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びっくり、数学っておもしろい。高校数学・大学数学・日常数学を発信。疑問点を解決したり、深く思考したり、日常に潜む数学を紹介したり、、、たくさんのおもしろ数学をお届け。

最近の記事

【高校数学】2次不等式②

1.はじめに2次不等式について、「解はすべての実数」だったり、「解はなし」だったりする場合ってどういうこと???という方、必見です! よくわからないけど、パターンを覚えるか、、、そんな必要はありません。図で考えれば、すべて解決します! 今日は、主にこの4問を解説します。定数項のみが異なりますが、解は全く異なります。 2.(1)(2)の解についてまずは、(1)について 図で考えなくてもわかる方も、ぜひ図での理解もしましょう。図で理解することが、「解はすべての実数解」「解は

    • 【高校数学】2次不等式①

      1.はじめに2次不等式について、 どのように答えますか? ここまではできるけど、、、答え方は どうだっけ?という方、必見です! ちなみに答えはこちらです。 (1)~(4) 2次不等式を不等号別に、(5)~(6) 連立不等式を解説します。 2.2次不等式 不等式は図を使うと簡単に解けます。図というのはグラフです。不等式の前に、方程式とグラフの関係について確認しましょう。 方程式の解は、2次関数のグラフとx軸(y=0)との交点のx座標に対応します。これを用いて、不

      • 【高校数学】3点を通る2次関数の決定-2通りの解法-

        1.はじめに3点を通る2次関数の決定について、2通りの求め方を紹介します。 解法2では、前回の記事で紹介した、3点を通る2次関数の係数を計算するシステムの仕組みを理解することにつながります。 記事については以下で紹介しています。 2.解法1高校で習う、3元1次連立方程式を用いる求め方です。 解法1はスタンダードですが、計算が煩雑で計算ミスが起こりやすいですね。 3.解法2 解法2では計算はラクですが、なぜそれで求められるのか考える必要があります。 3ステップに分

        • 【高校数学】3点を通る2次関数の決定-係数計算教材-

          1.はじめに3点を通る放物線を表す2次関数の問題を作成するときに、何も考えずに3点を指定してしまうと、係数が切りのよい数字になりませんよね。通る3点によってどんな係数になるか、係数を計算する教材を作成しました。 通る3点を指定すると、上記のように係数が求まります。教材はgeogebraで作成し、以下のようになっています。 URLを貼り付けることができないため、以下で検索していただければ幸いです。 2.係数の計算方法係数の計算は以下で行っています。 係数の計算方法が上記

        【高校数学】2次不等式②

          【日常数学】データに騙されるな①

          1.はじめに平均とは何か、本当に理解できていますか?当たり前じゃん、と思う方が多いと思います。しかし、実は大学生の4人に1人が理解できていないという調査結果があります。 こちらの問題に取り組んでみてください。 日本数学会の大学生数学基本調査からの出題です。 正解は、(1)✕、(2)〇、(3)✕ です。 この調査は、全国の国公私立48大学の1年生を中心とした5934人を対象にし、3問すべて正解した学生は、76.0%でした。 (1)を〇だと思った人は、平均=真ん中と勘違

          【日常数学】データに騙されるな①

          【大学数学】群・環・体とは④

          1.はじめに群・環・体とは、数を一般化したものです。今回は、その中の体について定義と具体例を紹介します。 2.体の定義以下が、体の定義です。 体は、可換環であることに加え、乗法に関して逆元が存在します。可換環である必要があるので、確認しましょう。 加法に関してアーベル群をなすので、それも確認しましょう。 体は、有理数を一般化したものと考えるとわかりやすいです。有理数は、加法について閉じています(有理数1、2に対して、1+2=3は有理数)。さらに、結合法則、交換法則が成

          【大学数学】群・環・体とは④

          【大学数学】群・環・体とは③

          1.はじめに 群・環・体とは、数を一般化したものです。今回は、その中の環について定義と具体例を紹介します。 2.環の定義以下が、環の定義です。 環は、演算を2つ考えます。その演算は、加法と乗法と考えるとわかりやすいです。加法については、アーベル群をなし、乗法については、結合法則、単位元の存在が必要です。群に必要な逆元の存在は必要ではありません。ちなみに、逆元が存在すると、体をなします。環であるためには、さらに、加法・乗法について分配法則が成り立つ必要があります。 加法に

          【大学数学】群・環・体とは③

          【大学数学】群・環・体とは②

          1.はじめに群・環・体とは、数を一般化したものです。今回は、その中の群について定義と具体例を紹介します。 2.群の定義以下が、群の定義です。 群は、集合と演算をセットで考えます。簡単に説明すると、群は加法・減法について閉じている集合です。定義からは1つの演算のみに見えますが、逆元の存在から減法も考えられます。 アーベル群は、整数を一般化したものと考えるとわかりやすいです。整数は、加法について閉じています(整数1、2に対して、1+2=3は整数)。さらに、結合法則、交換法則

