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正社員エンジニア vs フリーランスエンジニア / 採用者目線で考えてみた【前半】~フリー・正社員それぞれのメリット~

記事の概要・読むべき人

こんちには、ITエンジニアのすずです✨

私は過去にフリーランスエンジニアとして活動していましたが、今は理由があって自社開発企業で正社員として働いています。現職では、フリーランス・正社員エンジニアの書類選考や採用面談を担当しています。そんな私の視点でフリーランスエンジニアと正社員エンジニアを比較してみたいと思います。

以下のような人に読んでほしいです。

  • 今正社員エンジニアでフリーランスになるか迷っている人
    → どれくらいの単価だったら正社員とくらべて損しないのか?
    → フリーランスになった際の金銭面での損得に関して

  • 今フリーランスエンジニアで今後のキャリアに悩んでいる人
    → 正社員に再度転向するのってアリ?
    → 採用する側はどういう点を見ているのか

本記事は「正社員エンジニア vs フリーランスエンジニア」の前編です(後編はこちら)です。単独でもお楽しみいただけますが前後編読んでいただけるとより楽しめるかと思います。

※ 有料設定していますが、本記事は無料でお楽しみいただけます。満足いただけたら、投げ銭として記事購入お願いします💓


別にフリーランスが上位互換だとは思わない

Youtubeなどを見ていると、「エンジニアならばフリーランスになって年収上げましょう!」「正社員は搾取され続ける」などとあたかもフリーランスが正社員の上位の存在のように吹聴しているインフルエンサーが散見されます、私は彼らの意見には賛成できません。このフリーランス=正社員の上位互換、と主張する考えに一石を投じるべくこちらの記事を執筆しました。

だからといってフリーランスになることが一概に悪い、ということを言いたいわけでは有りません。フリーランスのエンジニアとして就業することにはメリットももちろんありますし、フリーランスなしでは回らない現場もあると思います。(私が所属している会社でもフリーの方が稼働いただいていて、非常に助かっております。)

正社員エンジニア、フリーランスエンジニアのメリット・デメリットをフリー経験者・エンジニア採用者視点で冷静に整理してみたいと思いました。

フリーランスではスキルアップできない?

そんなことはないと思います。ですが、その人のエンジニアとしてのレベルや環境によってはスキルアップしずらい可能性もあると思います。

私は、自分でスキルアップできるようになるまではフリーランス転向はやめた方が良い、と考えます。

エンジニアとしてスキルアップするケースには以下が挙げられます(※別にこれらが全てのケースだとは思いませんが)

  • 今まで経験したことのないタスクをこなす

  • 過去に経験したタスクより難易度の高いタスクをこなす

この前提でどのような人がフリーランスとしてスキルアップできるのか考えてみたいと思います。

このようなスキルアップを行う前提として自走してタスクをこなす、ということが挙げられます。メンターの方から指導を受けたり、研修を受けたりすることでスキルアップできるかと思いますが、フリーランスにそのような教育をしてくれる現場は基本的にないでしょう。

何が言いたいかというと、ある程度経験を積んで、自走してタスクをこなすレベルじゃないとフリーランスとしてスキルアップは難しいのでは、と私は考えます。

自走してタスクをこなすレベルになるまでは、フリーランス転向は時期尚早と考えます。若き時の方が給与が低く、金銭面でフリーランスに憧れる人も多いかと思いますが、長期的な視点で考えてみると良いのではないでしょうか。

フリーランスエンジニアのメリット

現場を選べる

案件を選べるのはフリーランスエンジニアのメリットです。

スキルアップする上では、これが一番大きいのではないかと思います。特定の技術を身に着けたいと考えた場合、その技術が使用されている現場にて稼働すればよいわけです。


私も過去にGo言語未経験の状態で、フリーランスとしてGoで開発する現場に参画することができたため、Goエンジニアとしてのキャリアをスタートすることができました。(※ただしGo未経験だったので自己学習していますというアピールは入場前の面談で強くしました)

金銭面(売上)

