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出逢いのタイミングと人生

ピアノの弦の話を恋人としていた。

そもそもは、ピアノをどこかへ搬入すると弦に掛かる張力が変わり調律が狂い、安定しなくなるという話からだ。
その為に、ピアノの搬入には調律師さんもセットな事などを話していた。

アップライトピアノの弦は切れにくい造りらしくて、ぼくもまだ切ったことは無いのだけど、グランドピアノでは何度かやらかしてしまっている。
バァンッ!!とすごい音がするので毎回びっくりする。
いや、もう、よく言われるけど銃声みたいでドキドキする(生の銃声聞いたことないけど)
なんで切れるのかを聞かれた時に僕が調律師さんから聞いた回答を恋人に教えた。


・経年劣化(弦の金属疲労)
・力を入れて弾いていると切れやすい(立ったり、脱力が上手くできず力を掛けたまま)
・沢山、弾くピアノは切れやすい

実際の所、調律師さん曰く明確な理由は無いらしいのだけど、僕が切ってしまった時は脱力出来てない、練習量が多すぎる、だったと思う。
そんな話を伝えていたら恋人が

「そんなにいっぱい練習したんだね」

と褒めてくれた。
こんな風に褒めてくれる人は居なかったから僕は、この言葉にすごく感動してしまった。
ピアノの弦が切れた時、家族は僕やピアノを心配してはくれたけど、練習を沢山した事を褒めてはくれなかったから。

もっと早く出会っていたら、恋人に褒められるまま調子に乗って音大を受験し、果ては留学したかもしれない。
笑いながら話していたけど、僕は単純なので大好きな人が褒めてくれるだけでどこまでも行ける気がした。
出会う時期が違えば、僕の人生はピアノ一色だったのかもしれない。

人と出会うタイミングで、人生って変わるんだなと思った。

実際、僕の人生は恋人と出会って今の道に行くと、変わったのだから恋人の影響力は絶大だ。

彼女はいつも、僕が僕として生きる道へのヒントを教えてくれる。


僕は、自分の事があまりわからない。
今まで、周りが求める僕であろうと頑張っていたから、自分の本当の気持ちは心の奥底に閉じ込めてしまい、知ろうとすらしていなかったのだ。
でも、彼女と出会い、僕は僕として生きてていい事や、僕は僕のしたいことをしていいという事を教えてくれた。

心の奥底にあった本当の気持ちを出せるようになって来たのは恋人のおかげとしか言いようがない。


君が居てくれたから、僕は今頑張れているよ。
いつも、ありがとう。


ピアノの弦が切れた話から、恋人の僕への影響力の凄さを実感するとは……。
もう、恋人無しでは生きていけないんだなあ。

僕達は、物凄い共依存の様にみえているかもしれないけど、お互いにお互いを思い自立しているので共依存とかの危うい関係では無い。
思いやりあえる、お互いが大好きすぎる、それだけ。

僕の目標は、いつか彼女を色んな面で支えて、彼女がのんびり穏やかに日常を過ごせるようにする事。
2人で長生きして、色んな事を楽しむ事。

君がおばあちゃんになっても、毎日可愛いねって抱きしめさせてね。

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