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島に憧れる私が過ごした2週間vol.4~循環している生活~

えんでの1日暮らし


インターン生の私達の日常はこんな感じ。

朝6時頃 起床

6~7時 朝ごはんの準備、朝ごはん。学校に行く子どもたちの見送り。

7時~ 食器洗い、洗濯物干し。そして動物のお世話!えんには、ニワトリ、ウサギ、カメ、ヤギ、ポニーがいる。それぞれの動物に餌や水を上げたり、ヤギの移動も。

午前中 塩釜に薪をくべたり、畑に種まきをしたり、サービス品を作ったり毎日その時必要なことに合わせて働きました。

お昼 ごりりんやちーちゃん、塩の梱包をしてくれている方の分など、簡単な調理でできるお昼を用意。

午後 休憩をもらいつつ、午前と同じように活動していると、もう子どもたちが学校から帰ってくる。そしたら一緒に遊んだり。

 夜ごはん、お風呂を済ませて就寝。

えんでの生活は多くの物事が循環的、自給自足的、手作りで営まれた生活だった。


循環する資源たち


<資材>
えんでは手塩づくりをメインで行っている。ごりりん(小野敬さん)は起床と同時にかまどに火を入れ、その後一日中約1時間おきに塩釜に薪をくべに行く。

塩づくりや前の記事で書いたお風呂沸かしの薪は全て廃材
解体業者がもってくる、家を解体した際の廃材を使っている。
家の解体業者からすると処分には費用が掛かるのでえんで引き取ってくれるのはありがたい。
えんとしては薪が手にはいるのでありがたい。まさにWinWin

1週間に1回ほど大きなトラックが来て大量の廃材を置いていく。もちろん家の廃材だから扉とかがそのままあって面白かった。

多くの廃材は釘が刺さっているまま運ばれてくる。
え?1個1個取ってから燃やさなきゃいけない?大変じゃない?と思った。
けど、釘がついた廃材ごと燃やしてしまう。釘は高温じゃないと溶けないから木が燃え尽きた後にしっかり原形をとどめて残る。
これを最後に集めて、売るそう。思わぬ副産物!えんとしては、薪が無料で手に入るし、釘も売れるしいいことばかり!

<動物と食>
えんでは数種類の動物を育てている。
ポニー1匹、ヤギ4匹、ウサギ1匹、ニワトリたくさん。
ポニーとヤギは敷地の中、屋外で首輪にロープを付けてある程度の範囲を動けるようになっている。雑草を食べてもらったり、えんで
作った塩も上げたり、出た糞は肥料にしている。

つまり、私達は敷地の雑草をとらなくていいし、肥料も手に入る。ポニーとヤギは草が食べられる。

えんの敷地。ヤギと海。これが毎朝の光景

鶏は私たちの出す残飯、豆腐屋さんからもらってきたおから、パン屋さんから出るパンの耳を食べる。後はそれでは取れない栄養素が入っている餌。
残飯は基本的に食べなかった残り物ではなく、料理するときに出た野菜の切れ端など。だからここではほとんど生ゴミが出ない。
おからやパンの耳は産業廃棄物になってしまうものをもらって利用している。

つまり少しの購入した餌と本来はゴミになって燃やされるはずだった残飯たちがニワトリによって、毎日の卵になる。

全体として無駄がない。というか私達には得しかないでしょ!
ゴミが減って食べ物が手に入るのよ!

敷地に作った畑で野菜も育てている。もちろん粉を肥料に使って。
その野菜でご飯の全てが賄えるわけではないけど、できる限り自分たちで食べるものは自分たちでつくっていきたいと考えているんだって。

えんは野菜を育てるだけではとどまらない。
手作りに囲まれた暮らし、自分でできることはやる。

<手作りの食材たち>
お手製の鹿ベーコン、梅干しなど、スーパーに行けば手に入るものでも手作りのものが多い。

梅干しは、無農薬で育てられた南高梅、自家製の赤シソ、手塩の3つだけを使い、夏に3日3晩土用干しして一年間熟成させている一品!えんでは、ちょっと体調が悪いときや疲れた時、船酔いの時などに一口…。
体が楽になるそう。
すぐに薬に頼るのではなく、まず自然の力を借りてみる。これがえんの基本姿勢。

私たちも一緒に豆腐づくり、醤油づくり、椿油絞りをさせてもらった。
梅干しやベーコンはいいとして…椿油絞りも体験の一環だとしても……え、醬油と豆腐って自家製でできるん?とびっくりした!
スーパーで買うのが当たり前な私は、醤油や豆腐を作るのに必要な材料たちすら分からない…。いつも食べているのに…こんなにひどいことある?

