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社会福祉士国家試験勉強法(他業種社会人の場合)

今年3月、第36回社会福祉士国家試験に合格しました。
アラサー社会人/同分野での就業経験無し/大学での専攻も全く無関係の状態で通信制の専門学校に通い、なんとか初回の受験で合格できました。
受験生時代は同じ境遇の方の勉強方法が知りたくネットで検索しまくっていたのですが、ほとんど辿り付けなかったので記しておきます。
今年度からカリキュラムが大幅に変わってしまうのであまり参考にはならないかもしれませんが、知識経験0のところから受かったやつもいるということで、誰かのやる気になれば幸いです。


試験勉強開始時期

2023年6月から始めました。
専門学校からは「試験の1年前から1日1時間」と言われていましたが、4~5月で施設実習があったので腹をくくって6月からと決めていました。
2~3月にやらなかったのは単にサボりでもありますが、勉強を始めた途端に2ヶ月空白を作るのは自分の性に合わないと思ったからです。2~3月の頑張り貯金をいつまでも言い訳に擦るのが目に見えていました。
できる人は全然やったほうがいいと思います。
その間、学校のスクーリング時に参考書を見せてもらって「どれ買うか決めな!」と言ってもらったり、実習担当の方から「そろそろ勉強始めた方がいいよ」と発破をかけてもらったりしたのはありがたかったです。

使用した参考書

メディックメディアの「クエスチョンバンク」で過去問題集とレビューブックを揃えました。これ以外の本は使用していません。

学校で見せてもらったときに「試験範囲がほぼ網羅されているのは間違いない。専門用語、法律的な言い回しがそのまま掲載されているので問題の語感や感覚に慣れるのにもいい」と言われたので選びました。あとイラストがあったから記憶に残りそうと感じたので。
その他、中央法規出版と福祉教育カレッジの「合格教科書」(飯塚慶子著)も見せてもらい、中央法規は「いかにも教科書的で読みづらい」、福祉教育カレッジは「さすがに最初からヤマはらなくてもいい」という理由で却下しました。

結果論ですが、過去問題はネットやアプリでも見ることができますし、過去問集は必須だったか?と言われるとどうかなと思います。最後の方はほぼ使いませんでした。ただ当然ですが、解説は圧倒的に問題集のがいいです(過去3年分とかでも)。参考書を片手に自分なりにそこそこ読み解けるだろうという人は参考書だけでもいいのかもしれません。もしくはメルカリで買うとか?

勉強方法

①6月:勉強開始当初の計画「過去問3年分を1巡して、全19科目の要点をまとめたノートを作る」

まず過去問から解いたのは、学校から「夏が終わるまでに過去問3年分を3回解け。参考書とかいいからとにかく過去問!過去問!過去問!」と教わったからです。何を書いてあるかすら理解できないまま何となく選んでミスするだけの日々は結構苦痛で、当初は性に合わないと思っていましたがこれが本当に大事でした。
しかし、その後予定していた「ノートを作る」は早々と頓挫しました。
高校や大学での経験を倣っていたつもりでしたが、すでに参考書にまとまっていることをノートに書いても別の媒体に手書きで「移」しているだけで全く意味を感じられませんでした。また、範囲が広すぎて1科目を完璧にしていたら永遠に終わらない………というのも早い段階で感じたので、ノートにまとめる作業は一旦やめて、過去問を解き続けました。
「社福国試は満点をとる試験ではなく6割をとる試験」という先生の言葉を指針に、完璧な理解は置いといてロードローラーのようにとにかく全部しらみつぶしにやる。分からなくても5択しかないんだから消せるやつ消してどれか選ぶ。というのを繰り返しました。同時に学校に提出するレポートも複数書いていたので大変でした。

また「半年後にスタートするから1日に2時間勉強して追いつこう」と計画していましたが当然無理でした。勉学から離れた社会人が急に1日2時間も勉強するなんて至難の業です。6月~9月ごろまでは、1日5分くらいしかできない日もあったし、試験間近でも体調不良で潔く寝た日もありました。

②7月~9月:過去問を解く→参考書を読む&アプリの発見

ノートを作れないと理解したので過去問を解いて参考書を読んでを繰り返していると、なんとなく「何度読んでも頭に入ってこない」みたいな科目ができてきました。例えば行財政や社会調査のように実務に携わっていないと具体的なイメージがわかないものや、それぞれ苦手意識があるもの(私は医療サービスとか)など。あと人名。人の名前と思想の羅列はかなり厳しいです。語呂合わせ以外で覚えようがないのでもう捨てようかなーと思ってました。大学の専攻は哲学ですが学んだ知識は全部消えていたので自分を恨みました。ゴールが見えなかったので、この時期が一番迷走していてつらかったかなと今になっては思います。
また、YouTubeで各科目の解説をしている動画があると知り通勤時間に聞いてみましたが、自分が乗り物で眠たくなる体質なのとコメントなどで誤りを訂正しているのを見て(聞くだけじゃ間違うやんけ)と思ったので懐疑的な自分にはあまり合わなかったです。ただ「自分でテキストを読み上げて録音し移動中に聞く」という勉強法も教えてもらったので、やり方次第で効果はあると思います。

