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【湘南シェアサイクル東海道旅Ep4《茅ヶ崎から平塚へ歴史散策!語り継がれる宿場町》】SURUGA Cycle Journal Vol.187

第4回を迎えた湘南シェアサイクル東海道旅。
今回の舞台は茅ヶ崎市&平塚市です。

相模川を挟んでお隣同士で、平塚市はかつて東海道の宿場町でした。かつて江戸から京を目指す人々が、宿場を求めて通ったであろう東海道を辿りつつ、それぞれの街で語り継がれる歴史を追ってみましょう!

▼今回のマップはこちら

No.1 第一カッターきいろ公園(中央公園)

今回のナビゲーターはこちらのおふたり。

◎茅ヶ崎市職員 原さん(白ヘルメット)
◎平塚市職員 松本さん(青ヘルメット)

スタートは茅ヶ崎市役所のすぐ側にある「第一カッターきいろ公園(中央公園)」です。公園の北西部にはシェアサイクル「SHONAN PEDAL」のステーションがあります。ご利用はこちらから!

第一カッターきいろ公園は、茅ヶ崎市に拠点を置く第一カッター興業株式会社がネーミングライツパートナーになっていて、2021(令和3)年1月からこの愛称で親しまれています。
芝生の広場はマルシェやお祭りの会場になることも多く、毎年10~11月頃には「ちがさきヴェロ・フェスティバル(自転車祭)」というイベントも開催されているのだとか!また、季節ごとに桜や紅葉など、自然の風景も人々を楽しませてくれます。

No.2 西運寺

第一カッターきいろ公園から自転車で7分ほど。細い路地を進んでいくと現れる、静かな佇まいのお寺です。
西運寺(さいうんじ)の山号は「御霊山」、通称「ごりょうさん」と言い、源義経の霊を祀っています。

山門を入ってすぐのところにある小さなお社には「南郷力丸(なんごうりきまる)の墓碑」があります。南郷力丸は茅ヶ崎市出身の「白波者(しらなみもの)」と言われた泥棒。数々の悪事により斬首となってしまいますが、供養に建てられたのがこの石碑、別名「力丸地蔵」と言われています。歌舞伎では有名な人物ですが、そのモデルとなった人物が江戸時代の茅ヶ崎に存在したのではないか?と言われています。

本堂を見上げると龍や狛犬らしき細かな彫刻、境内には美しい松の木。茅ヶ崎市に根ざした歴史と共に、境内の穏やかな雰囲気を感じることができます。

No.3 御霊神社

西運寺のすぐお隣にある小さな神社です。
住宅街に囲まれていて、鳥居の横には昔懐かしの丸型ポストが。

御霊(ごりょう)神社は、西運寺の毘沙門堂が変遷を経て、今の形になりました。
言い伝えによると、1198(建久9)年、源頼朝が相模川の橋供養の帰路に、非業の死を遂げた弟の源義経の亡霊を見て落馬、これが原因で翌年死去しました。里人たちはその怨霊を鎮めるため、源義経の霊をこの毘沙門堂に祀ったと言われています。

境内の至る所に謂れに関する貼り紙や、神社の説明看板がいっぱい。ひとつひとつ読んでいくと、この小さな神社に壮大な歴史が刻まれているのがよくわかります。歴史を後世に伝えようという温かみを感じますね。

No.4 でかまん菓子舗

東海道沿いにある、歴史ある佇まいの和菓子屋さん。「でかまん」の名のとおり、大きなおまんじゅうが名物です。
どのくらい大きいかというと…ショーケースに縦30cmほどある巨大なおまんじゅうが!こうしてみるとすごい迫力です。こんがりした焼き色で美味しそうでしょ?

今回は2種類のお菓子を買ってみました。

《名物でかまん》
でかまんはいろんな大きさが販売されています。しっとり生地にこしあんの優しい甘みで、緑茶が欲しくなる!

《夫婦鮎最中》
2匹の鮎が寄り添った形の最中が特徴です。中身は抹茶あん。まったりした甘さを楽しめます。

東海道名物の和菓子で、茅ヶ崎の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

No.5 旧相模川橋脚

でかまんさんから目と鼻の先、小出川のほとりにある、ため池から丸太が突き出た少し不思議な遺跡にやってきました。
1923(大正12)年9月1日の関東大震災と翌年1月の余震によって、この場所にあった水田に木柱が出現しました。これがなんと、鎌倉時代に源頼朝の重臣稲毛重成が亡き妻の供養のために架けた橋の橋脚だったことが判明しました。全国的にもまれな遺跡として守られています。

