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“can’t”じゃなくて”don’t”の証明『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』

赤と黒の表紙に何だか魅かれて手に取った本、『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』キャスリーン・フリン氏著。
身につまされる部分もあり、とても面白かったのでご紹介します。

※私は例え誰かが料理を作れない(又は作らない)としてもダメとは思わないのですが、英語の題名は”The kitchen counter cooking school”というそうです。

出版社の内容紹介を抜粋すると

米国人の著者は37歳でフランスのル・コルドン・ブルーを卒業した遅咲きの料理人。帰国後、地元の巨大スーパーマーケットで、買い物客の女性が缶詰めや箱詰めのレトルト食品ばかり買いまくる様子を目撃して、ショックを受ける。その買い物客の「料理のことって誰も教えてくれなかったし」という言葉がずっと心に引っかかり、一念発起。料理に対して苦手意識があるせいで、自分に自信を持てずにいる女たちを10人集め、料理教室を開催する。

という感じです。印象的だったのは以下です。

1.著者キャスリーンさんの魅力

突っ込みどころがありすぎて面白かったです。「37歳で有名料理学校卒業」で「スーパーで買い物客のカートの中身を盗み見し」最後はその買い物客に話しかけてアドバイスまでしています。
ただ彼女の心理描写や行動の端々から、率直過ぎるけどおせっかいで優しい人柄が伝わって来て、友達の話を聞いているように親しみを持ちつつ読んでしまいました。

2.生徒さんへの共感

私も自分の料理に自信が持てずレトルト商品や外食ばかりしていた時期があり、料理教室の人達の気持ちがすごく分かりました。私が変わったきっかけは外国(田舎)に住む機会を経たことだったのですが、ローカルフードはカロリーが高いし日本の味が恋しくなるので自炊せざるを得ず、「めちゃくちゃ美味しいわけでもないけど、意外に何でも作れるんだ」と気づきました。日本に戻った今も、昔よりはるかに自炊をして、体調も良くなりました。「出来ない」のか「やらない」のかは、試してみないと分からないなあとしみじみ感じています。

3.料理の基本を楽しく知れる

彼女の開いた料理教室の一番最初のテーマは「包丁」でした。
その種類や正しい持ち方の説明に「へー」と頷いてしまいました。その後のテーマは「何種類ものトマト缶や市販のチキンスープのティスティング」「肉の捌き方」「パンの作り方」「残り物の使い方」などなど・・・専門的な内容が分かりやすく親しみやすく説明され、喜怒哀楽を交えた料理教室内の様子も交えて紹介されるので、気軽にお料理の全体像が分かった気がしました。
目次を見るだけでも楽しいので、ご興味あれば以下出版社の本紹介をご覧くださいー。

4.読んだ後作ったもの

私も何か作ってみたくなり、ネットで検索して強力粉とイーストを購入してこねないパンを何回か作ってみました。パンは残念ながらうまくふくらみませんでしたが、他のページに載っていた簡単に作れるベーグルを作ったら美味しかったです。それに自信を得て薄力粉のスコーンを作ったりもしました。自分で作ると、砂糖やカロリー・具を調整出来るし、出来立てならではの美味しさもあり、これからもちょくちょく作ろうと思います。

キャスリーン・フリンさんの最初の本『36歳、名門料理学校に飛び込む!―リストラされた彼女の決断』も気になり、読んでみることに。料理学校の話も楽しかったし、旦那様とのエピソードものろけみたいで面白かったです。

どちらの本にも描かれるのは、チャレンジを恐れず、大変さに弱気になりつつもベストを尽くす彼女の生き方と個性的で魅力的な周りの人々。こんな風に、ものの見方を変えたり、楽しもうとする気持ちを忘れないようにしたいなあと思ったのでした。