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素敵なご婦人に励まされた話

「何かあったら弁償できるのか?」
見知らぬおじいさんが、双子にそう言うと

「そーよあなたに払えるの?」
と後ろを歩くおばあさんも言い始めました。

卍易風水師、
時々はちみつ代理店、
双子男子の母、澄恵です。

休日、大きめの公園に遊びに行ったところ
植え込みの奥から
2メートル以上ある竹を
双子がニコニコと引きずりながら運んできました。

折れたか、剪定されたのか、
枯れた竹でした。

「写真撮って欲しいの?」と
スマホを出していたら・・・

「何かあったら弁償できるのか?」

「危ないからやめなさい。
元のところに戻してきなさい」
と近くを歩くおじいさんが言いました。

ぶつかると危ないのは確かなので
そういうふうに他人が言うのもいいかもなー
と思いつつ。

小1の双子は知らない人に言われて、固まっていました。

「何かあったら弁償できるのか?」
先ほどのおじいさんがそう言うと

「そーよ、払えるの?あなたに払えるの?」
と後ろを歩くおばあさんも言い始めました。

周りの人も注目し、シーンとしました。

4人ほどのおじいさん、おばあさんのお散歩のようでした。
彼らは「早く元のところに戻してきなさい」
「あなたに払えるの?」
と双子に言い続けました。

「いいわよ、ここにいなさい」

周囲の注目が集まる中、
「弁償」というのは、モノに対する補償で
人を怪我させた場合は「弁償」
というのはちょっと違うよなぁ
とか考えていたら

「いいわよ、ここに居なさい。
 聞かなくていいわよ。
 気にしないでいいわよ。」
と隣に座った年配のご婦人が
双子に声をかけてくださいました。

子どもはちょっと泣きそうになり、
私の肩に顔を埋めました。

「お父さんが怒っているかと思ったら
 知らない人じゃないの。
 私、お父さんなのかなと思って
 声の主を探しちゃったわよ。
 いいわよ。気にしないでいいわよ。
 言い方が高圧的よね。」

と静かに、
私に言葉を続けてくださいました。

「子どもに優しい人もいるねぇ」

いつの間にか
弁償できるのかと言っていたご老人がたは
立ち去り、
周りの注目もなくなっていました。

お隣のご婦人に
「ありがとうございました」と伝えました。

「危ない」と言われるのは理解できるけど
何かあったときに子どもにお金が払えるのか、
まで言うのは意地悪
です(もちろん私達が払うわよ)。

「意地悪なことを言われたね」
と双子に声をかけました。

私「いろんな人がいるからさ。
 他人に厳しいことを言う人もいるよ」

7歳の双子は
「他人には厳しくて、自分には厳しくない?」

私「そんな人もいるかもね。
 でも、大抵は自分にも厳しいから
 周りもにも厳しいことを求めちゃうんだよ。
 もしかしたら毎日辛くて、
 つい厳しく言ったのかもしれない。
 いろんな人がいるからね」

「子どもに優しい人もいるねぇ」と双子。

このやりとりについては
ご婦人は何も口を挟まず。
(そんなところも素敵)。

「将来がとっても楽しみね」

ご婦人に改めて「ありがとうございました」
とお礼を伝えたところ、
そのご婦人は
「とても楽しそうに、
 うれしそうに持ってきたわよね。
 竹を七夕の笹に使いたいだなんて
 まぁ、視点がいいわよね、って思って。
 ロマンティックねーって思っていたのよ。
 子どもたちは植物が好きなのね。
 一生懸命探して、
 とてもうれしそうだったもの。
 とても素敵よね。
 年子なの?」
私「双子なんです。」
「まぁ、とても大変だったでしょう?
 でも、将来がとっても楽しみね。」
とご婦人が言ってくださいました。

一つ一つの言葉が、とても温かくて、
とても、ありがたかったです。

子育てを励ましてくれる心強さ

さて、拾ってきた長い竹につまづきそうになる
若い男性がいて、
「申し訳ありません」と私がお詫び。
(その男性は、全然気にされてなかった・・・)

双子は自発的に、
拾った竹を植え込みに戻しに行き、
「危なくないようにね」と私が声をかけると
試行錯誤した末に、目につきやすいけど
つまづかない位置に寝かせました。

そんな双子の様子を
ご婦人は温かく見守ってくださいました。

子どもに厳しすぎる目を向けたり
言葉を放つ人はいるものです。

もはやそれについて動じないし
そんな人もいるよねぇと
今日もぼんやりとやり過ごしていた私ですが
お隣で「大丈夫よ、気にしなくていいわよ」
と励ましてくださる方がいたことが
何よりありがたかったです。

とても上品なそのご婦人がお帰りだったので、
再度、お礼を伝えました。
にっこりと笑顔を返してくださいました。

しあわせな想いを噛み締めながら
品の良い花模様の杖を持つ後ろ姿を見送りました。
(いつの間にか消えてしまったので
 もしかしたら神様なのかもしれない・・・)

「いやー、危なかった」

「いやー、危なかった」
ほっとした表情で
夫がトイレから戻ってきました。
夫は、昨夜、同僚と火鍋を食べにいき、
辛すぎてお酒をたくさん飲み、
今朝からお腹を壊していて
トイレに駆け込んでいたのでした。

呑気なものです。

双子は拾った竹や木で遊び、松ぼっくりを拾い、
今日も楽しく過ごして、帰ってきました!
はー、素敵な出会いに、感謝!

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