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【イベントレポート】初めて見た「詩」の展示。仙台初開催!最果タヒ展

こんにちは。東北暮らしの週末ライター、すずき・ちえです。

みなさんは、最果タヒという詩人はご存じでしょうか?1986年生まれの若手詩人で『死んでしまう系のぼくらに』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』などの作品を発表したり、全国各地で詩の展示を開催したりと大きく活躍している詩人です。。

今まで私は、学校の教科書以外、ほとんど詩を読んだことがありませんでした。詩はどこか遠い存在でしたが、最果さんの作品は違いました。
感覚的なものですが、言葉がスッと自分の中に入ってくる心地よさがあり、気がつくと作品を買って読んでいました。

最果タヒ展、イベントポスター

私の中では、好きな詩人ナンバーワンの最果さん。2月3日より、仙台で初開催の展示会が始まったので行ってきました。

′会場は仙台でPARCO6階のイベントスペースです。

 エスカレーターの脇にも「最果タヒ展」のPRと詩が!絵の展示は見るけど、詩の展示は初めて。どんな感じなのか、レイアウトを考えるとワクワクしました。

会場前にやってきました

エスカレーターを上り会場に到着。

一面に詩が掲げられています。
これだけで圧倒されました。
バックの緑色は「杜の都」仙台のイメージかな?

受付で、前売りチケットを渡し、展示スペースに入ります。撮影は「写真OK、動画NG」とのこと。
それなら写真をいっぱい撮るとしましょうか!

壁にも地面にも詩が書かれている


サークル状に詩が書かれた上を進んでいきます。あたりは白一色なので、言葉が引き立ちますね。

次は、モビールのように多くの言葉がぶら下がった空間でした。細~い糸で吊されている繊細な作品です。背負っていたリュックを引っかけないよう、細心の注意を払います。


ややクローズアップ。「若さはすべてだよ。老いたら終わりだ。」悲しくなるじゃないか(泣)!


壁にも詩が書いてある
背景は白、モノトーンで言葉が引き立ち迫ってくるようだ


モビールになった多くの言葉を見ていると、女性二人連れの笑い声がしました。
声がした方を見てみると、こんな言葉が……

詩の世界から急に現実に戻った感じ。思わず「プッ」と吹き出してしまいました。
最果さんの詩は抽象的なイメージがあったので、現実味あふれる「確定申告」という言葉の登場は、私の笑いのツボにピッタリとハマってしまいました(笑)

数多くの言葉の中でピンとくるものを探しましたが、断然「確定申告は済みましたか?」が私の中でヒットでした。

そのように会場内に言葉がちりばめられていた空間でした。最初は何を意図するのかがつかめずにいましたが、パンフレットを見て納得しました。

会場にあるのは、作品があなたに読まれ、初めて意味を持つものであってほしいと願う、最果タヒによる「詩になる直前」の言葉たち。

最果タヒ展パンフレットより引用

それらを歩いて見て回ることで、自分の心が動く言葉との出会いを体験する、ということ。
私は「確定申告」でしたが、他に見た人はどんな言葉が印象的だったんだろう……
聞いてみたいな。

あとがきを見てから展示ブースを出る


展示ブースを出ると、物販コーナーがありました。
言葉を見ていると、最果さんの本を読みたくなります。
ここでの一番のおすすめ本であろう『最果タヒ展オフィシャルブック』も気になりますが……

『百人一首という感情』最果タヒ著

私は『百人一首という感情』を選びました。最果さんによる百人一首の現代語訳とエッセイ集です。

学生の頃から、同じ国語でも現代文は大好きなものの、古文漢文は苦手意識がありました。(外国語学習が苦手な人……)

ところが、その時ふと「彼女の訳なら自分に合いそう。楽しく読めるかも」という思いがわいてきたのです。
読み終えたらブックレビューを書きたいな~。

✳✳✳✳✳

展示では、日常を少し離れて言葉と戯れたことで、無意識の思い込みや、古文への苦手意識など心のクセを忘れ、自由になれた気がしました。

仙台オリジナルのフレーズだ!

仙台での最果タヒ展は今月27日まで。
仙台駅の目の前にある、PARCOが会場です。近くに来られた方はぜひ、足を運んでみて下さいね。

【イベント情報】

「最果タヒ展~われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」

期間 2022年2月3日~2月27日

時間 10時~21時(最終日は17時まで)

場所 仙台PARCO6階 スペース6

入場料 一般800円、ミニ本付1800円
※小学生以下無料