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2021夏松竹の話。関ジャニ∞スタート地点で観る関西ジャニーズJr.の現在地。

この夏は、週末のたびに関ジャニ∞が2014年にリリースしたDVD『十祭』を家で再生したりしてました。しかしまあ9月に入った途端に驚くほど一気に涼しくなってしまい、夏の気配もどこへやら。パンデミック下での夏はほとんどハレの思い出もないところではありますが。

個人的には、このほぼすべてのフェスや祭りが失われた2年分の、夏のハレの日要素を全部凝縮させて楽しんだのが今夏の関西ジャニーズJr.松竹座公演だった、ということと、それを体験して以降、松竹座で観た関ジュの『BRAVE SOUL』に魂を引っ張られたまま、9月もいよいよ関ジャムFESの日を迎えようとしております。

そんな、2021夏の松竹座公演を牽引したAぇ!groupのみなさんにおかれましても、9月に入った途端にもう“夏合宿の思ひ出”的なYouTubeシリーズが上がってしまって、時は着実に本格的な収穫の秋へと突き進んでいる今日この頃ですが、関西ジャニーズ伝統の松竹座という場所やSummerSpecialという極上夏祭りファンタジーについて思ったことをこの辺りで蒸し返して記録しておく。そうでないとあの怒涛ながら儚き夏祭り公演をこちらも忘れてしまいそうになるのでね。

それにしても、前回728の日の後に、いよいよ松竹座のSummer Specialも始まるぞ、というタイミングでnoteにいろいろ書いておいた時には、もちろんまだこの夏松竹がどのようなものになるのかを知らなかったわけですが、結果としてあの投稿を書いた数時間後には、初日公演を観た人がSNSに投稿してくれていたセット内容を見て、「ああ……これはもはや私なぞが発言すべきことは何も無い。。ただただひたすらに演者たちも観客も元気な状態で1公演1公演を駆け抜けて下さい。以上です。」という気持ちで充たされてしまったものだった。だってですよ、『浪花いろは節』でどんと構えた櫓が前方へせり出してくる状態から幕を開け、本編ラストには浴衣で『純情恋花火』をやりましたよ、とか言うではありませんか。いやあなたそれはもう実質、関ジャニ∞の『十祭』であるでしょうし、きっと『JAM』的な何かでもあるでしょうし、「いやはや、Aぇ!groupの皆さんには近い将来絶対に純情恋花火やってほしいですね」とかよく友人に話していたが、もう早くもそれやってくれたというし。ああそうですか、もうそこまで至られたのですか。完璧ですね。と、初日にして、まだ自分は公演を観ているわけでもないのに既にすべてが終わった、くらいの満足感を得てしまっていたのでした。Aぇ!さんたちのセルフプロデュースの方向性、はい、関西ジャニーズの伝統に対する解釈の一致です、ありがとうございました、という気持ち。そして結果としてそこからずっと、前述の通り、関ジャニ∞の「十祭」や「JAM」や「十五祭前夜祭@松竹座」などを見返している。挙げ句の果て、、というかさらには、8月上旬に松竹座で2021Summer Specialを自分で体験した後は、関ジャニ∞のファーストDVD「Excite!!」(←ただ再生しておくだけで自動的に「浪花いろは節」が3回もバージョン違いで聴ける。2004年の松竹座クリスマスコンサートの模様が収録されたDVD)やら、セカンドDVD「Spirits!!」(←2005年の関ジャニ∞が担ったSummer Specialの前夜祭として大阪城ホールで行ったライブが収録されている)までも家で再生していたのだから、完全に懐古というか、温故知新というか、関西ジャニーズの歴史を17年分クロニクルで辿り続けていた夏でした。最初は今年のサマスペの記憶補完のために見始めたつもりだったのに、結果として十祭をリピートしすぎて結局私はこの夏に何を観たのだったっけ…?という気持ちにすらなる。笑

日本各地のお祭りや音楽フェスが悉く中止になってしまったこのパンデミック下だからこそ、こんな普段なら到底できない総復習をしている時間があった、ともいえるけども。(いや、でもこの2021サマスペ公演を観たあとに、十祭とJAMとMETROCK2017関ジャニ映像とExcite!!を何度も見返したの、自分だけじゃないと固く信じているんですが。観ましたよね?みんな?笑)

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それにしても、SummerSpecial2021は、タイトにまとまっていて最高に楽しい公演だった。あの夏祭りテンションは十祭を思い出させられるのだが、実際は、JAMだなとも思ったし、関ジャニが2017年に織り成したMETROCKでの美しい光景も、含まれているのだ。いまのAぇ!groupを筆頭にした関西ジャニーズJr.ができること、関西Jr.のうちにすべきことは網羅&履修しているようなクリエイションを作りたいようだった。

