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【エッセイ】福島県とのご縁

わたしが住んでいる宮城県は、東北地方の中にあり、3つの県に囲まれている。

その中のひとつが、南隣の福島県だ。

私は人生のほとんどを宮城県で暮らしている。北隣の岩手県や西隣の山形県は、出生地だったり、親戚がいたり、休日に出かけたりと縁が深かった。

だが、福島県は他の2つの県に比べて、接点が少なかったように思う。知り合いもいないし、行った回数も片手で数えるくらいだった。

しかし、ここ数年の間、福島に行ったり、福島の人と出会う機会が増えた。

福島に行くようになったきっかけは、4年前に福島の温泉にハマったことだった。

私は温泉巡りが好きで、主に土地勘がある宮城県と山形県の日帰り温泉に行くことが多かった。

ある時、ふと「いつもと違った温泉に行こう!」と思いついた。調べてみて気になったのが福島市内の山の上にある温泉。源泉かけ流しにもかかわらず、250円で入浴できるという共同浴場があるという。

「こんなに安くて良いのかしら…」と思いながら、つづら折りの山道を車で登っていった。

温泉に到着すると、車内なのに硫黄の香りがした。車を降りて共同浴場の建物に近寄ると、立ち上る湯けむりが見え、硫黄の香りしか感じられないほど。自然の力の大きさを実感した。

中は屋根付きの露天風呂になっており、周りの山々を眺めながら入浴ができる。硫黄の香りと自然の風景に日常を忘れて、温泉にどっぷりとつかることができる。何と贅沢な空間なのだろう。スタッフの方たちの感じもよく、館内は掃除も行き届いている。気持ちのいい場所だと感じた。

以来、福島市内の温泉に行く頻度が増えた。それを機に道の駅に立ち寄ったり、ご当地グルメを食べにいくようになった。

さらに福島銘菓にハマり、行く度に「ままどおる」や「かんのやのゆべし」、「薄皮饅頭」を買い求めては食べまくっていた日々。福島県が身近な地域になりつつあった。

そんな時、例のウイルスで他の県に行きたくても行けない日々がやってきた。車で1時間という近さなのに福島県にも行けなくて悲しかった。

だが、不思議なことに今度はweb周りで福島とのご縁が増えた。
福島県内の方々とnoteで相互フォローするようになったり、紹介で福島の方にオンライン取材をし記事を書かせていただいたり。

取材したのは、福島産のフルーツを使用したフルーツハーブティーを手がけるTEA&THINGS様。

日常が戻ってきている今も福島県との縁は絶えず、今年のゴールデンウィークには「東北ライター交流会」で福島のライターさんお二人とお会いすることができた。
さらについ最近、従兄弟が福島出身の人と入籍し、初めて福島に親戚ができた。

来月、彼らの結婚式で福島市内に行き、温泉に一泊することになっている。
せっかくだから観光もしてこようとワクワクしている。

これからも福島県とのご縁を深めていきたいと思う今日この頃である。そして、福島市のある「中通り」だけではなく、「浜通り」、「会津地方」にも足を延ばしていきたい。