旅とミニゲームとワッカに似た鳥。『ファイナルファンタジーVII リバース』
ここのところ、寝る前にずっと『FF7リバース』を遊んでいる。
寝る前に数時間プレイしているのだが、そのペースでは一向に終わる気配が見えない。50時間以上プレイしたのに、全然まだまだ旅の途中である。ゴンガガの森で彷徨い、コスモキャニオンが見えてきた辺りの進捗度である。
前作の『ファイナルファンタジーVII リメイク』でも、ここまで長いとは思わなかった。自分はインターグレード版のDLCもプレイしているのだが、閉鎖的なミッドガルを再現するだけでも、異常な作りこみだったのは確かだ。
原作(のHD版)と同時進行で比較しながら進めていると、原作では30秒くらいで終わっていたイベントが、最低でも1時間以上に膨らんでいるのに驚愕する。知らないキャラクターが増え、原作でいたけど忘れていたキャラクターにイベントや会話が増え、3時間程度で通り過ぎたミッドガルが30時間に伸びていた。若干の引き延ばしを感じる部分もあったものの、時の流れを感じるグラフィックの変化や、ミッドガルの再現度には舌を巻いたものだ。
リバースの場合は、とにかく世界が広い。初代PS時代のフィールドに出る変化をどう再現してくるのかと思っていたら、オープンフィールドのエリアを複数用意してつなげることで、当時のワールドマップを再現してきた。1枚絵だった原作の街が巨大になって再現され、原作にない街や建物や洞窟が新しく生えている。知らない通信塔が立ち並び、地形は立体的になった。
比較すると驚くほどに違いを感じるが、そのうえで今回はやたらとミニゲームが多い。何かしらのミニイベントも多い。なんだか、常に違うゲームを遊んでいるような錯覚すら覚える。常に何かミニゲームが始まり、新しい操作のチュートリアルが入る。次のエリアに行ったかと思えば、新たなミニゲームが始まり、新たなバトルがあり、もうそろそろお腹いっぱいだと思っていたが、どんどん増えていく。過剰なまでの山盛りだ。
丼からはみ出している、こぼれいくら丼大盛りみたいなゲームである。そのまま、テーブルの上にもこぼれるくらいの勢いで盛られている。たまに床に落ちているくらいの勢いで盛られている。時々、目にも飛び込んでくる。盛りすぎである。そう思って店主を見ると、店主にもいくらが盛られている。
原作の『FF7』でもここまでミニゲームの数は多くないが、突然ミニゲームが挟まることはよくあったし、変なギャグもあった。そういう意味では、正しくリメイクなのかもしれない。本当にとにかく、ミニゲームが多い。あまりにも頻繁に挟まれるし、なかには出来が微妙なものも混ざるので、ムラはある。あるのだが、不出来だと思ったものも楽しんでいるし、カードゲームのような自分がハマったミニゲームも含めて、出てくるたびに適当に楽しんでいる。全部極める気はないので、キリが良いところでやめているが。
しかし俺は今、この旅が楽しくて仕方ないのだ。クラウドたちとバカみたいに過剰なミニイベントやミニゲームを遊び、旅をすることで仲間たちに思い入れを持つ。大きいゲームだが、昔のようなRPGをしている体感がある。
そう、自分が楽しければいいのだ。もともと実績やトロフィーがいっさい気にならない性質なので、トロコンもする気はない。山盛り海鮮丼がお腹いっぱいなら残せばいいし、食べきれなくてもまた時間をおいて食べるだけだ。
頭に銃を突きつけられているわけではないのだから、吐きながら食べなくともよい。レビューする気も毛頭ないので、今回はじっくり遊ぶつもりだ。
だから、タイパを考えながら急いで遊ぶこともない。そもそも、分割の2作目で前作から4年かかって出た作品だ。次が出るのも下手したら4年後かもしれない。それなら、こちらも4年かけてクリアしてもいいくらいだろう。
それよりも、俺はワッカみたいな見た目の鳥について話したい。
おまえになんとなく似てる鳥が現れてな……
