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新しいアルバム「表面」をリリースしました

アルバム作ったので聞いてくださいという宣伝です。マスタリングはkamorecoさんに頼みました。いつもお世話になっております。


宣伝でした。以下、日記。

アルバムのタイトルとアートワークについて

表面、surface。使ってるPCがSurfaceなのでそういうタイトルにした、とかだとそれっぽい気がする。違うけど。大事なものをタイトルにした。芸術の表面をよく見るようにしたい。表面を無視した深読みは身勝手な妄想でしかないので。表面(ひょうめん)だけど、表面(おもてめん)とも読める。アルバムのアートワークというのはまさにアルバムの表面で、そこに表面と書いておくのはPilがAlbumというアルバムを作ったみたいなものかもしれない。ジャケットはスマホで撮った自撮りを雑に加工したもの。顔は自分の表面だから。

アルバムのコンセプト

自由に3曲ほど作ってから逆算でコンセプトを定めて、残りの曲で帳尻を合わせた。音を引き延ばすこと、ループとドローンについて強く意識していて、すべての曲のアイデアにはそのどちらかがある。自分で楽器を演奏してみるのも制約の一つで、ギター弾いたり、ベース弾いたり、笛吹いたりしてる。本当は歌も歌うつもりだったけど、作った曲にハマらなかったので次回以降に持ち越されることになった。

1.四月の夕暮れだけが

FL StudioにPitcherというピッチ補正プラグインが入ってるので使ってみた。二声のユニゾンボーカルにこれを使うとごりごりコーラスが増える。フランジャーでダブリングっぽくするエフェクトも使う。歌が合唱みたいになる。そのようにしてできた曲です。シンプルにポップス的な楽曲構造(verse-chorus-verse-bridge-chorus)をやっているので、とっつきやすいかなと思って一曲目にした。下手なベースを自分で弾いている。下手すぎてDAW上で切り貼りしまくった。一つのコード進行だけでずっと曲の終わりまで行くのは一見R&Bっぽいけど、直線的リズム、ベースをオルタネイトピッキングでべんべん弾いてるところはパンク。The Cureの曲Disintegrationへの意識が大きい。あれもほぼ一つのコード進行で最後まで行く。Disintegration好きすぎて、過去にそれ意識した曲を二回作っている。また作るだろう。歌詞は四月に書いた。夕暮れではなかったはず。

2.ボーカロイドの自殺者

一年以上前に作った曲なのでよく覚えていない。タイトルはボウイのロックンロールの自殺者から取ったけど、意識したのはパンクバンドのSuicide。オルガンとリズムボックスの音色を使用しているのはそのせい。Suicideは1stのミニマルで異常なサウンドもいいけど、2ndの怪しいシンセポップもいい。この曲は1stのイメージで作り始め、結果的に2ndのシンセポップに近づいた。作曲はオルガンの持続するコードとベースから始めた。オルガンらしくしようと思ってベースを長く固定してコードを動かしみた。ペダルポイントとかいうやつだと思う。ドラムはほぼ2パターンのループを切り替えているだけ。バカみたいにリバーブかけてるのとキックを抜いてあるのが特徴かもしれない。低域を強くしたくなかったので、そのようになった。楽曲構造は気に入ってる。長いスパンで展開してパートを繰り返さないことが美点。歌詞はタイトルからイメージを膨らませて書いた。出だしで言いたいこと全部言っちゃって、あとは絞りだす感じで埋めた。

3.インターネットにほんとのことなど

まじめにロックっぽいものを作ろうとした。ベースはシンセ。ドラムの音はもうちょっとマシにできたろ?といまは思う。ギターは自分で弾いた。下手なのでたくさん編集した。ロックなのでリズムが大事だと思ってリズム志向の曲にした。5拍子系のリズム、歌はメロディアスでなく、繰り返しの少ない楽曲構造をしている。あまりポップスらしくないのでよかった。曲中持続しているオルガンっぽい音が、オルガンではなくエレピのディケイをいじった音というのがおもしろポイントで、これは持続音ではなくディケイのとても長い減衰音ということになる。この似非ドローンで増四度の響きを持続させたのがこの曲の最初のアイデアで、そこに他の音を乗せていった。歌詞の前半は別の曲に使おうと思っていたものの流用で、後半は伴奏に合わせて好きなことを書いた。

4.美しくてなにもない

買ったけど使ってない楽器を全部弾いた。だるだるに弦を貼ったギター、篠笛、お手製のシェイカー、おせんべいの缶、鍵盤ハーモニカとか。全部適当に弾いて、サンプラーに入れて、細切れになったのをループさせた。リバーブはとにかく大量にかける。変な音がしてるならなんでもよかった。歌はVocal Synth2かけて分厚くしている。せっかく買ったから使わなきゃと思って。他のすべてで完全にふざけていたので、メロディと歌詞はまじめに書いた。音響とドローンの曲なんだけど、そこにわかりやすいメロディを乗せたのはよかった。David SylvianのManafonみたいな、どう考えても歌が乗らないバッキングに歌を乗せちゃうのにあこがれている。展開は冗長さを心掛けた。もういいよってなるまで執拗に繰り返す。フェードアウトの時間も長めにとった。アルバムの最後から二曲目はフェードアウトで終わらせたいという特に理由のない自分ルールがあり、今回もそうなっている。

5.九月の青空さえも

作曲はピアノ、ベース、ボーカルのドラムレスなバンド編成からスタートして、肉付けしていくという手順を踏んだ。一つ前の曲が割と意味不明だったからまじめにやろうと思って。MODO BASSを買ったので使っている。せっかく買ったので使わなきゃと思って。直後にIKのグループバイが来たので買わなきゃよかった。でもいい。イントロから現れるメインのモチーフを普通に膨らませて作った。歌詞は「インターネットにほんとのことなど」の冒頭を再利用して当てた。アルバム全体で帳尻を合わせるための工夫、また手抜きの工夫でもある。気に入った歌詞は何回使いまわしてもいい。楽曲構造は『ABサビC大サビ』と書き表せる。J-POPらしい構造からABサビを1コーラス削った。タイトルは曲があらかた固まってからつけた。一曲目と対比したタイトルにしたのは、やはり帳尻を合わせるため。なんでも最初と最後さえちゃんとしていれば、それっぽく見える。ノリノリで書いた歌詞の一人称が「ぼく」だったり「わたし」だったりしている。直そうかなとも思ったが、そのままにしておいた。不安定感が合っていると判断した。当初は自分で歌ったコーラスを薄く重ねようと思っていたが、やめた。手こずっているうちに九月も半ばになってしまい時間切れ。ここは宿題なので次回以降なんとかしていきたい。

日記でした。次のアルバムのことは全然決まっていないけど、そのうちできるようにしたい。

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