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ねこみふ3部作

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ねこみふ 第3部

ねこみふ 第3部

 そのロシアンブルーは優しいブリーダーの下、大切に育てられてきた。正しく躾けられ、正しく甘やかされたその猫は、時々ブリーダーの仕事の邪魔して悪戯したりしながら、楽しく過ごしてきた。

「イイじゃない! この子にするわ!」

 ブリーダーはあくまでブリーダー。猫を育て、値段をつけて売るのが仕事である。それでもブリーダーもそのロシアンブルーと離れたくなかったのか、他のロシアンブルーの2倍近い値段をつけ

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ねこみふ 第2部

ねこみふ 第2部

 朝。神浜市新西区。みかづき荘。

 頭に響く電子音が鳴り響く。ベッド内の青いボーダーパジャマの女がもぞもぞと動き、手を伸ばして音の発信源である携帯端末のボタンを押した。音が鳴り止み、静寂が取り戻される。女はベッドに潜り込んだまま端末に映る時間を確認したあと、窓の外に広がる青空を眩しそうに見上げた。

 その時、にゃあ、とベッドの内側から猫の鳴き声が発せられた。女は……七海やちよは己を強いて掛け布

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ねこみふ 第1部

ねこみふ 第1部

「アンタらだろ、西で勝手してる奴ッてのは」

 金髪をオールバックにし、特攻服を羽織った女がドスの効いた声で言った。その手には釘を無数に打ち付けることで殺傷力を増したバットが握られており、ところどころ赤いシミが付着している。恐怖!

「東のクッサイ空気をこっちに持ち込まれるの、困るんだわ。お魚さんみたいに西の空気をパクパクしたいのはわかるけどサァ」

 ゲラゲラゲラ、と背後に控える取り巻きが一斉に

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