ボーダーライン

昔「会社で椅子に座り続けていれば月10万円もらえる仕事」をしていた。(ほぼバイト)

特に仕事がないとはいえ自分の席はあるので座って毎日壁際に設置されているテレビを見ていた。
時期があの大きい地震の頃なので、その会社の建物もある程度のダメージを受けていて空調設備を全部取り替えないといけないということになった。

社内の広めのフロアは工事のためブルーシートに覆われて席がそれに合わせて変わることになった。

が、ちょうど一人分どうしても席が確保できない配置になってしまうことが判明。

関係各所の協議の結果「あいつ急を要する仕事がないから」という理由で僕だけ社内の使っていない半ば物置になっていた部屋への一時的な移動を命じられる。

とりあえずパソコンを移動させるもネット回線は無い。
座ってるだけの仕事とはいえ毎日ある程度の仕事はあるしその連絡はネットがないとできない。
と説明するも毎日作業したデータをUSBメモリに入れて上司に手渡し上司のPCで数分作業して物置に戻るという手順に落ち着く。

物置生活1日目、ネットもないソフトバンクの電波は入らないという物置でとりあえず置いてあるテレビをずっと見る。


物置生活2日目、ネットもないソフトバンクの電波は入らないという物置でとりあえず置いてあるテレビをずっと見る。

物置生活3日目、ネットもないソフトバンクの電波は入らないという物置でとりあえず置いてあるテレビをずっと見る。相棒の再放送に救われる。

物置生活4日目、このあたりで更に上の上司が毎日「元気?」と声をかけに来るようになる。大体相棒の再放送のタイミングなので早くどっか行ってほしい。

物置生活5日目、社内で「あいつを最近見かけないのは、ついに仕事がないストレスで無断欠勤し始めた」という噂が流れ始める、席移動の件が周知されてないことが判明

最初の1週間だけで完全に幽霊扱いだ。

その後も、この部屋から別に仕事に使わない資料を発掘し読んだり、

「俺も暇だから」と定年間近のおじさんがやってきて将棋をやったり、

相棒を見たりした。

そろそろ工事が終わるというタイミングで上司に確認を取る。

「あ!新しい座席表のリストにスサガシ君入れとくの忘れた!!」と衝撃の報告を受ける。


相棒は面白い。

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