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大特を一発試験で取る方法

自分が大型特殊免許を取得した経験をもとに、誰かの何かの役に立てばとまとめてみます。

僕のとんでも失敗談が覗いてみたい人は過去の記事を読んでみてね。



大型特殊免許について


大型特殊免許とは

ホイールローダやラフタークレーン、フォークリフトなどの大型の特殊車両を公道で走行する際に必要な免許です。操作するための免許ではなく、実際に現場や敷地内などで操作するためにはまた別の資格や技能資格が必要です(車両系建設機械、フォークリフト運転技能講習など)。

近年では、トラクターなどの農耕車でも公道走行の際に必要な免許として義務付けられたので、取得を目指す人が増えています。僕の場合は大特車両による除雪作業で公道を走行するため、取得する必要がありました。


大特の取得法(費用、期間)

大特の取得法としては、自動車学校や教習所に行って規定回数の講習を受けて卒業検定に合格すれば取得できます。普通自動車免許や大型免許みたいに路上教習はないし、たしか6コマだったはずなので、本来取得にそこまで時間のかかる免許ではないです。大体目安的には2週間程度のようです。また、合宿でも受けれ入れてくれる教習所もありますので、この場合日数は大幅に短縮できます。

費用は教習所によって変わると思いますが、大体10万円前後と思われます。

もう一つの方法としては、一発試験です。いわゆる免許センターのようなところに行って構内のコースで運転試験を受けて合格すればその場で免許発行です(都道府県によって違いあるかもです)。なのでこれは、その日に受かりさえすれば最短1日で免許が取れます。

費用は、試験料4,050円+受かれば免許交付手数料2,050円=6,100円程度です。免許交付手数料は合格した際の費用なので、不合格で再度試験を受ける際は、4,050円が都度発生することとなります(自治体などによって違うかもしれません)

ここでは、普通自動車免許のことを触れずに記していますが、上記は普通自動車免許がある前提でのものになります。普通自動車免許を持っていなければ、これに学科の試験が加わるため、期間と費用が増えるものと思います。

自動車学校、教習所
 ・期間:大体2週間程度(混み具合による)
 ・費用:10万前後(学校・教習所による)
 ・難易度:低い
 ・合宿で取得できるところもある
一発試験
 ・期間:最短試験日当日(試験を受けれる曜日と受けれない曜日がある)
 ・費用:
 ・難易度:中~高
 ・運転に自信があるのなら挑戦の価値あり


一発試験で受かるために

まずをもちまして、自動車免許関連の一発試験について共通していることと思いますが、受ける免許センターによって難易度は変わると思います。自分の受けたところはおそらく難しい部類に入ると思います(受験者と合格者の比較を見るに)。

僕は合計5回目の受験で合格することができました。これが早いか遅いかなんとも言えないですが…

前提として、僕は車両系建設機械の技能講習を受けていたこと、既に私有地内で大特車両を操作している経験がありました。これをもってわりと自信をもって臨みましたが、途中心が折れかけるレベルまで絶望しました笑


車両について

試験車両は大きく分けて2種類あります。これは割と大きな違いと思います。試験車によって全く乗る感覚が変わります。違う免許か、くらい違うと僕は思いました。

・タイヤショベルタイプ

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こやつは、中折れといって車体の真ん中、キャビン(運転席)のあたりが折れます。これでタイヤの向きが変わって右に左に曲がります。

自分は業務で使っていたのでこのタイプに乗り慣れていました。

前輪操舵なので、感覚的には普通車を運転しているものと近いと思います。内輪差がなく、前輪の通ったところをそのまま後輪が通ります。

カーブで大回りになりやすいので、キープレフトを意識して、カーブに沿って徐々にハンドルを切っていくのがいいと思います。

試験中、ハンドルを急に目一杯きることはそうそうないと思いますが、急に限界までハンドルをきるとガクっとおおきな衝撃が車体に来ますのでご注意を。


・フォークローダータイプ

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僕の試験車はこのタイプでした。これに散々苦しみました…フォークリフトに乗り慣れている方はあまり苦しまないと思います。

一番のポイントは、後輪操舵という点です。ハンドル操作で後輪が右左に動きます。

ハンドルを切ると、そのままタイヤが反応して曲がっていくイメージです。普通車よりもダイレクトな感じで小回りが利きます。語彙力がなくて伝わりにくいですが…この辺りは乗った感覚で身に付ける必要があると思います。

ネットなんかにも書いてあったり、これは試験官にも言われましたが、普通車のバックで運転している感覚です。

試験での課題に方向変換がありますが、このときバックをする必要があります。これが難しいんです…。例えば、普通車で前進駐車をするとき、ある程度車線の枠から前方を突っ込ませてハンドルを切っていきますよね。この感覚でバックをするイメージです。普通に前進走行するときはこの逆です。


試験のコツ

試験は70点で合格です。100点から始まる減算式で、減点にあたる走行した際に減算されます。30点もあれば余裕じゃん!と思いやすいですが、割とすぐ消失します。普通の前進なら何も減点ないだろうと僕自身高を括っていましたが、まっすぐ走ることすら最初は難しいのでここから減算が始まります。合格ラインを下回ったところで試験は終わり、スタート地点に帰りましょう、と悲しい宣告を受けることとなります(試験場によって違うかもです)。

