俺の人生初モンストプレイヤー
10年近く前、専門学校生時代電車通学だった。
夕方に授業が終わり帰りの電車に乗った。
田舎だと都市部の始発駅で発車20分くらい前までにはホームに電車が止まるので、
座るなら早めに乗り込まなきゃいけない。
早めに乗り込んだので座って出発を待つ、
夕方なんでそこまで乗客は増えない。
電車の出発直前に
・・・なんかすごい太ってる青年が乗ってきた。
いや別にそれはいい、というかそれだけなら今日に至るまでいちいち電車で見たお客さんなんて覚えていない。
走り出す電車、バランスを崩して転ぶ青年。
嘘みたいに転がってく青年。
起き上がろうとするもまた揺れる電車。
また、転がってく青年。
おっさんの足元にぶつかる青年。
おっさん「気をつけろ!」と一喝
青年「ふ、ふぇぇ」と怯えるとまた転がる。
今度は女の人の方向へ!まずい!このままでは事案だ!
すると僕の隣に座ってたおじいちゃんが立ち上がり青年をキャッチ!
おじいちゃん「座ってろ!!!」
と青年を席へドリブル。
え、ちょっとまってよその人一人分じゃ座れないくらいの体型なんだけど。
2席分の席に座らせるために立たざるを得ない俺。
と思った矢先、電車は隣駅についた。
青年はおじいちゃんを振り払い一目散に電車を脱出。
おじいちゃんと俺は目を合わせ元いた席に戻る。
今にして思えば。あの青年は自分の身体でモンストをしていたのかもしれない。
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