          【大学数学】群・環・体とは②

          【大学数学】群・環・体とは?①

          1.はじめに高校生の時に、複素数を学び、とても感動したのを今でも覚えています。概念の拡張がおもしろかったからです。そして、複素数が数の概念の拡張の限界だと思っていました。しかし、大学で数学を勉強し、そうではないことを知りました。群・環・体という王様がいたのです。複素数以上に感動しました。今回は、そんな群・環・体を紹介したいと思います。 2.数の概念の拡張まずは、群・環・体の前に、数の概念の拡張について説明します。 自然数では、引き算ができない場合がある(2-3=?など)。

          【大学数学】群・環・体とは?①

          【高校数学】共通部分と和集合の覚え方

          1.はじめに集合の問題です。 パッと答えられるでしょうか? で迷った方、必見です! 答えは、A∩B(共通部分)なので、 です。もう一方は、A∪B(和集合)です。 どちらなのか迷ってしまう方に、お伝えします。数学の記号には、由来があります。由来を理解すれば忘れないし、由来を知るのはおもしろいです。 2.記号の由来共通部分と和集合は、教科書等では、以下のように説明されています。 言葉の説明は難しいですが、ベン図で見るとイメージは簡単だと思います。ですが、逆で覚えてし

          【高校数学】共通部分と和集合の覚え方

          【高校数学】確率 かけるとたすの違い

          1.はじめに確率の問題を解くときに、「かける」のか、「たす」のか、わからなくなってしまう方、必見です! 結論としては、 「かつ」のとき「かける」                                「または」のとき「たす」 ですが、文章から「かつ」か「または」かを読み取るのが難しいですよね。そこで、読み取るコツ(数学的)をお伝えします。また、感覚として「かける」のか「たす」のかがわかるコツ(感覚的)もお伝えしたいと思います。 扱う問題はこちらです。 解答は

          【高校数学】確率 かけるとたすの違い

          【高校数学】袋から玉を取り出す確率

          1.はじめに確率はいろんなパターンがある、、、覚えなきゃ!もう頭がごちゃごちゃ!という方、必見です! 特に、確率の後半では、独立な試行の確率、条件付き確率など様々な確率が出てきますよね。ですが、すべて違う考え方というわけではなく、同じ考え方で問題を解くことができます。一緒に頭の中を整理しましょう。 今回は、玉を取り出す確率において、取り出した玉をもとにもどす問題、もどさない問題を扱います。違いを確認し、同じ考え方で解きます! 2.玉をもとにもどす場合 独立な試行の確率

          【高校数学】袋から玉を取り出す確率

          【高校数学】ICT活用!2次関数のグラフ

          1.はじめにICTを活用した教材を共有します! 大学入学共通テストでもコンピュータ活用を想定した問題が出題されました。また、コロナ禍でリモート授業、一人一台タブレットなど学校におけるICT活用が急速に促されています。ICTを活用して思考力をもっと深めたい高校生、ICT活用はしたいけどなかなか教材を作成する時間がない先生、そんな方々に使っていただければ幸いです。 画像引用:大学入試センター「数学ⅠA」(R3.1.31実施) 今回は、2次関数のグラフです。2次関数の式は、主

          【高校数学】ICT活用!2次関数のグラフ

          【日常数学】「急がば回れ」を数学で証明

          1.はじめに「急がば回れ」                                   早く着こうと思うなら、危険な近道より遠くても安全確実な方法をとったほうが早く目的を達することができるというたとえ。                 出典:Goo辞書 車で急いでいて、車線変更しまくり。だけど、結局右車線にずっといたほうが早かった…。急いでミスして仕事やりなおし。はじめからきちんとやっておけばよかった…。なんてことありますよね。今日は、2つの事例を用いて、「急がば回

          【日常数学】「急がば回れ」を数学で証明

          【日常数学】「損して得取れ」を数学で証明

          1.はじめに「損して得取れ」                           初めは損をしても、それをもとに大きな利益を得るようにせよ。 出典:Goo辞書 目先の利益ではなく将来の利益を考える、個の利益ではなく全体の利益を考える、ということですよね。投資やビジネスシーンなどで、よく耳にします。今日は、2つの事例を用いて、「損して得取れ」を数学的に検証したいと思います。 2.囚人のジレンマ次の場合、あなたならどちらを選択しますか? まず、相手が「自白」する場合、自分が

          【日常数学】「損して得取れ」を数学で証明

          【大学数学】無限の定義

          1.はじめに困難が少ない者は、無難な人生                                 困難が多い者は、有難い人生 どこかで見て、心に残っている言葉です。 数学の歴史を見ても、困難が多かったのです。しかし、その困難を乗り越えたとき、数学は飛躍的な発展を遂げてきました。今日はそんな数学の困難を乗り越える物語を紹介し、一人でも多くの人に勇気を与えられたらと思います。 2.負の数・無理数・虚数1、2、3、4、5、、の自然数の中では、3-2=1だけど、2-3=

          【大学数学】無限の定義