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#143 医師が覗き見る「日本社会のイマ」

FRBの政策金利を盾にしてのインフレへの挑戦も先が見えてきた。インフレのピークアウトを示すデーターが出てきているので、これ以上の金利を上げたとしても限界がある。最終的な最高金利(ターミナルレート)は5%程度を上下するのであろうが、さほど驚く高さにはならないだろう。それをどの程度の期間、据え置くかについてはFRBの権限として残されている。しかし、そこは市場が慣れて、織り込むだろう。要するに、経済にブレーキをかけられている状況で、いかに企業は利益を確保するかに関心が集まってきた。
現に巨大企業ではリストラを積極化していて、経常利益の確保に向かっている。
22日に発表された米国消費者信頼感指数で『消費者の1年先のインフレ期待は5.9%に低下。コンファレンスボードの景気指数担当シニアディレクター、リン・フランコ氏は「12月のインフレ期待は2021年9月以来の低水準に下がった。最近のガソリン価格下落が大きな要因だ」と述べた。』と報道されている。この期待インフレ率は適応型期待形成に分類され、合理的な期待形成ではない。要するに現状の感覚では1年後は5.9%のインフレとなるという訳で、決して将来を多面的に分析したものではないのだ。しかし、これが人の心理である。この心理が、『この程度のインフレなら賃上げをそれほど迫る必要もないだろう』ということに繋がり、賃金インフレを抑え込む因子となるのかも知れない。
FRBは現在の高インフレを1970年代のそれと同類視しているような表現をしている。しかし、当時はOPECの政策で原油価格が高騰していたのである。フランコ氏の言うガソリン価格下落は現在のインフレは当時と似て非なるものである事を示唆しているし、期待インフレ率の低下をもたらしている。
この期待インフレ率の低下は何にも増してインフレへの特効薬となりそうだ。
来年は明るい年になる事を願っている。

経済優先路線を日本だけでなくて世界中がとっている一方で日本はコロナ患者が急増して来た。粘着性(sticky)のあるインフレ以上にコロナは粘着性がある。
いつになったら、コロナから解放されるのだろうか?

コロナに密着してゆきます。


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