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Teslaが在庫値下げ施策を中止へ

Teslaはこれまで四半期末に実施して販売カンフル剤としてきた在庫値引き施策を中止すると発表しました。
ここ最近の自動運転回帰/低価格EV撤退/FSD値下げ/レイオフ等の一連の流れの中で、販売/流通戦略の合理化を進めるとのことです。
ただ、24-1Qで相当に在庫が積みあがったとも報じられており、どこまで耐えれるかが注視必要です。

1;Teslaの在庫値引き終了

 TeslaはMusk氏が進める[販売/配送システム全体の合理化]の一環で在庫値引きの終了をリリース。4/16にMusk氏はXで[Teslaのシステムが複雑で非効率になった]と指摘している
 米国のラインナップ全体([Model3][Model-Y][Moden-S][Model-X])での割引終了はこれまでのTeslaの戦略とは真逆の方向で、Teslaは22年に価格下げを始めて実施し、23年には定期的(主に四半期末)に価格を引き上げ、下げ幅は20%に及ぶことも
 値下げ慣行は本年4月まで続き、Model-Yを5,000ドル値下げし、RWD版は7,000ドル以上値下げを実施

 値下げは車両本体だけでなくADASも対象で、先ごろFSDの月額サブスク料金を199ドルから99ドルに引き下げた

2;最近の業績とけん制

 2023年は値下げを主な要因として180万台のEV出荷を記録したが利益率は急減…24-1Qには納車台数が前年同期比で減少、また出荷台数を上回る生産をしたことで在庫が積みあがった
 24/01にMusk氏は2024年度の業績見通しが暗い点についてけん制していた
 -[新しい車両PF発売を準備しており、2024年の売上高の伸びは例年に比べて著しく低くなる可能性がある]

3;その他

 Teslaの納車部門の従業員によると[自社店舗は人員不足だが、今回のレイオフでさらに減った]と語っている。現在、Teslaの新規採用は[製造開発プログラマ]以外は凍結しており、キャリアページはゴーストタウン状態
 TeslaはD2Cモデルで従来のディーラーを回避する販売で評価を受けてきたが時期に応じて柔軟/機動的に戦略変更。販売/配送戦略に変更を加え、時にはディーラーと連携したり、販売会社を買収して対応…一方で自社の販売目標達成に向けて四半期ごとに組み替えるべく自社コントロールの利く形で対処してきた

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