ARの未来について好きに書く 2018
Farmtory-labでのアドベントカレンダーで今回「遊び」「未来の生活」的な方面で Task が書きます.
ここ10年でAR/VRがより世の中に広く浸透してきました.近いうちにiPhoneがARメガネに移行して,ARが生活に大きく影響する未来がやってくるかと思います.
魔法を起こす
僕はARに強い関心があります.現実世界が好きなのと同時に(ハグの温かみが好き),現実世界で魔法を使いたいからです.自分が今後作りたい魔法は以下の通りです.
- 時空間を超える
例:死者と未来人とのFace To Face対話(Alex Kipmanより),ホロテレポート(Microsoftより),3dタイムラプス
- 他人の視点を可視化する
例:普段の生活で歯磨き粉を目にしたとする.犯罪者なら別の物質と組み合わせて脱獄を考えるだろうし,主婦なら鏡を綺麗に磨くかもしれない.自分には気が付かない視点を学ぶ.教育にも使う
- 現実世界の問題を可視化する
例:ごみ問題,環境汚染,大量消費,スペースデブリなど(千と千尋の神隠し的なストーリーテリング)の可視化と訴え.
- ファンタジーやSci-Fiの世界の実現,アート(製作中)
例:ハンターハンター,ハリーポッター,スターウォーズなどの特殊能力を現実で使えるようにする.ロックマンエグゼやデジモン的なヴァーチャルペットを飼う.
僕の作りたい魔法だけだと面白くないので,次にAR/VR業界の人たちが考えそうな魔法をちょっと見てみます.
Keiichi Matsudaが考える未来のAR
まずは,Hyper Realityで有名な僕の尊敬するKeiichi Matsuda(日系イギリス人)の作品の紹介です.YouTubeに彼の作品(短編映画)をまとめてみました.
暇があるときに再生してみてください.自分たちの子供がこの世界に入ってるんだなと思うと,感慨深いものです.Keiichiは,このAR世界を発信することで,人々に良い面,悪い面含め議論をしてほしいと言っています.
次に,Keiichi自身ARの短編映画を何本も作っていく内に気がついたこと等を自身へのインタビューにて語っているので,それを列挙していきます.
1. プライバシー
ARヘッドセットがある世界では,「自分の頭が現実世界のどの位置にあるのか」,「何を見ているのか」をデバイスが知る必要があります.つまり,自分が今どこで何をしているのかを監視される懸念があります[1].
2. 人によって違って見える現実世界
スマホ,タブレット,PCなど,人それぞれUIや壁紙をカスタマイズしたり,好きなアプリをダウンロードしていますが,これが3Dで起こると,おそらく人によって見えている現実世界が全然違うということが起こります.
上図のArgumented City 3Dでは左の男性と右の女性のそれぞれの世界が入り交じる現実世界が描かれています.
AR世界では使っている人に合わせた世界を提供する方向へ必ず向かい,AR自体がユーザーを理解し始めるだろうとKeiichiはこの短編映画でのインタビューで述べています[1].
3. シンプルなハンドジェスチャー
AR世界での未来のコントローラはハンドジェスチャーになるとした上で,ジェスチャー自体は誰もが理解出来るシンプルでなければ,ならないと述べています[1].
4. 建築
Keiichi Matsudaは建築のバックグラウンドが強いため,建築についても論じており,現在の建築を作るプロセスには,(建築する)空間の機能を見極め,その機能を元にデザインするため,縛られてしまっているとした上で,「法律や重力の縛りのない,政治,経済(金銭的)の状況に左右されない新しいタイプの空間」が作られると述べています.そして,従来とは違い物凄い多くの人たちが訪問可能になった例についても触れています [2]
今回は書く時間がないので,Keiichiについてはこのくらいにしておきます.後々追記します.
GOROmanさんが考える未来のVR
VR自体にはそこまで大きく関心はありませんが,ARとの互換性が強いのとGOROmanさんの考える未来の話が結構面白かったので,リンクをシェアします.
触れられている内容で面白いのは,既にそれっぽいものが実現しているということ.例えば,「みんなVRアバターになる」「死後もSNSがAIで更新される」でいうと,南カリフォルニア大学(3Dグラフィックスの研究がかなり盛ん)がそれっぽいことを結構昔からやっている(リンク).また「バーチャル国家」でいうとエストニアがそれに近い.
VRテレカンは既にFacebookなど多くの企業が競い合っているが,AR/VRに昔から投資しているFacebookかMicrosoftが独占しているかもしれない.AR/VRテレカンが実現すれば,場所にこだわる必要がなくなり,Webエンジニアなど特定の人たちだけでなく,PCを使って対価を得ている人はノマドワーカーになるだろう.20年後の人たちが羨ましすぎる.
最後に
今言えるAR関連のアイデアは,ここまでです.イベントなどでAR/VR業界の色んな人に会って未来のアイデアをもっと知っていきたいと思っています.
宣伝ですが,おそらく世界初のProject North Star(ARヘッドセット)縛りの勉強会がメルカリ本社であるのですが,そこで少し話すことになりました.是非ご参加ください.それまでにはこのページをアップデートしたい.