをした瞬間、アリーナがとんでもない拍手と歓声につつまれました。何事か?と注視すると、オフィシャル前に田臥勇太が。
 直近の試合の尾が引くことも相まって、重い展開が続いてたのですが彼の登場によってガラリと変わることになります。

 彼が成す1つ1つのプレーに、アリーナが大爆発したかのような歓声が湧いたのです。
 コートサイドという近い場所で見ていて、田臥勇太から目を離せない場面が何度もありました。屈強な外国籍選手がひしめくインサイドに躊躇なく飛びつく田臥勇太の存在、そして速攻でなりふり構わず走る姿。
 その全てで、一瞬顔をしかめながらも直ぐに目を輝かせ、楽しそうにするんですよ。

ぶれてはしまったものの、伝わってほしい。
この躍動感!!!!

 偉業を達成し、バスケットが好きな人間の誰もが知るような彼であっても「楽しい」という感情を全面的に出してプレーしていると思うと、心にくるものがありました。田臥勇太を好きな母が、彼のプレーをTVなどで見るといつもいう言葉があります。

「田臥くんは、いつになってもどんな時でもバスケ少年なの」

この言葉がやっとわかった気がします。バスケ少年という言葉が、確かにピッタリです。

 また、彼の広い視野から織り成すアシストや仲間への声かけは素晴らしいと感じました。観戦直後の私のツイートが端的に表しているので載せます。

過去のワイ、noteに載せるねー

 言葉にせずとも仲間に与える信頼感。それは時には、焼き尽くす程の業火であり寒い日に手を当てて暖を取る優しい炎でもあります。
 消えそうな炎を自らの熱意で再び燃えあげさせるような鼓舞。揺らめく炎には隣で共に燃える寄り添う姿勢。そんな彼の姿勢が仲間にも伝わり、まるで1つのロウソクから飛び火し、皆で大きな炎になっていた感覚でした。

 田臥勇太は、熱意という炎を自由自在に操れる魔法使いであると感じました。熱さと暖かさが共存している存在なのだと。
 彼が愛され、信頼され、精神的支柱になっている要因の1つなのではないでしょうか。

遠藤祐亮の等身大

 ずっと応援している遠藤祐亮についても改めて感じることが多い日でした。

 その日、攻守の要である様を再実感しました。ディフェンス一つ一つの目配せや体のぶつかり合い。オフェンス時、コーナーで肩で息をしながらスリーを待機している場面。遠藤の1つ1つのプレーが、手を伸ばせそうな距離で繰り広げられるその一瞬に心が震えました。
 そして、近いからこそ全身で悔しさを顕にしているのも見ました。間近で見ていて、私も喉の奥がギュっと詰まる苦しさがありました。

 この1回しかない人生、私は遠藤祐亮の応援を生涯かけてすると決めています。そしてその決意を再実感できた日でした。間近で彼が感じる悔しさをほんの少しでも共有できて良かったと思っています。

 応援をしている身としてはやはり勝って、笑顔が弾ける瞬間を見たいのが1番です。それと同時に、遠藤がどのように考え、どのように進んでいくかという彼の生き様を見届けたいのです。それが萎縮してしまうような大きな壁でも、足がすくむような茨の道でもきっと超えていけると思っています。
 推しであると共に、遠藤祐亮を1人の人間として尊敬し、憧れているのです。

遠藤といえば、コツコツ1歩ずつ

 
 様々な応援スタイルがあり、のめり込む深度も様々です。そもそも、この世界にはあまたの人間が居て、何億もの文化や価値観があります。
それを十分理解したうえで、私は遠藤祐亮を人生かけて応援したい。
 今の状況は苦しいとは思いますが、彼には自分らしさという輝きを放ち続けてほしいです。

最後に【余談です】

 初めてのコートサイド。実感したこと、初めての気づきがたくさんある素敵な経験でした。火傷してしまいそうな距離感でしたが、良いことも悪いことも含めて火傷しがいのある場所でした。

 最後に。飛んで火に入る夏の虫という言葉があります。虫の習性により光っている場所に行ってしまうこと、そしてそれが火であった場合、自ら危険な目に飛び込むことを指す言葉です。

 今の私に近いと思いました。かつて観戦経験をして間もない頃、コート上を「怖い」と思っていました。そして、学校という小さな社会の目を気にして、ありのままの自分をさらけ出すことを「危険」なものと危惧していました。

そんな私が、光り輝く遠藤祐亮の背中を追いたい一心で、「怖い」コート近くの席をとり、ありのまま遠藤が大好きな自分をさらけ出しています。これって私、飛んで火に入る夏の虫じゃない?と気づきました。

輝く背中と遠藤が歩んだ道を追いかけたい一心です。


ここに至るまでに、確かに火傷のような経験をしました。その時に感じた痛みが完全に癒えた訳では無いです。美化できない経験の方が多いです。しかし、それを受け入れ乗り越えた自分が今ここにいます。後悔はしていません。

 今のBREXも同じことが言えるのではないのでしょうか。飛んで火に入る夏の虫でもいいんじゃないかと。
 業火の中に飛び込む怖さ、燃え盛る中で感じる痛みや苦しさはあるかもしれません。ただ、勝ちという「光り」を貪欲に追うのに、前述のことを躊躇しないでほしいと思いました。

 そのなかで戦う彼らを応援するファンが多くいますし、越えた彼らは必ず強くなれるはずです。残りの数試合、がむしゃらに戦うBREXを応援していきたいです。

【おまけ】

遠藤!春の守備祭り2023!

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