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トルコ人とのコミュニケーション 距離感のちがいに驚かされる日々

Merhaba!(こんにちは!)
エーゲ海から、surf anneです🥰

トルコ生活にもだいぶ慣れてきた私たちサーフ一家ですが、
すっかり日課になっていることがあります。

それは、キョセさん一家とのコミュニケーション

キョセさんとは、私たちが住むアパートの1階でピラフ屋さんを経営する、
トルコ人のキョセさん一家のこと。


キョセ家の紹介

・お父さん メフメット(50歳)
以前はパティシエやレストランシェフ経験があり、
今年2月に発生したトルコ・シリア地震の被災地となったハタイ出身。
地震で友人を亡くされたとのこと。
厳格なイスラム教徒で、毎日の礼拝は欠かさない

・お母さん ノルタン(53歳)
イスタンブール出身、イスタンブール育ちの都会的な女性
趣味はお菓子作りとトルコ版ビフォーアフター🏠を観ること

・長男 バトゥハン(27歳)
イスタンブールに住んでいたが、バツイチとなったのを機に実家へ戻り、お店を手伝っている。
主にバイクでの配達担当。
兵役に行った経験もある。

・次男 ミラーチ(14歳)
高校1年生で、学校帰りにお店へやってきて、宿題をしながらお店も手伝うとってもお利口な子。
日本のアニメに興味があり、トルコ版Death noteを大切に持っている。


私たちがクシャダスへ移住する1週間ほど前からここへお店をオープンさせたキョセさん一家。
だから、ちょうど私たちがこのアパートを探していた頃に、
キョセさん一家も物件を探しており、ちょうど同じこのアパートに目をつけ問い合わせていたことになります。
何かの縁を感じてしまう…

我が家の部屋からアパートの1階に降り、オートロックの玄関ドアを開けると、すぐ隣にピラフ屋さんのドアがあり、
店舗も一面ガラスに覆われているため、
顔を見せずに出かけることはなかなか難しい…

だから私たちは外出する前と帰宅した時は、必ずキョセさん一家に声をかけるのが日課となっています。

朝は仕込みで忙しそうなため、ガラス越しに「ギュナイドゥン!(おはよう)」
と声をかけて手を振り、

昼間出かけるときは、「メルハバ!」と挨拶すると、仕込みも終わり落ち着いた
ノルタンが奥から出てきて、「どこへ出かけるの?今日は寒いねー、気を付けてね」などと、ノルタンに見送られ、

夕方帰宅時には、
「何を買ってきたの?お茶飲んでいかない?」などとそのまま店内に誘われるか、

または、「一時間後にデザートができあがるから、降りてきてね」
と誘われ、お茶をいただいているうちに夕飯の時間帯になり、
何も帰らず帰るのはなんだか申し訳なく、
(これも日本人の感覚ですが…)
ついでに夕飯用のピラフや煮込み料理をテイクアウトして帰る。

以上が基本的な習慣です。

ノルタンはいつも店内でお菓子を作っては、私たちをもてなしてくれます。
もちろん、ピラフ屋さんのメニューにお菓子は一切関係ありません…

トルコ移住前にダイエットに成功した私たち夫婦。
もちろんトルコに住んでからも、出来る限り体重維持を意識した食生活を送っており、
(トルコでは日本の食材はほぼ手に入らないし、小麦や油過多の料理が多く、外食もしたいので難しい面がありすぎますが…)

トルコ移住の8ヶ月くらい前からお菓子は一切口にしていなかったのに💦

だからと言って断るわけにもいかず、喜んでいただくしかありません。
しかも毎回量が多く、夕飯前にいただく量とは思えません😅

ノルタンのおかげで、お菓子解禁です!!