そこそこの経験値を持ったフリーランスの時間単価の相場は5,000円前後だと思います。仮に時間単価5,000円で月160時間稼働した場合の年間売上は、、

5,000円 × 1.1(消費税分) × 160時間 × 12ヶ月 = 10,560,000円

となり1,000万円を超えます。これを高いか低いかと考えるかはその人が正社員としてもらえる給与次第だと思いますが、昔の私がそうであったように手取りが30万円以下の正社員からしたらとんでもない金額のように思えるのかもしれません。

あくまで売上、であって年収、ではないので単純比較はしないほうがよいと思います。後述しますが、税金・健康保険・年金等を加味しないと正確な比較はできないかと思います。

金銭面(税金)

フリーランスの年収は上記の売上から経費を引いた額になります。(その他の控除はありますが)基本的には年収の多寡によって所得税・住民税が決まります。

経費を多く積んで年収が低くなれば、課される税金も少なくなります。正社員にはこのような制度はありません。正社員は給与所得控除と呼ばれる控除があるため自由に経費を積むことができないのです。詳細は解説しませんが、給与所得控除の金額は年収に応じて自動的に決まります。

正社員エンジニアのメリット

裁量の大きい仕事ができる

私がフリーランスから正社員に転向した理由がこれです。

私は今正社員としてフリーランスの方を採用する立場にいるわけですが、採用活動に携わって組織作りに携わったりする経験はフリーランスの立場では難しいのではないかと思います。

また、私はテックリードとしてプロジェクトにおける技術選定やアーキテクチャに責任を持っています。稼働いただいてるフリーランスの方には、私の選定した技術スタック・アーキテクチャに沿って開発をしてもらいます。このように技術的な上流工程に携わりたいのであれば、正社員になるべきかと思います。

採用関連・技術選定のタスクに関して、フリーランスに任せてもらえるケースもあるとは思いますが、案件としては少ないのではないかと考えます。

クライアントワークではなくなる

良くも悪くもフリーランスの方の準委任契約は、稼働時間に対しての報酬の支払い、です。クライアントワークです。

自社のサービスに愛着を持ってもらう必要はなく、自社の指示する通りに粛々と開発をしていただければ問題ないです。

こういう働き方で問題なければ、別にフリーランスとして働くのに問題はないと思いますが、自身が開発するサービスに愛着も持って長期的にコミットしたいと考える方は正社員として就業されるのが良いかと思います。

私の知り合いにはフリーランスから正社員に転向したエンジニアが数名おりますが、「正社員として長期的にサービス開発に携わりたい」という理由の方が多いです。

スキルのある人ならフリーランスより年収が高くなる

スキルのある方なら正社員エンジニアとして年収1,000万円もらうことは十分に可能だと思います。多くの方にとってのフリーランスしての年間売り上げの上限は1,000万円前後じゃないかと思います(全然フリーで2000万円、3000万円を売上ている方はいるとは思いますが、母数は少ないという前提です)

正社員として年収1000万円、フリーランスで年売上1000万円。どちらが金銭面で得かは明らかでしょう。

迷っているなら一回フリーやってみれば?

いま正社員でフリーランスになるか悩んでいる人がいたらとりあえず一回やってみることをおすすめします。

フリーランスに転向した後に正社員に戻ることも全然可能です。私の知り合いでも正社員転職の合間にフリーランスとして数ヶ月活動する、というエンジニアの方は一定数います。

私自身もフリーランスとして一定期間稼働した後、正社員に戻るという決断を行いました。

後半に続く

後半では以下の点について言及しようかと思います。

  • フリーランスの単価 vs 正社員の給与
    → 社会保険・税金面をブレイクダウンしてメリデメを解説
    → 時間単価5000円のフリーランスは正社員としてどれくらいの年収もらうのが相応しいか

  • 採用者目線でのフリーランスのスキル感

  • フリーランスに求めるスキルとは

今後のキャリアに悩んでいる方へ

Mentaにてキャリア相談を受け付けています。フリーランスとして独立経験がありつつも、最終的には正社員のテックリードとして働いている私の視点で色々とアドバイスさせていただきます。
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