リングアウト


学生時代、駅のホームで帰りの電車を待っていた。
授業が夜までだった上、軽く寄り道していたからいつもよりちょっと遅い時間帯で、飲み会帰りのサラリーマン風の人たちもちょいちょいいた。

出たばかりのiPhone版ダンスダンスレボリューションで遊んでいたら、駅の階段からおじさんの肩を借りて降りてくるベロベロのおじさんが現れた。


とりあえずホームのベンチにベロベロのおじさんを座らせると、もうひとりのおじさんが「俺、ちょっとトイレ行ってくるからな!」と立ち去る。

明らかにベロベロのおじさんは聞いてない。


しばらくするとおじさんは立ち上がりフラフラとホームをさまよう。

千鳥足のおじさんが僕に目掛けて突っ込んできてタックルを食らう!


ダンスダンスレボリューションどころじゃない状況になり、おじさんの肩を取りベンチになんとか座らせる。「友達の人来るまでおとなしくしてるんですよ!!」と声を掛けるもやっぱり聞こえてない。大丈夫か?


列に戻るとまた、おじさん立ち上がる・・・も体のバランスがとれなくコケそうになる!

なんとか体制を戻そうとするもバランスが取れず。。。。


そのままホームから落ちる!!!!!!


ざわつくホーム!

非常ボタンを探す俺!

非常ボタンらしいメカを見つけてボタンを押すもなんか違う機械!

別のお姉さんが黄色い非常ボタンを見つけてプッシュ!

鳴り響くサイレン!

もっとざわつくホーム!

駆け寄る駅員さん!

トイレから戻ってくるおっさん!

おっさん「あれ?」

僕「ツレの人がホームから落ちた!」

おっさん「え!?!?!?」

サイレンを聞いてさらに集まる駅員さん!!

線路に横たわるおっさん!

なんか無線で指示を出す駅員さん!


ホームに降りておっさんを胴上げの形でホームに上げる駅員さん達

救護班的な人たちが担架とともに登場し、おっさんの無事を確認するもおっさんは状況を把握できずなぜか周りを威嚇する。

担架に乗せようとするも「大丈夫!!!!!」と拒むおっさん、「いや診てもらわないとダメだって」と諭すもうひとりのおっさん。
そのままおっさんと駅員さんに肩を持たれてどっかに連れて行かれていった。


駅員さんたちも「ご迷惑おかけしましたー」と去っていく。


その後、そのおじさんの姿は・・・・・数カ月後電車でベロンベロンになって椅子4人分を使って寝ているのを見た。


ていうか同じ駅で降りた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?