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Waymoが自動運転シミュレータをGithubで配布中

Waymoが自動運転の研究における新しいシミュレータをGithub上でオープンソースとして提供しはじめました。
Google本体と連動したエージェントの動態設定に加え、機能重視で軽量化するなど相当に使い勝手となっているようです。
これまでの収集したデータを用いた機能提供で、さらにデータリッチになっていき、PFを構築するというGoogle本体の成功体験をフルに生かした事例かと。

1;Waymoの新型シミュレータ

 10/19にWaymoは自動運転研究コミュニティ向けの新型シミュレータをGithub上で配布を開始。事前構築されたエージェントとWaymoの知覚DBを組合せ、インテリジェントエージェントの訓練環境を提供
 Waymoは、自動運転開発に掛る問題解決を支援する取組を定期的に開催。22年に組織した[Simulated Agents]でWaymoはシミュレータにエージェントを配置、試験車両に現実に即した行動をするよう命じたがテスト進行中に十分な堅牢環境が設定されていないことを発見
 WaymoはGoogle Researchと協力して、[閉ループ方式(システム動作が継続的に監視/調整)]で有意義な結果を生み出す、適切な環境を共同開発

2;Waymaxの概要

 Waymaxは大規模なデータセット(環境内の全エージェントの動き)と組み合わせ、行動観察を通じて強化学習を行う[強力な模倣コンポーネント]をベースとする。従来シミュレータではエージェントが事前定義されるが、動作スクリプトがエージェントの動作と連動するわけでなかった…
 軽量シミュレータで研究者/開発者はエージェントの単一行動よりもエージェント&道路利用者間の複雑な行動に重きを置いた開発が可能。とくに迅速な反復が可能で、堅牢で拡張性ある自動運転システムを開発するための鍵になっている。
 シミュレーション内では簡素な表現が為されており、エージェントは特定属性が組み込まれた境界ボックスとして描かれる

 WaymaxはGitHubで入手可能だが、商用目的での使用はNG。Waymo Open Dataset等と同様に、開発加速に役立つツールとしてアクセスを提供する取組の一部
 Waymoは、[作成された研究成果を見ることはできない]と述べるが、Waymoがツール/データ共有から利益を得る立場にないという意味ではない…
 24年にWaymaxベースのシミュレータを使って自動運転開発に掛る複数の課題解決に動く方針で、マルチエージェント環境などの特定課題に対する現状の確認や、現状/他社との比較検証を行う

3;自動運転x機械学習

 自動運転会社はシミュレーターを使って自動運転をトレーニングしてエージェントに反応する方法を教育する。この中で[エージェント=歩行者/自転車/信号機/その他車など]で、高度な自動運転実現には、エージェントが[対自動走行車][対エージェント同士]で現実的に動作/反応する必要がある
 強化学習では、ヒトの移動と同様に[環境把握][行動報酬/罰則]等の行動を複数回繰り返してFBを受領、エージェントが意思決定を行う方法を学習する
 例えばシミュレータ上で歩行者は他者にぶつからなければ報酬を受け取り、突発行動/様々な種類の車線変更/他者認識した継続運転など、想定が難しい事態についても検証を行うことで安全な自動運転を実現する手がかりになることが期待される

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