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728の日に振り返る関西ジャニーズJr._Aぇ!groupの一年。後編 サマスペ始まりますね

そんなわけで、2021年の728の日に考えたこといろいろつらつらと。昨日の前半戦からの続きです。後編を続けて書いてまいりましょう。

「アイドル」という言葉よりももう少し広義をカバーできるようなもの、というか、THE GREATEST SHOW-NEN(以下、グレショー)のオープニングでも毎度出てくるが、彼ら6人の力の掛け合わせ総力戦でジャニーズの中でもこれまでには例をみなかったような振り幅の大きいエンターテイナー集団を目指す、というのがAぇ!groupの中に目標としてありそうだな、と、いつもいろいろと見ながらなんとなく、思っている。

それではここでAぇ!groupがジャニーズWESTの神山くんに作ってもらったというめっちゃハードでかっこいい自己紹介ソングにも張っておく。野犬、こと『Stray dogs.』。

ジャニーズの育成期間として存在してきた「ジャニーズJr.」というシステムだが、こういうオリジナルソングを既に多数持っていたり、衣装もオリジナルのものを製作し、単独の公演を行える時点で、この「ジュニア」っていうのは一体どういう立ち位置なんだろうな?という素朴な疑問は、前述の通りAぇ!groupの前のめりかつオリジナリティを探っていこうとする有り様や本人たちの視座はもちろん、冠番組までたくさん持てるというような現状を見ていると既によくわからなくなっていたし、つまるところ、ジュニアに込められていた”まだ半人前”とか”育成期間中”という意味は、とうに失われている、形骸化している。(そもそも大阪京セラドームで3日間も公演を満杯にできる人気のある人たちが、これ以上にどう目標を立てていくのかといえば、もはやそれってエンタメ業界的に見ても未知の世界と言わざるをえないだろうし。)

そこでまあ、Jr.とは何か、というより”CDデビュー”とは一体何か、という点を、前編の一番最初まで戻って、『なにわ男子がいよいよデビュー』というニュースを起点にしつつ考えてみる。

……まあ結局のところ既にYouTubeなどでは”デビュー”前から”オリジナル曲”が公開もされているわけで、メジャーレーベルからフィジカルがプレスされて流通する、というのは認証・認定がつくみたいなこと(でもそれすらも誰からの”お墨付き”なのか、もはやよくわからないといえばわからない)であり、既存のファンが”課金”したり”布教”したりするためにも、”何らか買えるものがあるということ”は現状のアイドルビジネスにおいては重要なことではある、ようだ。まあそれはもちろん自分も百も承知の上ではある、が。

まあ、Jr.というのは、ジャニーズ事務所のなかでのインディーズレーベルみたいなものなのかな、とかいろいろ考えていたが、もはやこれだけの曲を1年以上前からもらい、ミュージックフェアやHEY!HEY!HEY!などでも披露してきていながら、「デビュー」をしていない、というのはどういうことなんだろう、いや、もう事実上?実質?”既にデビューしてる”よ、とか何度も思っていた。まあ、なんというかいろいろと過渡期なんだよなとは思う。ジャニーズJr.は年齢制限の話も今年の初頭に出ていたし、

今回なにわ男子の最年長である藤原丈一郎くんは8歳からジュニアになり、そこから17年の間、ジャニーズJr.として過ごし、”CDデビュー”に至った。

彼はいま25歳だが、つまりこの年齢でのジャニーズJr.、という存在が数年後にはほぼ存在しなくなるはず、という意味でも、今はジャニーズ事務所が大きく変わっていく過渡期の最中にある。

CDの売り上げ枚数だけでなく、各種ストリーミングでの再生回数、そしてSNSなどでのバイラルまで含めた総合的な判断で音楽チャートが測られる時代となってきている昨今だが、ジャニーズの楽曲は未だにほとんどが配信に放たれていない(嵐がやっと先陣をきったところ)。

昔はジャニーズの楽曲といえば、そのグループのコアなファンでなくても口ずさめる国民的歌謡曲が多数あったが、今ではたとえジャニーズであってもファンの内輪でしか知られていないものが増えているわけで、その音楽聴取環境の大転換点を突破するという点においても、なにわ男子の”CDデビュー”というニュースメイクの仕方は、ある意味、ジャニーズにおいても最後の大型新人的な取り扱いかもな、と思ったりする。でも、それだからこそ、なにわ男子には絶対にアルバムでデビューをしてほしい、というのがずっと思っていることだった。KinKi Kidsが果たしたかった、アルバムデビュー(正確にいうとKinKiはシングル「硝子の少年」とアルバム「A album」同日発売でのデビュー)。あるいは光GENJIのファーストアルバムのような、すべてがシングルカットできる勢いの名曲揃い・チャゲアスという作家の力によって生み出された至極のアイドルアルバム。

