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【日記】一人暮らしの生活にリクガメをお迎えした話

生き物を飼いたい────。

自分は、一人暮らし歴があと数年で実家暮らし歴を上回ってしまうほどの、ベテラン一人暮らシストだ。
良い歳をして良いお相手もおらず、そこそこ収入も安定してきたため昨年、広い部屋にお引越しをして悠々自適に一人暮らしをグレードアップさせていたが、この一人暮らしをさらに究極に近づけるために「生き物を飼う」という実績を解除させたい、という欲求が段々と強まっていた。

生き物を飼うなら何が良いだろう、と色々妄想を膨らませる中で、最も理想的なのは「猫」なのだけれど、そもそも犬猫といったペットは不可の物件に住んでいるし、そうでなくても犬猫は人生を終わらせる覚悟がないと飼えない生き物なので、小動物が良いだろうと思っていた。

文鳥、チンチラ、ベタ(熱帯魚)、さらにはペットロボットなど、様々なペットを検討した。特にペットロボットは手間もかからない上に本当に可愛い。「LOVOT」というロボットがまさにAIが発達したぬいぐるみという感じで、ぬいぐるみ好きとしても理想的だったのだけれど、5年払いで月2万円ほどかかるというコストに断念した。
また、SONYの「aibo」も最近のは本当にかわいくて、コストも月8,000円程度でこちらは本気で飼おうか悩んでいた。今でも飼っている人の動画をよく見る。aiboに愛情を注いでいる飼い主さんがもはや愛おしいんだよな~。

LOVOT、心臓がギュッとなるくらいかわいいが、本体代+維持費で100万くらいする。

話が脱線してしまったけれど、そんな「生き物飼いたい欲」が強まっている中で、よく一緒に遊ぶオタク友達から強いプレゼンを受けた。

「数奇さん、リクガメ飼いましょう………!!!!!」

その友達は1年前からリクガメを飼い始め、なんでもリクガメはミズガメと違って完全に地上で暮らすので水の管理が必要なくてニオイも少ないし、爬虫類にしては珍しく完全草食で虫を与えなくて良い、昼行性で夜は静か、のんびり屋である程度放置できるし手がかからない、寿命も長い、リクガメを飼ってから人生に悩みがなくなった、宝くじが当たった、彼女が10人できたなどなど、様々なメリットを捲し立てられた。

自分はもともと「カメ」という生き物が好きで、のんびりした雰囲気や、甲羅を背負った不思議なフォルムなど、動物園に行くと夢中で見てしまう存在だったので、まんまとこの友人のプレゼンによって「リクガメ、いいじゃん……!」という気持ちが強まっていった。
それから少しずつ動画を見たり、友人の話を聞いたりする中で、リクガメを実際に飼おうという決意を固めたのだった。

お盆に実家に帰省することは決めていたので、帰省が終わった8月末くらいから飼い始める想定で7月ごろから準備を進めてきたのだけれど……手がかからないと聞いていたリクガメ、確かにお世話の手間はかからないにしても「設備を整える」ということに関してはま~~~~~~~大変だった。

大変な思いをして整えたリクガメケージ

まずリクガメは、爬虫類の中でも特に多くの紫外線を浴びることが大切な生き物で、紫外線ライトは必須で設置する必要があるんだけれど、その他にもバスキングライト、ナチュラルライト、保温ライトなどなど、様々なライトを設置することが推奨されている。
調べた通りに設置すれば良いだろうくらいに考えていたのだけれど、飼育者によって言っている内容がみんなバラバラで、完全に混乱させられた。誰が間違っているということもなく、リクガメ飼育はまだまだ研究途上にあるということだ。ライト一つとっても種類があまりに多すぎて、ライトを調べているだけでノイローゼになりそうだった。
なんなら本当にノイローゼになって「カメを迎えて1日で死なせてしまう夢」まで見てしまった。これはさすがに自分のナイーブさに笑えた。

なんとかライトを揃えたあとも、温度・湿度をちょうどよく保つためにどういう位置にどういう方法で設置すべきか、とか、床材をどうするか、とか、とにかく頭が爆発しそうになったけれど、リクガメ飼育の先輩である友人にアドバイスをもらいまくることでなんとか乗り切った。本当に心強く、心から感謝……。

完璧にセッティングを整え、お迎え当日。お迎えはとある爬虫類イベントで購入しようと決めていた。イベントではたくさんの個体が来ているので、健康な子をお迎えしやすいからだ。リクガメを勧めてくれた友人に付き添ってもらって、イベントに行ってきた。

入場してすぐに、狙っていたヘルマンリクガメを見つける。動画ではたくさん見ていたものの、実物を見るのは初めて……か、かわいい……
店員のおじちゃんに許可を得て手に取らせてもらっていると、「ご家族でお過ごしですか?」と聞かれ、一人暮らしですと答えると、「あ〜、一人暮らしでリクガメはねぇ〜……」と顔をしかめられたので、「やめた方がいい」って言われちゃうかな、と思っていたら「……最適ですよ!!!!」と返ってきた。ズコー。
リクガメは野菜を食べるから自分も野菜を食べるようになるし、家に一人だと静かだから食べてる音もよく聞こえて、早寝早起きもできるとのこと。面白いおじちゃんだった。

とりあえず他のお店も見て回ったけれど、事前に目をつけていた大手のお店よりもそのおじちゃんのお店にいる個体が一番大きさもちょうど良くて、みんな健康そうで綺麗。さらに値段もお手頃だったので、結局最初に見たおじちゃんのお店で買うことに。

「この子に、します……!」

来た。

かんわい〜〜〜〜〜〜〜〜〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。

来ました。

ひえ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。

やって来ました。

うひょ~~~~~~~~~~~~~~~~~。

というわけで、無事にリクガメをお迎えできた。一人暮らしベテランの自分についに、一緒に暮らす家族ができました。

名前はずっと前から決めていて、「ポアロ」にした。
これはもちろんアガサ・クリスティーの名探偵ポアロから取っていて、カメは丸っこくて偏屈で、でも紳士なところがポアロっぽいなあと思って、この名前にしようと思っていた。

この子は生まれて3ヶ月くらいの赤ちゃんなのでこれからもっと大きくなる。とはいえこのリクガメは大人になっても30cmくらいなので、そこまで巨大にはならないけれど、それでも亀はやっぱりとても長生きで、30年以上は生きるという。
つまり自分がおじいちゃんになるくらいまで生きるということだ。まさに人生の相棒として、この子を迎えた。

生き物を育てるのは簡単なことではないし、不安もある。自分の人生もまだまだ不安だらけだけど、この子の命に責任を持って、これからの人生を一緒に生きていきたいと思う。

またnoteにもちょくちょく、リクガメとの生活の模様は上げていけたらと思う。どうか皆様、温かく見守っていてください。

エサを食べるポアロ。これからよろしくね。

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