しかも、「キャー」て声出さないでもみれる公演。あのSummer Special2021、語弊はあるかもしれないが、ライブコンサートでは全然なくて、この状況下でお客さんも全員着席で、声は出せない状態で、どういう楽しみを魅せられるか。心も頭脳もフル稼動して練り、作り込まれた演目だったな、という印象。今のこの状況下で、観る側の想像力も掻き立てて、どこまでともにいけるか、という実験も込められているな、と思った。なんなら去年のAぇ!groupのZepp公演で感じた「声出したいのに出せない地獄」はしっかり解消してくれていた。


コントとショータイムという切り分けではなく、あくまでも物語の中での音楽という設定になっていたし、始まってみればあれはかなりライブっぽいのに実際のところはかなり観劇寄りの後味だったし、しかもAぇ!groupの公演というよりも関ジュ全体を好きになれる公演。
こちらが座って、着席で観ているからこそ、そこで相互作用で作り上げていく”ライブ”ではなく、どこか、舞台の上だけで繰り広げられているファンタジー感が増すと感じるのも、本当に初めての感覚だったな。
(そして、そこに彼らが詰め込んでいた関西ジャニーズの伝統要素の中から、特に私が拾ってしまうのはどうしても関ジャニ関連のものが多くなっているので、他のところにあまり触れれてないとしたら予め、ごめんなさい)

あの夏松竹座公演に感動すると同時に、「こんなカロリーのショーを40公演、ほぼぶっ通しでやるのか。。」とあらためてすごいな松竹座は魔境だな、とも思った。

やりたいこと、今やるべきことを全部つめこんでもいるのだろうけど、でもすごくタイトにまとまってもいたのが凄かった。なにわ男子が単独でツアーを実施する夏に、Aぇ!groupが率いながら、自分たちで作り込んで行ったというが、あれはたぶん、昨年からグレショー(THE GREATEST SHOW-NEN)をやっているからこその自己演出(セルフプロデュース)力と、まとまり。(しかしそのグレショーですら、コロナの感染予防を鑑みて、関係者たちしかほぼ生では観ていないなかで突き進んできているこの特殊な状況。シュールといえばシュールだが、だいぶ独特な状況下でメキメキと力をつけてらっしゃるAぇ!さん達がとにかく面白いし、凄い。

しかも今回の松竹座の大きなポイントは「Aぇ!groupというのもあくまでに関西ジャニーズJr.なんですよ」というスタンス。なんならAぇ!のひとたちも僕たちがAぇ!groupです!」と自己紹介したのは終幕間際の一回だけだったと思う。

本当に全然、「Aぇ!groupのライブをみた」という感覚にはならない公演だった。けれどももう本当に、何度でもみたくなる夏祭りファンタジーショー。フェスが、これまでのような形で開催できていないこのご時世に、なんかものすごいフェス的なものを見せてもらっちゃったな、という感じ。

あの、2年半前に初めて松竹座に来た時に、『Firebird』という初めてのオリジナル曲でなんだからオラつきながらゴンドラで上方から降りてきた6人、グループ結成したてで、ピンク髪と金髪の人がいたあのグループが。次に松竹座へ来てみたら、こういうことになっていた。そして何より、あの時に聴いて大好きになった「ハチャメチャ音頭」が、またここで、しかも冒頭とアンコールで2回も聴ける、ということもそれこそ私ははちゃめちゃに嬉しかったです。

かつて、2019年3月に関西ジャニーズJr.の春松竹公演を初めて観た後の自分はなんかよくわからないけど爆笑してましたよねと言われたものだったが、あの時の50倍くらい関西ジャニーズJr.の面々を知ったりその歴史を辿ってみたりして思い入れも増えているが。そんななか、昨年の春松竹は全公演中止になり、昨年の夏は2種類の公演(春にやるはずだった内容を持ってきたコント編と、ライブ編)を松竹座から無観客配信していたのが面白くて観ていて、まあそんな1年半を経て、2021年にようやっと、お客さんを入れての松竹座公演へと2年半ぶりに辿り着いてみると、もはやよくわからない感情でいっぱいになるしかないのだった。みんなほんと、いろいろありましたね。