現状でなにわ男子が持っている楽曲だけでも既にアルバムが出来かけているくらいの名曲が揃っていて、これらを一斉に、フィジカルは勿論だけれど、配信でもリリースできれば、それは今の時代においてもすごくインパクトがあるなあ、と思うし、KinKiもデビュー前から、CDではリリースされていないが既に世間では彼らが主演するドラマの主題歌として知られているような楽曲をいくつも持っているデュオだったし、それらの曲がファーストアルバムに入っていたから、あのアルバムはすごく売れた。単発の楽曲が話題になることが多い昨今だからこそ、なにわ男子にはジャニーズの底力をアルバムで見せてほしいなあという期待が沸々としております。デビュー盤にしてここまでのベスト盤、というスタイルで。


さて、一方のAぇ!groupだが。

「日経エンタテインメント!」の記事で数ヶ月前にメンバーの末澤さんが言っていた「もちろんグループを組んだからにはCDデビューしたいとも思うが、そういうこともこのエンタメ界全体が激変している中にいるもうあまり考えなくなった。現状でできることをちゃんとやっていれば、その先に何かある気がする。新しいデビューの仕方が生まれるかもしれないし」という内容の言葉が煌々と輝いてみえる。こういうことをたぶんAぇ!の人たちは考えて体現していけるだろう、と心から期待していたら、しっかりと最年長が言葉にしていたので、これはいけるな(何が)、とちょっと感動すらした。
これはものすごく、なんとなくなのだけれども、Aぇ!groupはたとえ「CDデビュー」が決まったとしてもめちゃくちゃ涙する、みたいなことはなさそうな気すらする。いや、涙すること自体に是否などなく、全然泣いてくれてもいいのだが、クリアすべきことはもっと長い道のりとしてあり続ける、というか、激変している業界の構造や自分たちの環境に合わせて新しいやり方を打ち出せることのほうに喜びを見出していくんだろうな、という気迫が既に感じられるからだ。

Aぇ! groupはリーダー小島健曰く「生き様を見せていくアイドル」だそうで、いや、それってアイドルというよりもはやパンクロッカーとかそういうのではというツッコミはさておき、まあ媚びてない。でも、別に全然媚びてなかろうとチャーミングさは溢れ出ているし、応援されるエンターテイナーとしての素質のクオリティは高い。媚びない、というか、安売りせず気高くいる、みたいなことなんだろうか。だからといって、別にオラオラもツンケンもしていない。Aぇ!は、「ブランド」というものをよく理解しているんだろうな、という印象。

私がその辺りで一番印象に残っているのが、昨年の11月に観た彼らのライブ中に「Eightopop!!!!!!!」という関ジャニ∞の曲をやった時の、ある一節のことだ。

「Eighter」というのは関ジャニ∞のファンを指す言葉だが、Aぇ!groupにはそういうファンネームが無い。ファーストツアーの当時から既にあえて本人たちも何かファンに呼び名を付けようとはしていないようだったが、もはやそういうファンダムを本体と切り離したものとせず、あなたも私もAぇ!group、というメッセージがなんとなく伝わってきた。そういう、グループの拡張性とか緩やかな繋がり方のほうに挑戦してみるのかな、と。ブランドを体現するのって、じつはお客さん自身でもあるのでね。

まあそんなわけで、なにわ男子がど真ん中、王道でものすごい渦を作り出すポジションをとっていける存在だとすると、Aぇ!groupはもう少しイノベーター的なところにいるように見えるというか。イノベーション、革新を起こしていくほうの立場なのだろうな、と。さすがは”死なない程度にNG無し”なAぇ!group。


今日からAぇ!groupが率いていく関西ジャニーズJr.の大阪松竹座での公演が始まる。2021年夏、去年の無観客とはまた違う意味での大変な状況下ではあるがなんとか最後まで楽しんで駆け抜けてください〜 

いやあ、たくさん書いてしまった。でも関西ジャニーズJr.、みんなすごくいいキャラクター粒ぞろいで本当に楽しいですね。みんなでBreak Throughしましょう。

いま君とBreak Through♪


最後の最後に、2021年下半期、どこまで突き抜けるのかわからんほどノッてるらしいAぇ!groupの皆さんがやいのやいのしているYouTubeへリンク張っておきます。


特に6〜7月の彼らの勢い、楽しげでよかったなあ。できれば6〜7月のことだけをまた集中的に振り返っておきたいですが。ぜひ今度!




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