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演算

1と2を足して3になるというのは、1と2から3を対応させている。1から2を引いてー1になるというのは、1と2からー1を対応させている。

足し算、引き算、掛け算、割り算など我々がよく知っている四則演算というのは、2つの数から数へ対応させる写像であって、写像の対応規則は、それぞれの四則演算において我々がよく知っている計算の方法そのものであります。

これらは2つの数をインプットにした写像であるので特に2項演算と呼ばれる。インプットが2つでなくても一般にn個(n≧0)の数から数を対応付けるという風に演算の定義を拡張すれば、その場合はn項演算と呼ばれる。

また、数の世界でなくても一般の集合で同様に考えれば、演算という概念はもっと広く扱うことができます。

つまり集合Aが与えられたとき、Aにおけるn項演算とは、n個のAの元の組から成る集合から、集合Aへの写像をいう。

ただし、0項演算とは1点集合{*}からAへの写像で、それは結局Aの元を一つ指定することに他ならない。

例えば何人かの若い男女の集合Aがあるとしよう。そしてAのどの元aに対しても、aの異性で、aと恋人にあたるAの元bが存在するとしよう。つまりどの人にも相棒がいるという状況です。この場合、上記の意味でa→bという対応があるが、これは1項演算となる。

他の例で、集合Aの部分集合すべての集合をPとしよう。Pの元(つまりAの部分集合)を2つ取ってきて、それをXとYとする。XとYの共通部分や、XとYの和集合もまたAの部分集合であるからPの元である。それで共通部分を取る操作や、和集合を取る操作は2項演算である。

この例だと数学寄りなので、少しだけ肉付けしてみよう。

Aとしてあるクラスの生徒全員から成る集合、PはAにおける生徒で構成されたグループの全体としよう。Pの任意の2つの元(つまりAにおける2つのグループ)をXグループとYグループがあるとして、XとYのどちらにも属している生徒たち、あるいはXとYのいずれかに属している生徒たちもまた、Pの元(つまりAにおけるグループ)である。共通に属する生徒たちで作るグループや、少なくともいずれか一方に属する生徒たちで作るグループは、Pにおける2項演算ということになる。

ここでは2つのグループから1つのグループを対応させたが、3つでも4つでももちろん同様に考えられるというのは認められよう。その場合、3項演算、4項演算という具合になる。

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