現在公開されているのはレプリカですが、実物の木柱はレプリカの真下の地下で保護されています。当時の地震による液状化現象を示す遺跡として天然記念物にも指定されています。

No.6 馬入ふれあい公園

相模川を渡ると、平塚市に突入しました!川沿いに続く相模川沿いのサイクリングコースに入ると、車が通らず走りやすいですよ。

このまま北上していくと、河原にはサッカーグラウンド、反対側には「馬入ふれあい公園」が見えてきます。相模川サイクリングコースからスロープで直接公園に降りられます。

馬入ふれあい公園は、敷地内に「ひらつか サン・ライフアリーナ」と馬入サッカー場があり、スポーツに勤しむ市民で賑わいを見せます。
誰でものびのびと過ごせる「はらっぱ」もあります!遊具で遊んだりキャッチボールを楽しんだり、地域の方々からも親しまれる遊び場です。

アリーナとサッカー場を横目に見つつ、並木に沿って中央広場を進んでいきましょう。
南ゲート付近には駐輪場があり、シェアサイクルのステーションも設置されています。

No.7 丁髷塚

馬入ふれあい公園の南ゲートを出て、裏道を進むこと2分ほど。「丁髷塚(ちょんまげつか)」という史跡にやって来ました。

その昔、寒川町にある寒川神社の神輿を担ぐ若者たちと、平塚八幡宮の神輿を担ぐ馬入村の若者たちが喧嘩を起こし、馬入の若者たちが寒川神社の神輿を馬入川に投げ込む事件が起きました。厳しい取調べの末、16人が打首罪となりましたが、代官が丁髷だけを切り落として打首に代えた、という逸話があります。この塚は、彼らの丁髷を埋めたと言われる場所です。

住宅街の中にひっそりとある塚なので、自転車じゃなかったら見逃していたかも。ポタリングだからこそ気づけた、平塚の歴史を語る場所です。

No.8  ABEMA湘南バンク(平塚競輪場)

相模川に沿って南に進んでいくと「ABEMA湘南バンク(平塚競輪場)」の前を通りかかりました。

場外はバスターミナル周辺に所属選手たちのタペストリーが飾られていて、なんだか賑やかな雰囲気。競輪の応援はもちろんですが、老若男女が楽しめるイベントが開催されているのをご存知ですか?
・キッチンカーの出店
・有名人のトークショー
・競輪選手と会える特別イベント
などなど、競輪場が初めての方でも気軽に参加できる催しが目白押しです。
最新情報は公式ホームページをチェックしてみてください。

入口付近には、平塚競輪のマスコットキャラクター「ウィンディくん」の電話ボックスがありました!凛々しい眼差しがチャーミングです。
そして、ウィンディくんのそばにはシェアサイクルのステーションもあります。

No.9 三秀堂

続いてはABEMA湘南バンクから北東に向かって約3km。ここからは街中のエリアに突入していきます。交通量が多い場所もあるので、気をつけて走行しましょう!

「ひらしん平塚文化芸術ホール」の北側にある「三秀堂」さんは、長年この地で愛される老舗和菓子屋さんです。
東海道にまつわるお菓子として、「ぺてん山」というものがありました!パイ生地の中に安寧芋あんと栗甘露煮が丸ごと入った食べ応えのあるお菓子なのですが、少し面白い謂れがあるんですよ。

【かつて宿場町だった平塚では、宿屋の客引きが目の前に見える高麗山(湘南平)を指さして「あの山を越えないと、大磯宿にたどり着けないよ」と言って、旅人を宿泊させました。しかし実際は山を越えることなく大磯まで行けるので、高麗山は「ぺてん山」と呼ばれるようになったそうです。】

この他にも気になるお菓子がたくさん!

《くずバー》
「湘南ひらつか名産品」の認定品。

《串団子》
三秀堂さんの看板商品。毎朝つきたてが並びます。

ひとつから買える手軽さが魅力で、ついいろいろなお菓子が食べたくなっちゃいます。

No.10 飛翔

今回のランチは、三秀堂さんから約2分のところ、国道1号線沿いにある中華四川料理の「飛翔」さんへ!
ナビゲーターの松本さんによると、ボリューミーなランチメニューがおすすめ!選べるメインメニューにライス、スープ、サラダに杏仁豆腐が付いて約1,200円ってかなりお得じゃないですか?

