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職場を変えて、ルーティンを変えて、すこしアウトドア派になったという話。

生活のルーティンが変わると、また、自分の中に新しい発見がけっこうあったりする。

昨年の夏、始業時間がこれまでとゆっくりな職場に変わった。前の職場は、仕事としては好きだったが、コロナのこともあって、働く人たちの空気がよどみ、行き詰まっているのを感じていた。わたしとしても、何とか変えられないかと、大きな石を押したり引いたりするようにしてみたが、まったく手応えないばかりか、よく見ると、それは地中奥深く埋まっているところが分かって、「なるほど、これは無理だ」と手を動かすのを止めたのだった。

それで、コロナ禍だというのに転職活動をしなくてはならなくなった。こんなこと、この1年でそこかしこであったと思うけど。

始業時間が繰り延べられたことで、朝の時間に余裕ができ、脂肪の燃焼とセロトニン生成のため、東京駅から神保町方面の職場に30分ぐらい歩くようになった。皇居のお堀に沿って歩き、雉子橋通りを神保町へと向かうコースで、朝9時台は人も多くない。

皇居の敷地にある木々はよく手入れがされ、お堀の水面は穏やかで空をよく映している。ここは本当に都会のど真ん中か、呆気に取られるほど自然豊かでとても静かだ。こうやって歩くことは、健康のために始めたことだが、いまや道中で良さげな場所に腰を下ろし、景観を楽しんだりしていて、一日のうちのもっとも心静まる時間になっている。

思えば、これまでずっとインドア派で、陽の光なんて浴びなくて大丈夫で、家で本を読んだり、映画を観たり、音楽を聴いたりすることが好きだった。
長野の山ん中で暮らすC.W.ニコルなんてやんちゃ過ぎてありえないと思っていたぐらいである。そんな自分がフレッシュな自然を楽しんでいるなんて。30歳も半ば過ぎ、もう人格固まっちゃったと思ってたけれど、職場が変わることで、生活のスタイルが変わることで、自分の新しいところを見つけたのだ。

さらに、最近では、アウトドア心が芽生え、休日は折り畳みの椅子を持って、人気のない東京の湾岸部の公園や河原に行っている。そこで、本を読んだり、話したり、飲酒をしてみたり、ほどよくアウトドアしている。自分の家以外にリラックスできるポイントがあるとは。頭のなかの地図が広がったな、多摩川の河辺でワンカップ片手にそう考えたのである。

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