そして、ノルタンのお菓子はとても美味しいのです🍪🍩

夕飯前ではなく、持ち帰ってあとでお家でゆっくり食べたいけれど、
ノルタンはトルコ人特有ですが、もてなすことが大好きで、
しかもお菓子の感想をすぐ聞きたい様子。

「今日のクッキーはちょっと焦げたけど、味は完璧よ」

「今日のケーキは中にレモンをちょっと入れてみたの。どうかしら?」

「これはハタイのお菓子なんだけど、日本人の口に合うかしら?」

私たちが食べる姿を眺めてはニコニコのノルタン。

テイクアウトで夕飯を買いに降りて行った際も、まずは
「ヨウコ、座って座って。チャイとトルココーヒーどっちがいい?」
とお菓子とセットで出してくれるノルタン。

そのおかげで、買う予定だった夕飯のおかずも1品だけとかの注文になってしまい、
ノルタン、あなたがお菓子を出さなければ私たちはもう1,2品買うし、お店の売り上げに繋がるのよ?
と伝えたい(笑)

看板メニューのTavuk Pilav(チキンピラフ)
ひよこ豆入りピラフの上に蒸したチキンが載ったあっさり味
毎日食べても本当に飽きない


毎日声をかけるようになったいきさつ


移住してまだ1ヶ月も経たない頃、丸一日挨拶をせず過ごした日があり、
(終日忙しそうだったため、仕事の邪魔をしてはいけないと思い、声をかけず素通りしたから)

翌日に挨拶すると、「昨日は一日あなたたちの顔を見ていないわ、どこにいたの」と、とても寂しそうなノルタンとメフメット。

そっかぁ、日本人の感覚ではこの感覚が普通なのだけれど、
トルコ人からすれば、いくら忙しそうでも声をかけて欲しいのかもしれない…

夫とも相談した結果、特になにか用事があるわけでなくても、
ガラス越しに手を振ったり顔を見せることが大事なのではないか、との結論。

日本で住んでいたマンションでは、隣人とは会えば挨拶する程度で、
目も合っていないし、特に話しかける用事もない場合には、わざわざ声をかけないのが普通という感覚で過ごしていました。

しかも相手が仕事中であれば、邪魔をしないことがやさしさだと思っていました。

けれど、ここはトルコ。
日本の普通は、一歩海外に出れば普通ではなくなる。

私が当たり前だと思っていたコミュニケーションでの距離感は、日本人同士の場合の当たり前に過ぎなかったのだと実感。

それからは、忙しそうでもドアガラス越しに手だけでも振るようにしており、
ノルタンもメフメットも、包丁を握ったままの手で笑顔で振り返してくれます。
時には、料理を煮込んでいるコンロの火を消してまで、
私たちがいるドアまで駆け寄り、「今日もお菓子作るからあとで寄ってね」
と笑顔のノルタン。
こういう対応で十分満足な様子。

夕飯は済んでいるかは聞かないの...?

先日は、郊外へ買い物に出かけたため夕飯も外食で済ませ帰宅しました。
時刻は20:30、ピラフ屋さんも閉店作業をしている時間だし、
今日は出発前にも郊外へ買い物に行ってくることを伝えていたので、
特に声はかけずに帰宅しました。

帰宅して数分後、メフメットから夫のスマホへ電話が📲
「今すぐお店に来て!」とだけ言われ、
早速お店へ降りていく夫。

どうやら、私たちの部屋に灯りが点くのを待っていた様子。

帰ってきた夫の手にはピラフ2パックと、定番メニューのレバーの煮込み1パック、バゲット1本🥖
そしてノルタン手作りのココナッツ味のお菓子🍪

私たちが夕飯は食べたのかどうかは一切気にすることはなく、
今日は顔を見せない私たちのために準備しておいてくれていたようです。

「今日は夕飯食べてきたのでいりません」
とはもちろん言えず、受けとってきた夫。

そして夫だけが降りていったため、
「ヨウコは部屋にいるの?」
とノルタンに寂しそうに聞かれたとのこと。

(ノルタンごめんね…やっぱり遅い時間でも声かけてから部屋に帰ったほうが良かったよね…💧)