醤油づくりは1日がかり。
午前中はダイズを蒸すためにずっと羽釜に火をくべ、午後は小麦粉を炒ったり薪をくべ、最後には蒸かしたダイズと炒った小麦粉と菌を混ぜる。
材料全部が100%えん産で、作るのも全部自分たちでやったので正真正銘100%手作り!食べられるようになるのは1年後とのこと。
今までの作業で1番煙にまみれた日だったけど、火を見るのも楽しいし、醤油づくり知れてよかった!

豆に菌を付けています

えんでは稲も育てている。
稲刈りは小学校の友達や保護者にも声を掛けてみんなでやった。刈った稲を運んで干して、乾いたら脱穀する。脱穀機が古いのできれいに米とその他が分かれず、大変だった笑
これを全て自分たちでやります!

えんの食の底力を一番感じた一大イベントのひとつ。「椿油絞り」

椿油絞りは、絞るところだけでなく、椿の実を収穫する、干す、種を取り出す、種を炒る、すり潰す、煮る、上澄みを濾す、煮詰める、濾すの行程を全て自分たちで行っていく。

基本的には朝から午後まで椿油を人力で絞る。たくさんの人で力が必要だから小学校の友達、保護者、その他知り合いなどをどーんと呼ぶ。この年は少なめで、出入りした人総勢30名!(今年は60名だったらしいよ!)
最初に実を殻ごと煎り、熱いまま杵でドロドロになるまでつぶす。この作業がとっても大変。みんなで交代しながら1~2時間ほどやった。その後は煮て、濾したら綺麗な黄色の油ができました!

濾す前でこの黄金色!



その日の夜ごはんは、椿油を使って前日に掘ったさつまいも、かぼちゃ、かき揚げの天ぷらと、羽釜で炊いた白米(みんなで収穫した稲からとれたもの)、豚汁!
全部が美味しくてお代わりの手が止まらないっ!

羽釜で焚くご飯は別格よね

まとめ

自然は循環している。人もこのサイクルの中にいるはずなのに都会にいるとそれは感じられない。だから自然の扱いがひどくなることもある。
田舎では自分は自然の一部で、自然には逆らえないと思わされる。だからこそ自然を大事にして、自然からの恩恵も豊富にあずかれる。
そして自然に近いからこそ、いつも食べている食の最初から最後まで知れる。育っている作物、加工の仕方、自分が食べているものの源を知ることって本当に大事だと思う。だからこそ食への感謝が大きくなる。
田舎には人として大事なことがいっぱい詰まっているんだなって思った。

余談

住んでいる家や作業場などもごりりんが自分でつくったそう。
どれも都会にいればさっと買うだけのものだが、一から作っていた。
すぐに何かを得れる環境ではないからこそ自分たちでどうにかしようと考える、工夫する。
この姿勢ってとっても大事なんじゃないかって思ったし、私が大事にしたい価値観だなって思った。
これこそ都会では欠けていて、田舎の方が優れている姿勢かなって。



毎日のご飯が美味しくてなんと2週間で顔が丸くなりました笑
家に帰ったら、家族に太ったねって言われた笑

・・・なぜなら
普段家ではありえない、毎食白ご飯をお代わりしてしまったから!
大学生になって食欲が落ち着いていたはずなのに、たくさん食べてしまったのは、やっぱり食材や料理がいつもと違うからだろうか。
なぜかわからないけど、普段の生活では食欲は人よりない方なのに、田舎で過ごすと食欲増加するの。
いまだに理由がわからない謎です笑



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