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愛と苦悩:好きが辛いになる瞬間

親からの強制で15年間ほぼ毎日続けたバレエは、楽しい時間もあった。足を横に高くあげるポーズで誰よりも綺麗にできたと感じた時、発表会の衣装合わせで美しいドレスを着た時、白鳥の湖の舞台の演出でドライアイスの白いスモークの中で踊るのに感動した瞬間。しかし、記憶の大半はバレエが好きすぎて辛かった。レッスン1時間前にスタジオについて一人でストレッチや筋トレをしても、他の子が私よりも下手でレッスン直前に来るのに発表会で良い役を貰ったり、先生が贔屓の子を見ていて私がキツいポーズで我慢しているのを見てくれなかったりと、頑張っているのに報われないと感じることがあった。自分の努力が認められるべきだという考え方に苦しみ、結果と自己評価が一致していないと無価値感で苦しんだ。

バレエは摂食障害になる前に辞めたが、記憶の限り「頑張りは認められるべき」「他人(世間)に認められないのは頑張りが足りないから」「夢は叶えないと不幸せ」等、生きづらい考え方で頭が一杯だった。レッスン開始1時間前に到着しないとイライラしたのも、頑張っていないとダメ、よくわからないけど酷い事が起こるだろうと強迫的な気持ちからだ。いつの間にかバレエが好きではなく、努力した事が報われるバレエが好きになった。

でも心の底では、やはりバレエのキラキラした神秘的な美しさが好きだった。真の美しさ、エレガンスに惹かれた。

一年前からバレエを再開しオープンクラスに通っている。子供の頃と違うのは、今は行きたい時に、行きたい格好で”心地良い”を感じるために行く。ピンクのタイツを履きたくない時はジムウェアで行くこともある。誰からも強制されず、自分で選んでレッスンに行くので「あの人みたいになれない」と嫉妬で苦しまない。自分軸が育っているのを感じる。

楽しめるようになったもう一つの理由は、私が安心できる好き、快、ラクの源を増やしていったから。子供時代はバレエと勉強の評価が自分の全てであり、これを取り上げられることは空っぽにされ、見捨てられ、見下される事だと恐れていた。幼い頃の趣味は読書だったが、これも「周囲から認められる、褒められる趣味」だった。20歳以降、初めて友人と思える人と出会ったり、ポールダンス、クラフト、乗馬、Supなどに興味を持って行動してきた。行動範囲が広がり、時には安い乗馬クラブを探して2県をまたいで移動した。

移動中はAudibleで新しい本を聞いたりして声優ファンになった。推しを見つけると、ただ朝が来て昼が来て夜になる一日でも気分が良い。マニアックだがBLの世界も知った笑。アガサ・クリスティの推理小説は、毒親で悩んできた身として共感してもらえる感じがして好きだ。また、国際恋愛に興味があるので英語コンテンツを聞いてデーティングの準備をした。リンクは貼れないが官能系は電車時間があっという間に刺激的な時間に早替わりしたのでおすすめ。

そうやって「時間とお金の無駄遣い」をして得たことは、空っぽだと思っていた自分の中身ができていく感覚、自分の人生を自分で選ぶ力、そして興味本位で取得したヨガ講師資格が仕事になったこと。結果に縛られず、プロセスを楽しめる喜びを感じた。子供の頃は、「テストで〇位以上だったら」「バレエを週6回続けたら」許可されていた楽しみがあった。摂食障害の時は、「痩せて綺麗になったら」「人に見下されない、羨ましがらせられる趣味や人付き合い」など、条件つきで自分に許可していた。今はなんでもオッケー、私はこれでいいの、と甘めなオンナになった。

(上)クリスマスギフト用封筒 (下)バンド、結婚式、舞台用ティアラ

本当に欲しかったのは、心温まる気持ちと理解されること。自分の好きなことを認め、興味が湧けば"有意義でなくても"、"結果が出なくても"やってみよう。もし今、自分が他の人と違って頑張らないと怠け者だと感じたり、自分が無人島にいてもダイエットをするだろうと思う人も、どこか心が辛いと感じる場合は、自分の内側に意識を向けて、痩せたい、食べたいという欲求、明日が来なければいいのになど死にたいの裏に隠れた「本心」に気づいて欲しい。



アダルトチルドレン気味で気が散りやすい私なので本は聞く。スマホとパソコンで疲れた目を休められるし、イケボで落ち着く。会員はお金がかかるので無料期間で離脱した笑。

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バレエ、フィットネスインストラクター|ライフコーチ|欧米での学びを本にします|RYT200|Bowspring yoga修了|マットピラティス講師資格取得|スクールカウンセラー よろしければサポートお願いします! 本制作、イントラ活動に使わせていただきます!