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24.好きなレンズと焦点距離を語ってみる②「EF100mm F2.8L macro IS USM」

今回は僕がほとんどの撮影で必ず使う中望遠単焦点レンズ「EF100mmF2.8L macro IS USM」を紹介する。

室内でも、屋外でも役立つレンズ。
花や食べ物などはもちろん、人物撮影においても大活躍だ。

【ヘッダー写真・Model:Lunaさん】
(F5.6 1/200s ISO2500)
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8Lマクロ

【初音ミク: Lunaさん】
F2.8 1/200s ISO200
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8Lマクロ

ガッツリ寄った画角で撮りたいときだけでなく、距離さえ確保できれば、全身写真などもバランスよく、歪みが少ない状態で撮ることができる。

以前、第一弾として「EF200mm F2.8L USM」を紹介した。→17.好きなレンズと焦点距離を語ってみる①「EF200mm F2.8L USM」

お気づきかと思うが、僕は中望遠〜望遠のレンズを好んで使う。
先の記事と内容が少し近い部分もあるがご容赦いただきたい。

フルサイズ機のEOS 5D MarkⅢに装着。
標準ズームレンズと比べても少し長め。

まず、「どんなレンズか」の概要紹介。

続いて、人物撮影での使用感を中心に、「寄ったときの良さ」「引いたときの良さ」をそれぞれ紹介していく。


1.「EF100mmF2.8L macro IS USM」はこんなレンズ

今回主役の「EF100mmF2.8L macro IS USM」は2009年発売の、中望遠単焦点マクロレンズ。
こう書くだけで特徴が盛り沢山である。

だいたい10万円ほどで入手できる。

カタログスペックなどの詳細は下のリンクを参照いただきたい。

似たレンズに、1990年発売の「EF100mmF2.8USM」がある。

赤いラインと手ぶれ補正がない方。

こちらは中古なら5万円以下で手に入る。
開放F値、焦点距離は同じ。

これら2つのレンズの違いは以下の通り。

最短撮影距離(ピントが合うギリギリの、ボディから被写体までの距離)は「EF100mmF2.8L macro IS USM」が0.3m、「EF100mmF2.8USM」が0.31m。つまり1cmの差。

比較するとレンズの性能は「EF100mmF2.8L macro IS USM」の方が上だが、画角のイメージに違いはほとんどない。


【和泉守兼定:なかりんさん】
F2.8 1/60s ISO3200
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8マクロ

ただ、オートフォーカスでピントが合うまでの早さを比較すると、「EF100mmF2.8L macro IS USM」の方が早く、暗所でも比較的ピント合わせができる。

また、「EF100mmF2.8L macro IS USM」はIS(手ぶれ補正)が搭載されているので、手持ちでもシャッター速度を下げて明るさを稼ぐことができる。

暗所での運用でなければ、どちらを使っても撮れる写真のイメージは近いものになる。

ハンバーグ
F5.6 1/60s ISO3200
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8マクロ

いざというときの使いやすさ、失敗の少なさは「EF100mmF2.8L macro IS USM」の方が優れている。

だが、コストを抑えて、場合によってはマニュアルフォーカス運用も視野に入れるなら、「EF100mmF2.8USM」を選ぶのも手だ。

2.「寄り」で使用するときの良さ


【Model:さやさん】
F8 1/20s ISO400
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8Lマクロ

やはり、このレンズの良さは驚くほど「寄れる」ことだ。

人物撮影においては、上の画像のようなアップはもちろん、爪一つに寄るぐらいでもしっかりピントが合うので、「近すぎてピントが合わない」ことを恐れずに、被写体に寄ることができる。

ポートレートに使いやすい中望遠レンズの一つとしてよく紹介される「EF85mmF1.8 USM」のレンズの最短撮影距離は0.85m。

「EF100mmF2.8L macro IS USM」の最短撮影距離は0.3mなので、寄りやすさがよくわかる。

【Model:Lunaさん】
F2.8 1/200s ISO1250
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8Lマクロ

アップはもちろんのこと、パーツ撮りにも適している。

ただし、寄れば寄るほど、ピントが合う範囲は狭くなるので、「何までをボカしたくないか」に合わせて、絞り(F)値を設定する必要がある。

F11 1/60s ISO3200
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8マクロ

このようにF11に設定しても、
接写では被写界深度が足りないこともある。

裏を返せば、寄れば寄るほどに、ボケを活かした写真を撮れるということでもあるので、うまく調節しよう。

【ジャンヌ・オルタ・サンタ・リリィ:花核さん】
F5.6 1/200s ISO640
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8Lマクロ


3.「引き」で使うときの良さ

【誰もいないセカイの初音ミク:ゆよりさん】
F2.8 1/200s ISO400
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8Lマクロ

先ほどのようなアップだけでなく、被写体との距離さえ確保できれば、全身や膝上(七分身)など、幅広い人寸で活躍するレンズ。

歪みを少なく、バランスよく全体を写せる。
また、焦点距離100mmのボケやすさを活用して、前ボケなどを活かすのも良い。

【和泉守兼定:なかりんさん】
F5.6 1/200s ISO328
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8Lマクロ

この写真は背景のお城との位置関係を調節するために地面スレスレから撮っている。

焦点距離100mmならば被写体からの距離を取ることができるので、低いカメラ位置からでも、自然に写すことができる。

【Model:ぷらるさん】
F2.8 1/200s ISO200
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8Lマクロ

100mmの焦点距離は、全体をバランスよく撮れるだけでなく、背景の整理しやすさも特徴。

【巴御前:袴さん】
F2.8 1/25s ISO200 
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8Lマクロ

プロジェクター撮影や、背景紙撮影など、背景切れを防ぐためにもおすすめだ。

4.単焦点としての「100mm」をどう考えるか

今回は「EF100mmF2.8L macro IS USM」を中心に紹介した。

だが、100mm(あるいは105mm)は単焦点レンズだけでなく、「EF24-105mmF4L」など、多くのズームレンズでもカバーできる範囲にある焦点距離。

マクロ域を使うことが多い場合や、100mm前後の焦点距離を中心に使っている場合には、導入を考えても良いだろう。

【桐藤ナギサ:胡桃ぱん子さん】
F2.8 1/200s ISO500
Canon EOS5D MarkⅢ+EF100mmF2.8Lマクロ

🍣<好みの焦点距離を見つけていこう。

🔍<君はマクロじゃなくてマグロ

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