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“味な店” in 渋谷 #ミス・サイゴン

 一皿でできるベトナム旅行。現地のカオスが詰まった味と香りで記憶を辿り、コロナ前のあの頃に戻る。私にとって料理はその国へのチケットと同じ。湯気と共に舞うパクチーの香りでトリップしてしまいそう。店内を駆け巡る陽気なベトナム歌謡は異国間を演出しながらも謎の安心感を与える不思議な感覚。国は違えど、時代に貫かれた共通の何かがあるのだろうか。窓際のソファと看板はお揃いのエメラルドグリーン。ベトナムの赤いイメージが変わりつつある。雑居ビルの6階から見下ろすのは渋谷の熱気。上空でゆったりできる空間だけでなく、五感を通して「渋谷の天国」を感じさせてくれるのがここ、#ミス・サイゴン 。

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 メニューを見てすぐに惚れてしまった。ジンジャーエールの「エ」は漢字の「工」だし、気付けば日本語を諦め、最終的には写真とベトナム語だけで表記されている。小さな愛おしさを散りばめたようなメニュー表。これはなんだろうと調べながら料理を待つ時間も楽しい。

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 ハノイのレストランで初めて知ったベトナムの味、バインセオ(Banh xeo)。パリパリの生地の中には豚肉ともやし。これを一口サイズにカットしてから野菜で巻いて、酸味の効いたソースにディップ。時間が経ってもしならない生地は肉と野菜のまとめ役。生地だけでも美味しいので、スナックとして売ってほしい。

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 実はフォーには2種類あって、私が食べたのはフォー・ボー(Pho bo)。boは牛肉のことで、ベトナムで食べたほとんどのPhoがboだった気がする。米粉麺は敢えて短くカットしているのか、スプーンですくって食べることもできる程。何が入っているのか正確には分からないカオスの味と、しっかり分かるパクチーの香りが現地を思い出させる。これはもう、ベトナムの街を食べているような気分。

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 焼飯。相方の食欲のしもべに少し貰ったものを小皿に移したら素敵な写真が撮れた。#丁寧な生活 の類の言葉が似合う彩り焼飯だった。

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 これはホイアンの記憶。ベトナムは暑いのでアイスで飲んだが、今は寒いのでホットで頼む。練乳を混ぜたベトナムコーヒーはマックスコーヒーの上位互換Lv.100。ドリップコーヒーの香ばしさが練乳の甘さと共に口内に張り付く。最後まで香りが素晴らしいランチ。

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