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【山口式可動】海洋堂 XEBEC『劇場版エヴァ弐号機/the end of evangelion EVA-02 PRODUCTION MODEL』

みなさ〜ん!アクションフィギュア、集めてますか〜?

 今回ご紹介するのは海洋堂XEBECから発売された新世紀エヴァンゲリオンシリーズより『弐号機 劇場版/EVA-02 PRODUCTION MODEL』です。あとエヴァ完結おめでとう。

・パッケージ

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 2003年に発売された完成品アクションフィギュアです。中古で購入したのでパッケージがヤケてますが、未開封状態だとこんな感じ。付属品が一目でわかるタイプの前面透明スタイルです。正面の丸シール以外はほとんど英語表記&ブリスタータイプの梱包も相まってアメトイ風味な雰囲気ですね。「THE JAPANESE HIT ANIMATION FIGURE」なんて書いてあるし。2000年代前半の国内フィギュアはこういったパッケージ方式のものが多い気がします。

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↑横に金属製のターゲットマークみたいな物体がひっついてます。なにこれ?

・内容物

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・本体
・説明書
・ディスプレイベース
・交換ハンド(右手4種、左手2種)
・プログレッシブ・ナイフ(2種)
・アンビリカルケーブル
・スマッシュホーク
・オリジナルショルダーガン
・ランチャー銃

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 パッケージ底面に押し込んである説明書はだいぶ親切。遊ぶ前に読んでおきましょう。

・本体

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 『Air/まごころを、君に』(1997年公開)の前半パートで登場した弐号機を再現した所謂"旧劇場版"スタイル。劇中ほど胴が太くて長い体型ではないにしろ、TV版弐号機の腰を極端に絞ったヒロイックなシルエットとは一線を画す造形です。

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 後述の関節構造の影響もあり、実は微妙に左右で造形が異なっています。巨大メカに見えるようなヒト型決戦兵器ではなく、筋肉質で生々しい人造人間としての側面を表現したアレンジですね。

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 頭部デザインもしっかり旧劇仕様。流石に細部の塗装精度は最新の可動フィギュアと比べると劣りますが、全身の各所にシャドーが吹かれているのでチープさはありません。このまま素立ちで飾っても素晴らしい。

・オプションパーツ群

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 プログレッシブナイフは専用の右手と一体型。刃の部分はまっすぐ伸びているものと折れて短くなっているもののいずれかを選んで下から差し込みます。この仕様なのでナイフに関しては右手で逆手持ちするポーズ限定。

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 他の武装は武器保持用ハンドのダボに接続して保持する形式。ショルダーガンとランチャーは左手でのみ、スマッシュホークはどちらの手でも保持できます。さらに、スマッシュホークは柄と先端部が分離できるので任意の角度で取り付け可能。手に固定するジョイントの向きに縛られずにポーズに対応できます。

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 ちなみにランチャーの方は重すぎて手首の保持力が負けます。残念。

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 アンビリカルケーブルは背中中央のジョイントに接続。ケーブル部は軟質素材である程度自由に動かせますが、ワイヤー等は入っていないので固定はされません。

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 台座はピンを右足裏の穴に差し込んで使います。立たせて長時間飾るなら必須ですね。

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※製品状態だとピンが長すぎて折れそうだったのでニッパーで短くカットしました。左がBefore、右がAfter。真似する方は自己責任でどうぞ。

・可動

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 "山口式可動"と呼ばれる特殊な方式を採用しているため、一般的なアクションフィギュアとは些か異なる可動域を有しています。「とにかく広い可動域で多彩なポーズに対応する」という考え方が普通ですが、山口式では「いくつかの特定のポーズを予め想定して可動ポイントが設けられている」と表現するのが適切でしょうか。

 全ての可動部が単純な軸可動のみで構成されているのも特徴的。"モノシャフトドライブ"なんて呼ばれることもあります。後に一大シリーズとして大成していく"リボルテックヤマグチ"の前身にあたる機構です。

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 例えばこの股関節、中央から斜め横に伸びる軸と太ももの分割線で差し込まれた軸の2つだけで成立しています。「開脚方向の軸、前後方向の軸、太ももロール軸」といった一般的なアクションフィギュアのような役割分担をせず、いくつかの箇所の"ひねり"を重ね合わせることで理想の可動位置に持っていくわけです。

