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緑の景色

僕の生まれは地方の山の中。
都会に出ていたこともあるが、今は生まれた故郷で過ごしている。
変わらない山々の景色。近くを流れる小さな川。
当たり前になって普段は意識をしないことが多いけど、ふとそこに目をやると生き生きと輝いている。
自然に抱かれて生きる安心感。それが地方の魅力。
都会にいた頃は変わっていく街並みや周りが変化していくことが、自分の変化のように思っていた。しかしよくよく考えたら自分は何も変わってなかった。
周りの変化を自分の変化と勘違いしていただけだった。変わったようで変わっていなかった自分。いい意味で勘違いさせてくれる都会。
地方に住んで、変わらない景色の中で逆に自分という存在があらわになった気がする。
自然はいつもそこにいて、悠々と僕らを見ている。
生命の営み、宇宙のリズム。
いつでもそこにいて、誰にも平等に働きかけてくれる自然の力。
故郷で暮らすようになり、生命として生きる力が強くなったと思う。
命の力を信じれるようになったのだと思う。
都会とのコントラストで鮮やかに浮かび上がる緑の景色。
僕の心の中の故郷は瑞々しい緑で包まれていた。
ふと外の景色に目をやると「やっと気づいたか。ずっと待っていたよ」と声がした。
緑の景色、変わらない景色を描いていこう。綴っていこう。
勘違いではなく確かな変化を実感できるこの場所から。