ワッカみたいな見た目の鳥とは、ビサイド・オーラカでブリッツボールをしていそうな見た目の鳥である。コレル山で起きるメインイベントなので、会いたくなくても会う鳥だ。クラウドに似た「クラピヨ」と呼ばれる雛鳥の親であり、わざわざ、クラウドに似た鳥がいるというコメディイベントのために生まれた親鳥である。バレットの子煩悩な姿を強調したかったというよりも、クラピヨが肩に乗る絵を見せたかっただけとしか思えない。
普通、こういった鳥はチョコボの子供にするのがFFだと思いきや、クラピヨの親はチョコボではない。そもそも何の鳥なのかすらわからない。青い体に意志を持った目。赤いトサカのような髪が目立つ謎の親鳥だ。なんだこれ。
クラピヨは、その後のイベントでもバレットの子供にやさしい一面を見せるために登場するのだが、肝心の親鳥は出てこない。それどころか、クラピヨは北コレルで飼われている。親ワッカはどうしたんだ。どこに行った。
最初見たときは、なんだこの変な鳥としか思わなかった。しかし、コレル山を下山するうちに、自分のなかにじわじわと「あの鳥、ワッカに似てなかったか」という感情が湧いてくる。クラウドに似ているからワッカに似た鳥を用意したのか。もしかして、ツッコミ待ちなのか。ちょっと記憶がねじ曲がってるかもしれないから、自分が変なことを言っているのか。
バギーで砂漠を渡り、ミニゲームを遊び、ゴンガガの森の美しい自然を見てミニゲームを遊び、探索していなかったところに戻ってミニゲームを遊び、ミニゲームを遊んでミニゲームを遊んでも、あの鳥が頭から離れない。
ロンリー・ゲスは、原作から名前が変わっているが、オリジナルキャラクターではなく、元からいたという話を知り合いにしたら驚かれるくらい再現度の高いゲームにおいて、クラピヨの親ワッカはオリジナルのバードだ。なぜか、このゲームにおいて印象のある新バードとして作られているのに、出番は(今のところ)コレル山で見ただけである。もしかして、さらに進めば出てくるのか? あえて、情報を仕入れていないから楽しみにしておこう。
なお、ロンリー・ゲスは服装から特徴的なポーズまでコーツと同じである。
ワッカ鳥の目つきは、真剣なときのワッカにも似ている。ここまでデザインが特徴的なのは、いったいなぜか。もしかして、チョコボレースに出せるのではないか。いや、待てよ。もしかして、チョコボレースの敵なのか?
そう思ってチョコボレースで回りを見渡したが、いたのは各種色とりどりのチョコボだけであった。やはり、クラピヨの親はクラピヨの親であり、チョコボでもワッカでもないのだろう。そんな感じでボーっとしながらミニゲームを遊んでいると、割と勝てない。ミニゲーム、作り込みすぎである。
そうしてミニゲームを堪能し、ゴンガガを彷徨い、森の美しさに感動しながらも、いつまたクラピヨと鳥ワッカがどこかから飛んでくるかもしれない。気が気でなかった。北コレルで捕まっているが、ゴンガガにいないとは限らない。クラピヨを押してきたということは、旅先で出会う可能性もある。
あまりにも気になるので、思わず『FF10』を再プレイしたのだが、よく見たらそこまでワッカに似ていなかった。いや、もうこいつワッカでもなんでもない鳥だ。なんでワッカに見えたのか。『シン』の毒気にやられたか……。
でも、勢いがあるときは勢いに乗って書くッス! これ、ブリッツの鉄則!
『FF7リバース』の話をしたいのか、それとも『FF10』の話をしたいのかわからなくなってしまったが、とにもかくにも『FF7リバース』をずっと遊んでいる。ほかのゲームを優先したいので、いったん中断するかもしれない。それでも、次の最終作(と思われる)が出るまでにはクリアしようと思っているし、ゆっくり、まったり、遊んでいく予定だ。ワッカとともに。
いや、違う。ワッカじゃないわ。結局なんだったんだよ、この親鳥は!
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