《若鶏とモンゴイカの四川黒豆炒め》
濃いめのオイスターソースが効いていてご飯が進みます!鶏肉とやわらかなモンゴイカ、野菜がゴロゴロ入っていて満足感バツグン。

《エビマヨ》
飛翔さんオリジナルの期間限定メニュー。
プリプリの海老たっぷり&野菜の彩り豊かなひと皿です。

No.11  平塚八幡宮

飛翔さんから国道1号線を東へ1kmほど走ったところに「平塚八幡宮」があります。かつて徳川家康が荒廃していた御社殿を復興させたという言い伝えがあります。

撮影日は2024年1月上旬、まだ境内に新年の雰囲気が残っていました。木々に囲まれた御殿、池のある庭園やしだれ桜など、境内は見所がたくさん。お参りの後にゆっくりと散策してみてください。

No.12 八幡山(はちまんやま)公園

平塚八幡宮に隣接している「八幡山公園」。

園内を進んでいくと、緑の屋根、ピンク色の外装の建物が見えてきました。これは「旧横浜ゴム平塚製造所記念館」、通称「八幡山の洋館」です。元々火薬製造所として建設されたもので、平塚市内では唯一、神奈川県内でも数少ない明治時代の洋風建造物です。歴史的建造物として、国の有形文化財に登録されています。
入館無料で中の見学もできますので、お気軽にお立ち寄りください!無料のコンサートや朗読会などイベントも開催されています。

洋館の前には小さな庭園が広がっています。撮影日にはバラが少し咲いていました。冬に咲く種類なのでしょうかね。四季折々に桜、アジサイ、ハギなどの花木が楽しめる、中心市街地のオアシスです。

No.13 平塚宿高札場跡

平塚市は、かつて東海道の宿場町として栄えていました。市内には今でも平塚宿に関連する史跡が多く残っていますので、ラストは旧東海道を走りながら平塚宿の軌跡を辿ってみましょう。
ちなみに、現在の東海道は国道1号線のことを示し、江戸時代に整備されていた旧東海道とところどころ重ならないところがあるようです。平塚市の旧東海道は国道1号線より南側を通っています!

八幡山公園から西側に向かって約10分、まずは「平塚宿高札場(こうさつば)跡」というものがあります。高札場とは、幕府や領主による最も基本的な法令を書き記した「札」が掲示された場所です。平塚宿から隣り合う藤沢宿や大磯宿への公定運賃なども表示されていたそうです。

No.14 平塚の塚

平塚宿高札場跡から西へ向かって約2分。小さな広場のような場所にやってきましたが、実はここ、平塚市の地名に深く関わりがある場所なんです。

「平塚の塚緑地」という場所で、入口の門をくぐると石碑と大きな松の木が見えてきます。
時は平安時代。桓武天皇の孫にあたる政子が東国へ向かう途中この地で亡くなり、その棺がこの場所に埋葬され、墓として塚が築かれました。この塚の上が平らであったために「平塚」という地名が起こったと言われています。

これが今から約1200年も前の話だと考えると、「平塚」の歴史の古さがひしひしと伝わってきますね。

No.15 平塚宿京方見附跡

今回の最終スポットは、平塚宿の一番京都寄りの端、「京方見附(きょうがたみつけ)跡」です。
各宿場の両端には、城門に似た「見附」が設けられていました。ちなみに、一番江戸寄りの「江戸見附」の跡は、ここから自転車で5分ほど走ったところにあります。

この距離感から、かつて宿場町があった場所はそこまで広くはなかったのがわかります。しかし、今と違って便利な交通機関もなかった当時、江戸から京までは気が遠くなるような道のりだったに違いありません。旅人たちにとって、宿場町の存在がどれだけ重要なものだったのかということを感じることができます。

それでは、今回の旅はここまでです。
次回もどうぞお楽しみに!

【Information 1】
▼茅ヶ崎市
https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp

▼平塚市
https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp

▼HELLO CYCLING
https://shonanpedal.hellocycling.jp/

▼SHONAN PEDAL
https://www.enoden.co.jp/shonanpedal/

▼第一カッターきいろ公園(中央公園)
https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/kouen/1006491/1006500.html

▼旧相模川橋脚
https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/bunka_rekishi/shiteibunkazai/1006254.html

▼馬入ふれあい公園
https://www.sakata-greenservice.co.jp/banyuu/

▼丁髷塚
https://hirahaku.jp/hakubutsukan_archive/minzoku/00000063/21.html?layoutType=tate

▼ABEMA湘南バンク(平塚競輪場)
https://www.shonanbank.com

▼三秀堂
https://www.instagram.com/sanshudo?igsh=d3VzbGY1NDA0OXlu

▼平塚八幡宮
http://www.hachiman.org

▼八幡山公園(八幡山の洋館)
https://hiratsuka-yokan1906.jp

▼平塚の塚
https://www.hiratsuka-kankou.com/spot/tokaido08.html

▼平塚宿京方見附跡
https://www.hiratsuka-kankou.com/spot/tokaido05.html

【Information 2】
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