通勤時間をSNSで溶かすのはよくないなと思いつつ、過去問集は持ち運ぶには重すぎる……(先生は全ページ破って各科目ごとにまとめ直すよう言ってくれてましたが…)と思っている時に、過去問が解けるアプリがあることを知りました。私が使っていたのは白いクマのイラストが描かれているものです。
このアプリのよかったところは、過去6年分に関してはトップ画面で「何問解いたか/総数」を円グラフで示し、正答率も表示してくれるのでやる気が出ます。またランダムで10問出題するシステムもお気に入りでした。「社会福祉士 過去問」とかで出てくるのでよかったら使ってみてください。これは試験前日まで大変お世話になりました。
後、けあサポの一問一答と穴埋め問題もかなりやりました。仕事の休憩中など、気晴らしにもなるのでおすすめです。
またSNSを取り入れる場合、私はInstagramがよかったです。「福ぞう社会福祉士★メディックメディア」と「福祉教育カレッジ」は一問一答や豆知識を掲載しているので合間によく見ていました。個人のアカウントではなく企業が運用しているものの方が間違いが少なく信頼できると思います。


③10月:模試を受ける/試験対策講座に参加する

学生であれば、模試や講座は学校で行ってくれると思います。私は学校がかなり離れた他県にあったので県の社会福祉士会が主催する模試を受けました。
模試は福祉教育カレッジが作成したもので、分からないなりに一生懸命やって82/150くらいのスコアでした。0点科目はなかったので、本番までに1科目ずつ1点プラスして足切りボーダーを越えようと思っていました。
後から模試の解説動画を見たりネットで調べて分かったのですが、模試は本番よりも高難易度に作られており、作成した会社にもよりますが本試ボーダーマイナス10点くらいで参考にするのがいいようでした(福祉教育カレッジはもっと低かった気もします)。これを知ったとき、自分がやってきたロードローラー式勉強はそこそこ間違いではなかったんだなと感じました。

試験対策講座は全4回、朝~夕方まで全科目参加しました。
会に所属している現場の方が講師をしてくれたので、当たりはずれはあります。つまり、授業としては面白くても試験に対して即効性がないとか、ただただ声が聞きとりづらいとか思い出話が多かったとか(でもそれで記憶に残るなら試験対策として意味のある授業だと思います)。
自分は長期間の取り組みにおいて要所要所で趣向を変えたやり方を取り入れるとうまくいくことが多いので、この模試と講座が終わってからかなり実力が伸びたと思っています。

④11月~1月:書きなぐりのノートを量産する

このあたりから、明確な理由を持って選択肢を選ぶことができるようになりました。なぜ合っているのか、他の選択肢は間違いなのか、分かると楽しくなりました。社福国試は、日本語で文脈さえ理解できれば全く知識がなくても解けるような問題が必ずいくつかあるので、そういう問題に対しては何も考えず「ラッキー♪」と思うようにしました。
また、一度頓挫したノート作りですが「科目も問題も関係なく、とにかく間違えた過去問の解説を書く」という方向にシフトしました。
以前学校で合格者のノートを見せてもらった際に、鉛筆でびっしり単語を羅列しただけのものがあり「意味あるのか?」と思っていましたが、それをふと思い出して同じものを作ろうと思いました。「どんな方法でも何か説いたら解説を書く、不安であればさらに参考書も確認する」というやり方で最終的に3冊くらい作ったと思います。
過去問は、直近3年分×6回、以降3年分×3回、以降2年分を1回ずつ解きました。が、平成分の過去問は直近とかなり雰囲気が違うのであまり意味ない気がします。

直前になってくると、書きなぐりだけでは足りないかなと思い曖昧な知識についてまとめる箇所も作りました。当初私が作りたかったのはこれを科目ごとに分けた見返し用の綺麗なノートですが、この時期に作ることで蓄積した知識を固める作業ができたのでちょうどよかったかなと思います。

また、福祉教育カレッジの模試の解説動画を見て、飯塚慶子氏の解説がかなり記憶に残りやすいと分かったので(氏のハキハキした声のトーンや、自作の語呂合わせをたくさん教えてくれるところなど)、福祉教育カレッジに登録して動画を見たり、試験前日にヤマかけ予想動画を買ってホテルで見たりしました。1月に入ってからは緊張なのか「少し前までちゃんと分かっていたはずなのに頭が真っ白になって解けない」という状態が続いていたので、氏の明るい動画や励ましの言葉にはかなり助けられました。

模擬問題集は買いませんでした。直前期には、同じ過去問ばかり解いていても意味が無いのではと思いはじめ本屋でめくったりして検討しましたが、直前期に新しいことを始めるのは意味が無いとあちこちで見たのでやめました。

結果と振り返り

第36回試験のボーダーは90点で、119/150で合格できました。試験直後からSNSには「簡単だったからボーダーがあがるんじゃないか」という憶測が多数流れていましたが、第34回の時のようなことが再度起こればもう国家資格としての価値はないと思っていたので6割ボーダーが守られてよかったです。

最後に、専門学校の先生からアドバイスいただいて心の支えになった言葉を記憶の範囲で書いておきます。
・社会福祉士国家試験は150点満点をとる試験ではなく、6割の点数を目指す試験
・国家資格試験と言いながらも法律・心理学・社会学、その他なんか色々くどい言い回しでなんとか試験体裁を保っているようなもの 試験勉強は筋トレと同じ やれば必ず結果は出る

………どうですか? 「なんか頑張ったらいけるかもな」と感じませんか?(笑)
また思い出したら追記します。社会人受験生のみなさん、よかったら参考にしてみてください。

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