青切符導入への動きは自転車の活用と安全性向上の両立につながるか
「毎日の『移動』を『エコ』に! smart move(スマートムーブ)に取り組んでみませんか?」と呼びかける政府広報も注目の、自転車。
確かに、温暖化ガス排出量を減らすのに役立つ移動手段だと思います。
ただ、歩道をけっこうなスピードで我が物顔に走行し歩行者を威嚇する自転車がいたり、ヘルメットを付けずに車道を走って道路の真ん中近くまでふくれてきたりする自転車に出会うことも多く、そのたびにヒヤッとするのも現実で。気候変動対策として自転車の活用をうながしつつ、安全性を確保するにはどうしたらいいのでしょうか。
今日はこの問題について学んでみました。
自転車の交通違反に「反則金」導入へ
自転車の交通違反の取り締まりに「反則金」が導入される見通しとなったことが先日、報じられていました。
背景にあったのは、
という状況。そこで警察庁は、自転車も自動車やオートバイのように反則金を課すいわゆる「青切符」で取り締まり、事故につながるおそれのある重大な違反行為については反則金(5000円から1万2000円程度を想定)を取る形になるようです。
事故につながる恐れのある重大な違反行為とは
NHKの記事によれば、事故につながる恐れのある重大な違反行為の例として挙げられているのは、以下の行為でした。
信号無視
一時不停止
右側通行などの通行区分違反
自転車の通行が禁止されている場所を通ること
遮断機が下りている踏切に立ち入ること
例外的に歩道を通行できる場合でも徐行などをしないこと
ブレーキが利かない自転車に乗ること
携帯電話を使いながら運転すること
傘を差したりイヤホンを付けたりしながら運転する
歩道を結構なスピードで走っている自転車やイヤホンをつけて自転車に乗っている人はよく見かけるので、取り締まり件数は多くなりそうに見えます。
「青切符」導入で何が変わるのか
ひとことで言えば「中間」ができる、といった感じでしょうか…。
現在は、自転車での交通違反を取り締まる場合は
警告…交通ルールが書かれたカードを違反者に見せる。罰則無し
赤切符(悪質な場合)…刑事罰。ただし多くは起訴されない
の二択だったようなのですが、今後は「警告」と「赤切符」の間に「青切符」が入ることになります。
自動車の問題と自転車の問題はリンクしている
自転車を安全に利用してもらうためには、自転車に安全に乗れる「環境づくり」も欠かせません。
ここ数年、都内にも自転車専用通行帯(専用レーン)の表示がだいぶ増えてきたように思いますが、これが実際には使えないものになっていることも多くあるようです。
このニュースで指摘されているのは、自転車専用通行帯への違法駐車問題。
NHKが2022年に独自調査した結果によれば、東京23区の通行帯134路線のうち85%にあたる114路線に違法駐車があり、台数はのべ1372台に上っていたのだそうです。
そう、自転車が安全に車道を走れるようになるためには、車の問題も解決されなければならないのです。
折しも、2024年は4月から「ライドシェア」が条件付きで一部解禁されることになる年でもあります。
自転車の問題と切り離しては考えられない、車をめぐる環境変化にも2024年は注目していきたいと思います。
以上、サステナビリティ分野のnote更新1000日連続への挑戦・80日目(Day80) でした。それではまた明日。
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