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イメージの交換。ホントのコイズミさんとメキシコのピアス。


「ホントのコイズミさん」を知っているだろうか。

俳優、文筆家、株式会社「明後日」の代表取締役である小泉今日子さんのSpotifyだ。

2人の小学生と夫を送り出し、食器を洗いながら、翻訳家の岸本佐知子さんとの対談に耳を傾ける。

「本を読むってイメージを感じる連続なんですよね」


こんな言葉が耳に届いて、思わず食器を洗う手を止めた。

「子どもの頃とかも、名作とよばれる翻訳の本を読もうとしたけれど、まったく読めない本があって。日本語が間違っているわけではないんですけど、頭に入ってこない。それってたぶん、イメージがぜんぜん湧かないからなんですよね。翻訳者がイメージをしていないから読む人にもイメージが伝わらない。本を読むってイメージを感じる連続。それが感じられないと、もう読めない」


こんな感じのことを岸本さんが話していた。

本を読むとは、イメージを感じる連続の作業。

すごくわかる気がした。 

大好きな古本屋さんで無農薬栽培綿とたわむれる娘


世の中には、たくさんの言葉が溢れている。

本の中にも、SNSにも、新聞にも、WEB上にも、学校のおたよりにも。

なんか読みづらいなという文章は、イメージが伝わってこない。書いてあることは理解できるけど、頭に残らないで通過してしまう。イメージとして頭の中に描けない。

公的な文書が読みづらいのは、何をしたらいいのかがイメージできないからなのかも、と思う。どう行動したらいいのかがわからず、戸惑ってしまう。


「いい文章には温度がある」「その人らしさが伝わってくる」と耳にすることがある。

感覚としてはなんとなくわかるけど、具体的にどうすればいいのかイマイチわからなかった。もしかしたら、「イメージ」がポイントなのかもしれない。

書き手がどんなイメージを持って文章を書いているか。その共有ができれば、伝わる文章につながるのかもしれない。

桜だって、咲き始めか、満開か葉桜かで
表現の仕方は変わる



文章を書くって、プレゼント選びに似ているなと思う。

先日、茶色の紙袋に包まれて届いた星形のピアスは、メキシコの真っ青な空に映えそうな青で染められている。

「ちいちゃんのパーソナルカラーがブルーだったような気がして」

そう添えられた手紙にグッときてしまう。メキシコリトリート中の限られた滞在時間の中で、たくさんの商品の中から、私をイメージして選んでくれた異国のギフト。 



プレゼントを渡すって、イメージを差し出すことなのかも。文章をかくのと似てるのかも。今の自分の気持ちがストンと落ち着く。

もっとイメージを感じさせる文章を届けたい。

そんな決意とともに、穴のふさがってしまった耳たぶをつまむ。パーツをイヤリングに変えるか、部屋に飾るか、考える時間も楽しいものね。

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