なかでも、「夏フェス」パートでのバンド演奏時にやった「NOROSHI」のあの腹に来る和太鼓の生音。あれが最も、生音でライブを見る、祭りに行くってことを最も痛烈に思い出させてくれるシーンだったな。 
「掌が背に触れた」のシャウトとかどうかしているほどによかったですよ、末澤さん!まさか渋谷すばるのシャウトをこういう形で継承し、超えることができる人がここにいらしたとは、、という気持ちで胸がいっぱい。なんかもうここまてくると歌舞伎で襲名披露みてるようなものだな、とも思ったし、彼は本歌取りの技術がすごい。

そして、あの夏松竹のフェスパートを思い出そうとして、私はMETROCKの映像再生にまでさかのぼってしまう、というわけでした。懐古に懐古を重ねていくスタイル。

それにしても、6年ぶりに夏の松竹座へ立つという末澤誠也さんが最年長として率いてきた2021夏松竹公演。
自分は自称小島担ですが、もう末澤さんの踊りといい、歌といい、本当に美。細やかな制御が効いていて、リチャくんとともに振付から作っていったというSixTONESファンにおなじみ「BRAVE SOUL」では、末澤BRAVE無双SOUL誠也さんが毎公演で君臨していた。


夏松竹が決まったときから、「いまのAぇ!groupの勢いをもっては、もう松竹座が割れてしまいますよ」とか言っていたが、実際その通りでした。割れそうに沸いていたな、あれは。

夏松竹終わってから関西ジャニーズJr.京セラドーム公演のDVDをあらためて観たりもしていて、なにわ男子、Lilかんさい、Aぇ!groupの18人によるさまざまな曲での群舞は実に迫力あって素晴らしかったけれども、私はもうこの夏のBRAVE SOULを目撃してしまったからな、、、とも身震いするのでした。なにわ男子がCDを出して「デビュー」することによって関西Jr.としてあの3グループの、あの18人のかたまりはそうそう観れなくなるのは確かに寂しいと思うものの、もうAぇ!さん筆頭とした2021年8月の大阪で、これからの関西ジャニーズJr.は我々の記憶を塗り替えて刷新してしまった、とも思っていた。BRAVE SOULはそういうインパクトでした。あれはなんとかして世に広く流してほしい演舞でしたねえ。。(今からでもなんとかならないでしょうか)

松竹座の歴史。
関ジャニ「十五祭」ブルーレイ版についている2019年4月のエイト松竹座シークレット凱旋公演や、昨年の万博記念公園での配信ライブを追ったNHK大阪での「浪花から未来へ」や、RIDE ON TIMEのシーズン2と3の関西関連もいろいろ見返してみたりして、関西の陣地としての松竹座について随分と理解の深まった夏だった。西のジャニーズのインキュベーション施設ともいえるし、「ホームにしているライブハウス」みたいな側面もある。

コンテクストがわからない一見さんがみても、ある程度すぐに楽しんで笑えるもの。それがエンターテイメントというラインなんだろうなというのは思っていて。それができてやっと、”フィルター”の外と接続できるんだろう。関ジャニのMETROCKもそうだった。「アイドル」というバカデカい曖昧な主語のフォーマットをつかうことで、逆に自由になれる、ということを体現してきたのが関ジャニなんだな、ということにも今回いろいろ振り返りながらあらためて気付くことができたのですが。

十祭、JAM、METROCKのエイト、すばるくんが抜けてヤスくんはまだまだ病み上がりの状態でのGR8EST、そして錦戸くんラストだった十五祭、と。常に限界突破に挑戦してきている関ジャニ∞の背中を追って、やっているからこその、いまのあの関西ジャニーズJr.の面白さなんだね、ということが、今年の夏松竹ではすごくクリアに解説されてるかのようだったなあ。

そもそもJAMにバックでついていたリチャ末大晴がいたから、この夏松竹は、十祭のようでありながらさらに懐の深い、JAMコンのような広がりをイメージできてるのかなあと思ったりなんだかんだ、と。いろいろ考えました。まだ考えてます。

あと数時間後には関ジャムフェスが開催される。2019年9月からの特殊な時間のひと区切りを感じるし、自分は2019年9月3日以来に、関ジャニ∞さんのライブを生で観る。やっとだなあ。
そもそも「フェス」て名前のつく音楽イベントに行くこと自体がこんなに久しぶりになってしまって、もう全然わけがわからないが、その勝手に個人的再開の1歩目が関ジャニさんたちの記念の舞台であることは、ありがたいというか、嬉しいです。

ではではまとまらないので今日は一旦、このへんで。

たぶんこれは大河ドラマ「関西ジャニーズ」の序章みたいなものですね。



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