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月報Okishima Life 2023.9 タツベシーズンやりきってみて そして次なる一手

タツベの終盤戦

タツベで獲れるスジエビが日に日に減っていき、各々の判断で沖引きへ切り替えていく時期がついにきた!
この時期の沖引きは夜の漁になる事が多く、沖引きで獲れたという情報が回ってきても、暗闇での沖引きに不慣れな自分がすぐにでも切り替えられるかと言われれば、そうでもなく。切り替え判断が非常に難しい。。(そもそも最近は早々に獲れ始めたという情報はなかないとか。)
波はあるものの、ギリ最低限のスジエビは確保できていたので、少しタツベで粘ってみることにした。

景色もだいぶ秋へ移り変わり始めてきました。

少しずつ深場へ

スジエビが沖へ向かっていくように、タツベでは少しずつ深い方へ向かっていた。地質は砂から泥へ変わり、タツベの中には毎日大量の泥。そして、毎日同じ場所に仕掛けていても同じように入る事がない地質なので、タツベを上げるのが一段と手間がかかるように。
少しは涼しくなったので、時間は多少かかっても問題なし。ただ、出荷の時間があるので、なんだかんだ夜明け前から漁開始。

タツベが湖底に沈んでしまった…

タツベは約200個(数は人による)が1本の縄に連なり、両端に浮けを取り付け、上げ始める時に手で拾えるようにしている。

こんな感じ。

だが、この浮けが何らかの要因で切れてしまうことも度々。片方さえ残っていれば大丈夫だが、ほんの稀に両端が切れてしまい、タツベが完全に湖底に沈んでしまう時がある…。こうなってしまっては大変。

まさにその事態が起きてしまったのだが、ただ拾う方法はある。かなりシンプルだが、こういった爪の付いた道具で湖底を探り、拾いあてる…!

未だにまともにやったことがなくて、ホントに拾えるのか?って感じだったが、やるしかないので早速翌出漁日やってみた。

GPSである程度の位置は把握できているので、少し距離に余裕をみて&道具に縄を付けて投下。『ずっずーッ』と湖底に沿わしながら引きずっているとグッと重くなったので、これだ!と思い、一気に引っ張り上げたら...

無事に引っ掛かってきた!
なんとなく、苦手意識を持ってしまっていたがこれで今後もなんとかなりそうだ。

タツベの撤収

流木が多い場所だったので毎日タツベに引っ掛かってきたり、

強風に煽られ、船に積んでいたタツベが倒れたり、(これはただのドジでもある笑)

なんやかんや対応しながら続けていたタツベにも獲れの限界を感じてきたので、9月後半ついに完全撤収。
おつかれさまでした!

タツベシーズンやりきってみて

初シーズンを無事にやりきったエビタツベですが、沖引き以上に単独マンパワーの限界を痛感。中盤がかなり暑い時期というのもあり、ほんとに手強かった…。
ただ、3・4月の沖引きと同様に、次に繋がる(基礎ができた)シーズンにする事ができたので、今後が楽しみです!また来シーズン!

沖引き始動!

3日かけてタツベの撤収、2日かけて沖引きの準備をし終え(沖引き→タツベの時は整備業者に任せっきりだったので、自分で2日で切替えられてほっとした)、さっそく試運転に!

の、はずが...

あまり、スジエビが獲れてるようないい話は未だ聞かないが、(試運転も兼ねて)少し自分でも感触を探ってみることに。

1カワ目、水深を幅広く引いてみる。3・4月にやっていたことを思い出しながら、無事に網が上がってきて、試運転成功。エビは話に聞いていたように、少々入ってくる程度。
2カワ目、少し水深を絞ってやってみた。エビは姿を見せてくれなさそうだったので、今日のところは試運転成功というところで、さっと網を引き上げて帰ろうと思いきや、網を上げる直前、かなり重くなって上がらなくなってしまった、、!

『また流木か何かか!?それとも泥か…。』網がびくともしない。とにかくなんとか上げてしまおうと、イカリで固定されている船を解放して巻上げを動かして上げていると、急に軽くなった。
網が無事であることを願っていたが、案の定、筒が抜けてしまっていた。(まだ、エビを獲りに行ってすらないのに…!!!)

不運なシーズン開幕です。
春先とはまた違った難しさ・漁場の状況の違いがあって、これもまた沖引きの試練ですね。

網が使い物にならないので、違う網を足縄にくくりなおして、出直しです、。

足縄くくりを改めて教えてもらう

翌日、さっそく船に積み込めるよう予備の網を足縄にくくる。この工程はまだ完全に理解できていないので、改めて勉強できるいい機会だと捉えて、教えてもらいながらくくる。

ちなみに足縄とは、網の底に位置する重く・水に沈む綱で、網を湖底に沿わせて引くために重要な役目をもつ。この足縄くくりは、『網によって違う』とか『全体のバランス的に』とか『引っ張る時のバランス』とか、感覚的な部分もある作業なので、まだ身につけるには時間がかかりそうです。

網の大きさの調整なども含めて暗い時間までかかったものの、何名かに手伝ってもらえたこともあり、無事網が船に積み込める状態になりました。
いろいろ学びがあったいい機会でした。また、翌日から仕切り直して出漁していきます!

足縄を細くする

こういった、”網を故障させてくること”はよくあり、翌日に漁に出るためには網を船に積み込まないといけないので、予備の網を足縄にくくってスタンバイさせておけるとひと安心。

ようやく自分も2本目の足縄が手に入ったので、さっそくスタンバイさせたいところだが、1人で扱うにはどうも太すぎる代物。。なので、細く改良してからくくることに。

綱は基本、紐の束3つを編んで出来ている。なので、各々の束から均等に紐を抜いていくことで、全体を細くするといった単純作業。隙間時間にコツコツやって慣れたころには完成。
これで安心して、漁に出られます!(とはいえ、もう網は破らないように。)

こんな感じで3つの束を順に抜いていく
こういった道具があると便利
やりやすく場を整える

水温はまだまだ温かい

気候は急に秋へ向かい始めました。とはいえ、手を突っ込むとまだまだ温かく感じるほど。。この水温が気候に追いついてくると、エビも少しは姿を見せ始めてくれるのだろうか。

次なる一手

おかげさまで沖引きとタツベの基本の形は出来たということで、漁や丘作業に関しては今後の日々の積み重ねでレベルアップをしていくまで。少しずつ余裕を持てるようになってきたので、今後試験的にですが、横展開も始めていきたいと思います!
まだ思考段階なので、こんなイメージでという事で。

大阪の商談会へ

組合として商談会に参加してきました。こういったことは、初めてだったのですが、湖魚に興味を持ってくださいる方が予想以上に多かったので、改めて琵琶湖の魚には可能性があるのだなと感じました。

今回はここまで

季節の変わり目かつ秋はとくにスジエビ漁師としては難しい時期ですが、10月に少し期待をしつつ、沖引きをし始められたらと思います!

ではまた!

こないだ獲れたブルーのエビ

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