およげ!今川焼き

無人島から流すメッセージボトルのような、気まぐれ日記

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最近の記事

十角館の殺人 🔖 「衝撃の一行」の効果と、鮮やかで華麗なプロット

「衝撃の一行に震える!!」 本の帯の推薦文が言うように、最後に大どんでん返しがあるのだろうと期待して手に取った。 そういえば、以前Xで「ミステリ好きはとにかく読め」とオススメランキングの中で堂々の第一位になっていたっけ。 「衝撃の一行」と言われると、何故だかつい、 「最後の一行」だと脳内で勝手に変換してしまう。 そして、その一行が放たれたのは、(当然だが)最後ではなかった。 いよいよ迎えたその一行は、非常にシンプルで、でも華麗で もしかして、これが例の「衝撃の一行」?

    • 坊ちゃん🔖実直で好戦的な主人公がクセになる名作

      日本人なら誰もが聞いたことのある、夏目漱石「坊ちゃん」。 本も薄く、短くてサクッと読めた。 かなり古い版で読んだので言葉遣いも含め、時代背景も古く感じられたが、真っ直ぐな性格なのにとにかく何事にも反発する主人公にハマった。 理不尽な社会の仕組み、職場、同僚、狭くて窮屈な地域社会など、全てに戦いを挑んでいて、笑ってしまう。 他の人を陥れつつ自分の思い通りに物事が進むよう、要領良く生きている憎らしい人間は、どの時代にも共通でいるんだと情けなくなる… でも、主人公が仲間を

      • 二都物語🔖全てはクライマックスのための助走

        イギリス作家、チャールズ・ディケンズの名作。 ロンドンとパリの2つの都市を舞台にした物語。 初めてタイトルを知ったのは、おそらく受験生時代、世界史の勉強中。 フランス革命期を舞台にしたこの作品を書いたのは誰か?のような、一問一答で知った気がする。 読む前に、「とにかくラストに大どんでん返しがある」とだけ聞いて読み始めた。 年末に読み始めたので、2ヶ月半ほどで読み終わった。 ゆっくり読んでたのもあるけど、最初はあまり面白いと感じられなくて、訳が古かったのもあり指が進

        • 午後の曳舟🔖少年期特有の、絶望感、選民意識、正義感

          父の昔の本棚から引っ張り出してきた文庫本シリーズ。 午後の曳舟 ー 三島由紀夫 物語全体を通して、世界に対する希望、その期待が裏切られた時の深い絶望が根底にある。 読み進めるなかで、なんて儚く切ない文章を書くんだろう、こんな言い回し、どう生きたらサラサラと出てくるの?、この微妙な感情をキャッチして言語化できる感性とスキルはどう育まれたの?と思うようなシーンに何度も遭遇。 そして、ひっくるめて率直な感想。 こんなに敏感で、微妙な感性を持った人って、生きづらそう〜…。

        十角館の殺人 🔖 「衝撃の一行」の効果と、鮮やかで華麗なプロット

          嵐が丘🔖有名すぎる悲劇、誰一人好きになれなかった

          世界の三大悲劇に数えられる嵐が丘は、イギリスの女流作家エミリーブロンテによる、1847年の作品。 タイトルは聞いたことあるけど実際に読んだことはなく、上下巻に分かれてはいるが短くて読みやすそうだったので、読んでみました。 結果、三世代に渡る人間関係と、そこから生まれた復讐とが、重くて難しくて全くハッピーにならない…。ただ、これだけ緻密に書き上げられたストーリーは、さすが名作と言われるだけある。 当時の家柄階級や人種による差別、田舎特有の閉鎖的な事情、聖書と信仰にもとづく

          嵐が丘🔖有名すぎる悲劇、誰一人好きになれなかった

          痴人の愛🔖主人公に共感できなくてよかった

          痴人の愛を読んだが、物語の途中からのスピードアップ、破滅的で畳みかけるようなラストを迎え、読了後に「これは…後味がよろしくない」となったので記録。 一言で言わせてもらうと、ナオミが苦手。 ヒロイン(?)が苦手になってしまうとどうしようもないけれど、それでも引き込まれるように最後まで読めたのは、主人公が坂道を転げ落ちて行くように堕落していくスピード感があったから、 平凡な好青年からナオミの奴隷へ真っ逆さまに堕ちていくのが、速いのなんのって。しかも、自分がナオミに翻弄されて

          痴人の愛🔖主人公に共感できなくてよかった

          2020年 平凡な年末

          2020年の年末を、備忘録として書き留めておく。奇抜な出来事もなく、至って普通の過ごし方である。 コロナとは関係なく、いつも通り家で過ごした。 我が家は年越し蕎麦や初詣、初日の出の文化がない。 ちょっと豪華にすき焼きを食べ、夜食(年越し蕎麦)は太っちゃうからいいか〜と華麗にスルーし、紅白をつけたり消したり。 孤独のグルメを観て、外食に思いを馳せる。 今年は首都圏のご飯屋さんで、とても良かった。絶対行きたい。 日付を越す前に眠りに落ちる脱落者もいたが、テレビのカウン

          2020年 平凡な年末

          Goto トラベルで高級ホテルへ

          タイトルの通り、先日キャンペーンを利用して都内の某高級ホテルに宿泊した。 時期もあって、ホテルのロビーはクリスマス一色。 朝食ブュッフェは、ツリーやその周辺に敷かれたレールを走る鉄道の模型、ディスプレイされたプレゼントボックスなどに囲まれていただいた。ホテルの朝食定番の、目の前で焼いてもらうオムレツも食べられて満足。 最近、Gotoトラベルの影響で、普段は宿泊しないような客層が高級ホテルや飲食店に来て、その場の空気を乱しているという話も聞く。 今回自分も、普段は行かな

          Goto トラベルで高級ホテルへ

          noteで日記はアリ?

          noteを始めるにあたって軽く下調べした際、noteはクリエイター向けだと何度か目にした。 自分は一般人だし、クリエイティブを仕事にしている訳でもないから、noteを始めるなんておこがましい…?とビビっていた。が、 周囲に「noteで文章を書きました!」という知り合いが何人かいるのを思い出し、誰でもやっていいんだ…とホッと一安心。 感じたことや日々の記録を、短めに(何故なら就寝前の、眠気にギリギリ勝つか勝たないかくらいで書いているので)書くつもりの今川焼きは、果たしてn

          noteで日記はアリ?

          男もすなる日記といふものを、女もしてみむとするなり

          完全に自分用の備忘録として、日記を書く。 紀貫之の有名な書き出しを使っておいてなんだが、今まで継続して日記を書けたことはない!! ただ、昨年のヨーロッパ周遊中、目にした景色や空気、感じたことをこの期間だけは記録しよう、、頑張ろう自分と2週間トライ。 期間を決めたからか毎日続けることができ、それをちょうどここ数日読み返して、旅行中の気持ちを思い出して浸ってる。 当たり前だけど、新鮮な感情を記録できるのはその瞬間だけで、その後の人生で「そういえばこの時こう感じたな」と正確

          男もすなる日記といふものを、女もしてみむとするなり