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Fiskerの財務危機が当局資料で明確に

EV専業のFiskerが当局に現状説明を行う書類を提出、苦境にあることが鮮明になりました。
具体的には2024年に入って以降のキャッシュ流出や製造/販売双方の苦戦などで、いよいよ法的整理も視野に入ってきました。

https://www.sec.gov/ix?doc=/Archives/edgar/data/1720990/000119312524069658/d784326d8k.htm

1;FiskerによるForm-8Kの提出

 3/18の当局むけ提出書類(Form-8K)でFiskerの危機的な財務状況が明らかに。3/15時点で同社の現金&同等物は1.21億ドル(そのうち0.32億ドルは差押え対象)、買掛金は最大1.82億ドルとのこと
 新規の資本調達が無いと[事業継続に重大な疑義]があり、24/02の時点で警告発出する可能性が高いと述べていた
 
 事業概況でも在庫の積み上げが大きく、事業モデルのピボットが求められている
 -製造委託先;Magnaが製造した10,000台のうち[2023年;5,000台][24/01-02;1,300台]を出荷したが残5,000台の在庫が残る…
 -D2Cモデルから代理店モデルへ移行を図っているが、創業時からの取引ディーラー数10社のうち数社はすでに撤退
 年次決算公表について3/15の延長期限をも超過している事実を認めており、Fisker株をバックとするEBでデフォルトが発生するなど、ジワジワと影響が出てきている

2;事業再生への動き

 既報の通りFiskerは事業再生アドバイザーを起用して法的申請も含めた戦略オプションを整理中。それ以前に連邦当局からOcean-SUVにおける横転/ブレーキ不具合に関して調査を受けている
 24/02に従業員の15%(200名)を解雇して事業規模は縮小傾向へ

 出資含みの潜在候補と協議を継続しており、その1社は日産自動車とのことで同社も認めている。また資本調達に関して、1.5億ドル規模のCB発行も計画しているとのこと

3;その他

 自動車の製造自体は委託生産モデルで実行するFiskerにとっても負担が大きく、同社の現預金は溶ける速度が速まっている。同社の2023年末の現預金は3.26億ドルだったが、直近では1.21億ドル…2ヶ月で2億ドルも溶かした
 その間、Magnaによる自動車製造は[1月;0台][2月;1,000台]といった水準だった…
 Fiskerは2023年半ばに米国/欧州でOcean-SUVの出荷を開始したが、SW不具合/顧客サービスで伸び悩んでいる

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