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視覚混合画法とうごメモ(1050字)

私の小学生時代の青春「うごくメモ帳」と、後に出会う視覚混合画法の繋がりについて。

私は高校で初めて油絵を触り、画集で見つけたジョルジュ・スーラの点描画「グランドジャット島の日曜日の午後」に一目惚れしたとき、初めて「視覚混合」ならびに「併置混色」という概念を知った。

サムネは、私が高校で描いた桜並木の点描画。
粗削りだけどお気に入りだ。

「グランドジャット島の日曜日の午後」―ジョルジュ・スーラ

視覚混合というのは、2つ以上の色を錯視効果により別の色に見せること。
併置混色というのは、細かい色の点を遠くから見ると、それらの色が混ざって見えるという混色法。

スーラはこの発見により、絵の具の減法混色の限界を超えようと試みたのだった。

恥ずかしながら、私のユーザーネームも彼の名から決めた。そのくらい私にとって影響力のある絵だった。

高校2年のころに出会ってからの大きな2作品は、点描をどうやって自分なりの絵柄として確立するか、描画材や描き方にこだわって夢中になっていた。平頭の釘で描いてみたり、百均の筆をカッターで切って平らにして描いてみたり、竹の棒で描いてみたり、自由だった。

チューブから出たまんまのイカつい赤、青、黄、緑。細かく小さく点を打ち、下塗りのイエローオーカーを覆い隠していく。


これに最近既視感を覚えた。うごメモだ。


赤、青、黄、緑、白、黒。油絵の時は黒は使わないようにしているが、あとの色は基準色として最初に乗せる色。
そして、うごメモで使える色がこの6色。
細かい原色の点が集まって散らばって、オレンジや紫、それどころじゃなくいろんな色が見えてくる感覚。この美しさがずっと前から好きだったのだ。

3DSのオンラインもうごメモもサ終してしまったが、私の中の青春はオンラインのギャラリーに毎日掲載されるたくさんの絵師さんの作品たちだった。

曲PVなんて、無限に見た。自分でやってみても、どうやったってあんなに繊細で鮮やかな画面にはならなかった。憧れをずっと抱きながら見ていた。
私の根幹にそれがあり続けていたのかもしれない。


好きで絵を描いているだけでも、長いこと描いていれば描き方や描写対象やこだわり方が変遷していて、今日もまた「どう描くのが自分にとって一番楽しいのか」を突き詰め続けている。

それでも私は私で、見える色も形も私の感性というフィルターを通している。ひときわ輝いて見えるのは、私の感性がそう見せているのだ。
そしてその感性は案外ブレないものである。

そういう主観的な美しさもまた大切だなぁと思った、今日この頃。


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