「努力は裏切らない。」

先輩が所属する集団のレベルへの同調ではなく個人のレベル・意識こそが大事だと教えてくれた中で、自分の学年にも頑張っているやつがいた。

坂本くんは入学して早々からやる気だった、彼自身は別に志望校に落ちてしょうがなく地元の偏差値37の高校に入ったわけではなく最初から高校卒業後は国だか県だかの自治体に就職するのが普通という考えで入った子だ。

でも、彼は就活が始まったときから有利にする算段をつけていた、入学してから最初のクラス委員長選には立候補をし見事1年3組の委員長に就任、中学から続けている吹奏楽も続け、野球部の応援のために球場のスタンドからトロンボーンを鳴り響かせた。(現在野球部は廃部)

秋の生徒会選挙でももちろん率先して、立候補することを決める。

坂本くんの狙いは生徒会で1年から働き3年では生徒会長に就任し就職に有利にさせるためである。


あ、こう悪く書いてますが坂本くんとは普通に休みの日に遊ぶくらいには仲良かったです。


が、だ。我が校はそもそも中学時代勉強の成績の左右されることなく自由に生き、当然のように生徒会選挙でも進学校へ進む生徒のイベントに興味を示さなかった結果、地元でも蔑みの目で見られる高校に入学したメンツである。坂本くんの立候補のためには推薦人が必要になるのに誰も引き受けてくれる人がいなかった。

先生と一緒に推薦人を探す坂本くん、ついにはぜんぜん違う中学出身の僕にも声がかかる。


坂本くん「スサガシ、推薦人になって選挙の時に応援演説してくれよ。」
僕「なんでお前の進路のために働かないといけないんだよ。」


この会話のみで爆速で交渉決裂!横で聞いてた先生はあまりにもストレートすぎる拒否に爆笑!

結果として、陸上部の中堅(エースじゃねーのかよ)のトッピーくんが選挙管理委員を渋々引き受けたのを先生方の尽力で抜ける形で渋々引き受け推薦人に就任する形で解決する。


迎える選挙当日!


体育館に全校生徒が揃い、ヤンキーの相田くんが先生に掴みかかって外に連行されたりしたが、会が始まると推薦人のトッピーくんが応援演説し、坂本くんも公約演説を順調にこなす。
他の生徒の演説が終え、迎えるは、いざ!投票!

各々の生徒が選挙管理委員から投票用紙をもらい、記入用の机にそれぞれ仲が良かったり、面識がある生徒の名前を書き、投票箱に紙を入れる。

僕も投票を用紙をもらい、記入用の机に向かわずそのまま紙を投票箱にダンクした瞬間に担任に首根っこ捕まれ体育館の外から生徒指導室に連行される。


〜次の日〜


見事坂本くんは生徒会選挙に当選し2年生になっても順調に当選、3年生に進級し吹奏楽部の部長に就任!そしてついに生徒会長にまで登りつめる!

晴れて学校のトップにまで出世した坂本くんはこの実績を引っさげ、国だか県だかの自治体の就職試験に望む!


落ちる!


ヤンキーの相田くんは受かる!


この結果に衝撃を受ける坂本くんだが、先生の尽力もあり学校の推薦ももらう形で地元の民間企業に就職することになる。。。。。。


入社して次の日から会社から来なくなりそのまま辞めたらしい。


高校卒業してから一切連絡取ってないけど今日も元気かい?坂本くん。

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