やっぱり、日本人からしたらうっとうしいくらいに挨拶をするのがちょうどいいんだと、またもや気づかされました。

翌日、ノルタンに昨日のお礼とココナッツのお菓子はとっても美味しかったと伝えました。
ピラフも翌朝温めて美味しくいただきました。


クシャダスに到着して初めて食べた料理も
メフメットが作ったピラフでした

長旅と不安で疲れた身体を癒してくれた、
メフメットとノルタンの笑顔と美味しい味

待ち合わせも予定通りとはいかないね…


唯一の定休日、日曜日には
mangal(バーベキュー)へも誘ってくれました。

誘われたのは、前日の夕方。
「明日、湖でバーベキューするから来てね!
14時にバイクで迎えにくるから待っててね。」
とだけ。

ここでもやはり、トルコ人と日本人の感覚の違いに驚かされました…

それがもし日本人だったら、
「今週の日曜日に家族でバーベキューする予定なんだけど、
良かったらご一緒にどうですか?
日曜日は予定空いてますか?」

という感じで、少なくとも3日~1週間前くらいから誘うのが日本人の”普通の”感覚ではないでしょうか。
もちろん、相手の予定の空き状況を聞いて。

そして当日、待ち合わせ時間

支度を済ませ部屋で待っていると、待ち合わせ10分前の13:50
インターホンが鳴り、
(予定より早く迎えにきてくれた、すごーい)
と感心しながら出ていくと、玄関先にはメフメットとノルタン
「15時にバトゥハンがバイクで迎えに来るから、大通りに出て待ってて」とのこと。
(トルコではバイクの3人乗りは当たり前で、しかもヘルメット被っていない人がほとんどで、私はバイクが怖くて苦手)

へぇー、時間変更なら仕方ない、ちゃんと14時には来てくれたし、
と思い1時間後にバトゥハンのお迎えを待って大通りに。
待つこと30分越え…🕞
しかし、なかなかバトゥハンが来ない…

すると、一度だけ顔を合わせたことがある、メフメットの甥っ子ムスタファさんがやってきました。
「車で迎えに来たから、一緒にいきましょう」
車内には、シリア人の奥さんもご一緒

時刻は15:40
時間も話も全然違うけれど、バイクが不安だった私は車移動にホッとしながら、ようやくバーベキュー会場の湖畔へ行くことができました。

真ん中がメフメットさん、向かって右がメフメットさんの甥ムスタファさん(33歳)、
左が夫(44歳)
メフメットさんの故郷の味、ハタイケバブ
炭焼きケバブは格別

バーベキューではキョセ家の親戚一同が揃い、
初対面の日本人夫婦を皆が快く迎えてくれて、
トルコ人の寛大さを改めて認識するとともに、トルコでのコミュニティが広がり、こういう機会が本当にありがたいと感じます。

ノルタンから学ぶトルコ語

そして一番大きいのが、ノルタンとの日々の会話の中で、トルコ語が自然と学べていること。
新しい単語はもちろん、
私の間違った発音のトルコ語には、
「違う、違う、こうよ」
と何度も繰り返し教えてくれるノルタン。

家でも毎日トルコ語の勉強はしていますが、机上で勉強するのと
実際トルコ人と会話して覚えるのとでは、
身につき方が全然違うことを実感します。

ノルタンとGoogle翻訳なしで会話できるようになりたい!
と私自身の目標にもなっています✨

繁盛店になりますように

お店をオープンしてまだ2ヶ月のピラフ屋さん。
ノルタンが毎日お菓子作りをしている点からご察しできる通り、
まだまだ客足が伸びない様子のピラフ屋さん。

リゾート地である、ここクシャダス。
「今はオフシーズンで観光客が少ないから仕方ないのよ」
とノルタンは言っていますが、
閉店間際になっても、ピラフがたっぷり残っている様子を見ると
なんだか悲しくて心配になってしまいます😥

売り上げ向上のために、
晴れた日はメフメットがキッチンカーで外回りをしたり、
大通りに手書きの看板を設置したり、
新しいランチメニューを考案したりと色々施策を重ねている様子。

心優しいキョセさん一家のお店が繁盛し、軌道にのってくれることを
見守り応援していきたいと思います。

もちろん、私たちも売り上げに少しでも貢献していきます!

そしてノルタン、トルコへ移住して心寂しくなった日もあるけれど、
あなたの笑顔にいつも元気をもらっているよ、ありがとう🧡


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