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劇中のハイキックポーズもお手の物。
「こちとらには一万二千枚の特殊装甲と!ATフィールドがあるんだからッ!負けてらんないのよーッ!」

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 戦略自衛隊の猛攻を軽々とガード。
 自由度重視のフィギュアと比べると理論上のポージング幅は劣りますが、最小手数で可動させることができる点に加え、通常の可動フィギュア以上に力の入ったポーズを完成させることができる場合もあります。

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ちなみに可動ポイントは22箇所。先にも述べた通り左右非対称な造形になっているため、実際に触って色々なポージングを試してみると右と左で動き方が違ったりして得意なポーズと苦手なポーズが感覚的に掴めるようになってくるんですね。この辺を文章で説明するのが難しい…。

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動かして魅力を発揮するフィギュアということで、ここからポーズショット多めです。スマッシュホークで薙ぎ払うイメージ。

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ランチャー!足首の横可動が効いていてしっかり接地します。

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ショルダーガンを構えて。

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撃つ!

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プログレッシブナイフ装備。

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飛びかかって強襲!

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折れて短くなった刃を構えつつ。

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追撃!

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大地を疾走するエヴァ弐号機。

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ジャンプ!

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着地して再びダッシュ。

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ファイティングポーズ。

・サイズ

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毎度お馴染みモーコンスポーン(7インチ)とおふどボと比較。ほぼ7インチフィギュアと言ってよいでしょう。適度に大きく満足感のあるサイズです。

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最後はやっぱりナイフで。

ということで海洋堂 XEBEC『劇場版エヴァ弐号機/the end of evangelion EVA-02 PRODUCTION MODEL』のレビューでした。古い商品ではありますが、2021年現在も輝きを失わない傑作可動フィギュアと呼べる素晴らしいものです。ちなみに中古市場価格はだいたい3〜5000円程度が目安でしょうか。シンエヴァ公開の影響で多少値上がりしているかもしれませんが、オススメできるフィギュアです。

ただし、購入を検討される方はこの後の注意編と対策編もよくお読みください…。

・注意編──致命的な弱点

未開封品を手に入れたぞ!と意気込んで早速開封。しかし、各部関節を動かしてみると…

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首が!!

まるでゼルエル戦の弐号機。なんとこのフィギュア、関節部にクリア成形のプラスチックを使っているため経年劣化で割れやすくなっているという致命的な欠陥が存在します。

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リング状の受けが砕けてしまい、接着剤程度では再起不能。でも「あたし、何も出来なかった…」で終わってはいけません。

・対策編──くれぐれも真似する場合は自己責任でお願いします

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手順1

砕けた関節パーツの根本をニッパー等で切ってしまいましょう。この写真では根本付近の軸が残っていますが、これくらい短くなるまで切除してしまえばOK。

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手順2

 弐号機の頭部側の首関節には透明な軸が刺さっています。これと同じ太さで新しい軸を自作します。プラモのランナーなど、ある程度硬い素材を使って作りましょう。
 少しだけ元の軸より長くなるように切り取り、両端は削ってなだらかな円錐形になるようにしましょう。ちょうど円錐部分だけ元の軸より長くなるイメージ。

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手順3

 手順2で作った軸を頭部側の首関節に差し込みます。さきほど作った円錐形の出っ張りが首の左右に飛び出していれば理想的です。ダメそうなら手順2をやり直してください。

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手順4

 ここだけ図解で説明。ドライヤーを当てる、もしくは熱湯をかけるなどして胴体側の首がハマっていた窪み周辺を温めます。
 柔らかくなったところに手順3で完成した首関節をぐいぐい押し込み、元々首があった位置で停止させましょう。こうすることで窪みの壁面に首関節軸の円錐形の出っ張りがハマるようにパーツが歪み、新しい首可動軸として機能するようになります。

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弐号機、復活!

…といった方法で無事修復することができました。この記事で掲載されている写真は未開封状態を除いてほぼ全て修復後の姿です。

多少は根気のいる作業ですので「こういう修復作業も込みでアクションフィギュア大好きさ!」といった酔狂な方は是非手に入れてみてはいかがでしょうか。作業中は怪我には十分気を付けて、そして壊れても自己責任でどうぞ!それでは、またこんど。

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