試験中の課題は例えば普通車の試験のように多くありません。方向変換、踏切、ポール停止です。これに加えて、通常の走行(まっすぐ走れているか、スピードを出すべきところはだすなど)、右左折時のふくらみ、それともちろんですが乗車から降車までの安全確認(走行中も)などチェックされます。

実際の試験の流れです。

試験官は試験車両に乗った状態で名前を呼びます。このときから採点は始まっています。多分。乗車の前に車両を一周回って安全確認します。安全確認してますよーというのが試験官に伝わればいいと思いますが、こんなとこで減点されるのももったいないのでちょっとおおげさに、車両の下、バケットの中など確認するようにしましょう。

乗車する際も右左確認して乗ります。乗ったら、試験官は準備ができたら発進してください、って言うと思います。エンジン起動前に各種確認です。普通車と同じ要領でいいと思いますが、自分はカザミシで覚えてました。カ:鍵、ザ:座席調整、ミ:(ルーム)ミラー、シ:シートベルトです。

そしたらエンジン起動します。発進の前に、バケットを持ち上げます。試験は車両の操作についてのものではなく、法令に沿った走行ができるかどうかなので、バケットの操作などは必要最低限でいいです。ですが、乱暴にガンって降ろしたりすると印象が悪いのでゆっくり操作しましょう。

右手側にあるレバーを手前に引いてバケットを上げます。これだけでOKです。このあたりは試験官に聞いても教えてくれるとは思います。


運転のコツ

右左前後を確認して、ブレーキを踏んだままギアを入れます。ギアは普通車のウインカーのようなレバーです。上側に押せば前進、下側に引けば後進です。ギアに関してもこれ以外の操作は必要ないと思います。

ウインカーをだして、安全確認して発進です。普通車と違うのが、ウインカーは曲がったあと勝手に戻ってくれないので自分で戻すのを忘れないように!

色々ネットなど見てもよく言われているし、自分自身が試験官にも指摘されましたが、特に気を付けるポイントは5点。

①キープレフト…基本的に左側の白線は踏まぬように車線左側に寄せて走行します。交差点など右左折の際は、早めにウインカー、進路変更、右折(左折)です。

②ふくらみ…右左折時、車両がふくらんで曲がらないように気を付けます。自分はキープレフトを意識しすぎるあまり特に右折時にふくらんでいると指摘されました。

③ふらつき…車両は左右だけでなく上下もすごく揺れます。普通車の感覚でハンドルを持って運転するととてもふらついてそれだけで減点対象になるので、しっかりとハンドルをもってキープレフトのうえまっすぐ走行することを意識してください。

④走行のメリハリ…安全走行のためにゆっくりと、安全確認も必要以上にやりすぎると印象が悪いみたいです。実際の道路で走行を想像して、減速するべきところ、加速するべきところのメリハリをもって走行するのがヨシです。

⑤方向変換…ほぼ唯一といっていい課題と思います。脱輪一度では失格になりますが大幅な減点です。特にフォークローダの場合ですが、バックして車を収めるスペースに対し、車両が半分よりももう少し先に行ったくらいでハンドルを切ります。後輪操舵なので自分の後ろがスライドして曲がっていく感じです。車両が収まりだしたら徐々にハンドルを戻していって後ろのポールには当たらない程度で止まります。安全確認してウインカーをだして、逆の要領で脱出です。分かりにくいですけど、エクセルで作った図です笑

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細かなポイントは他にもあると思いますが、原則的に交通ルールを守って、他の車に迷惑にならないようメリハリをもって走行する、というのが大事だと思います。


まとめ

自分の受験した地域の特性かもしれないですが、僕個人の感覚だとけっこう一発試験は難しいと感じました。ネット見てると他の方はけっこう一発や2回で合格してる方もいるようなので、地域差がありそうです。

僕の受けた試験場では、僕自身が合格したのが5回目ですし、少なくとも僕が受けた5回のうち一緒に受験された方それぞれ2.3名ずついらっしゃいましたが、他に合格された方はおられませんでした。

運転にすごく自信があってセンスがあって、初めて乗る車両でも一度二度で大体感覚掴んじゃう、っていうタイプの方は難なくいけちゃうかもですが、車両自体は特殊なものなので、作業で使ったことがあるとか、乗ったことがあるとか、そういった経験がまったくなく、かつ練習したりする車両がないと、試験の最中の乗車だけで合格ラインまでの走行をするのはなかなか難しいと思います。

自分の場合は、フォークローダの練習をするためのフォークリフトに乗って練習する機会に恵まれていましたので、なんとかめげずに挑むことができました。

期間的、金額的にも、試験場での一発試験は短く安く免許を取得することができるので、運転技術に自信がある方、練習環境がある程度ある方は挑戦してみてください!


僕は、3回目あたりで『これ、ほんとに免許取れるんかな…』って心が折れました!笑


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