トレカの共同保有ってどうなの?

お疲れ様です。ネオポケカ投資家卍の鈴木の鈴木と申します。
今日は最近登場したトレカの共同保有についてお話したいと思います。
今のところ、共同保有の権利販売を行っている会社は一社しかありませんが、このnote内では名前は伏せますのであしからず。
また、個人の意見、見解が多数含まれるため、誤っている箇所も見受けられるかもしれません。
それでは宜しくお願いします。


共同保有とは

共同保有という言葉に聞き馴染みのある方は少ないと思います。
私が初めて共同保有という言葉を聞いたのはTVでアートの共同保有の紹介をしていたときでした。
番組にて、アート(絵画)1枚の値段はかなり高額で、個人が所有することは困難なため、みんなでお金を出しあって、全員が保有する形にしよう。そして、ときたま保有者限定の展示会を開催して、皆で鑑賞もできます。といった紹介がされておりました。
トレカについても同じで一枚のカードを色んな人で保有しようといった仕組みのようです。
競馬の一口馬主に近いような気もします。

保有権

トレカの共同保有のサイトを見ているとこのような説明がありました。
「収集品の保有権を分割し、コレクターの皆様に販売します。」
ん?保有権?
私は法律に明るい人間ではありませんが、保有権という言葉を聞いたことがありませんでした。
そこで、保有権について調べてみたのですがどうも見当たらない…。
しかし灯台もと暗し、その真実はサイトの利用規約に記載されておりました。
「保有権」とは、本サービスに出品された物品 (以下、アイテムといいます。) の所有権を均等に分割したもの (共有持分権) をいいます。
つまり保有権はこの会社独自の言葉であり、その実、共有持分権であったのです。
何故独自の言葉で表現するのでしょう?ユーザーに伝わりやすくするため、というのもありますが共有持分権というものが世間的に良いものとして認知されていないという点が大きいような気がします。
共有持分権とは、一つのものに対して複数人で共有して所有する権利のことです。
ややこしいのが、例えば1つのケーキに対して3人で1/3ずつ共有持分権を持っていた場合、ひとりひとりが1/3ずつ食べたりデコレーションしたりできるわけではないのです。
あくまで1つのケーキにたいしての所有権を共有するため、例えば1/3の共有持分権を持っている貴方がケーキにデコレーションを施したい場合は、ケーキ内の1/3の部分であっても他の二人の許可を得ないといけません
お互いの権利がお互いを牽制し合うような関係になるため、不動産ではよくトラブルになったりしています。
また、独自の名前をつける、もうひとつの別の大きな理由も存在しますが、後程説明いたします。

保有権の売買

この保有権は株式のようにユーザー間で売買が可能です。1000円のカードの1/10を保有していた場合、カードの100円部分を保持しているということで、その100円部分を売りに出すことができます。
例えば貴方がこの100円部分を110円で売りたいと考えたとき、110円で買いたいというユーザーが現れれば売買が成立します。
最初の保有者は共同保有サイトの運営会社で、トレカの相場に従った金額設定をし、それを分割して販売、全て販売しきればあとはユーザー間で取引してね。という流れのようです。
なので、運営会社は時価でトレカを販売し、その後はユーザー間取引の手数料で利益を上げていくというビジネスモデルになっているわけですね。

保有権の効力

さきほどもお話しましたが、この保有権とはこのサイトが独自に設定しているワードです。
つまり、詳細な意味、取り扱いについては運営会社が設定できるということです。
保有権の取り扱いについて、利用規約に記載されていることを簡単にまとめてみました。

○このサイト内でみ効力を有する。
○サイト外で権利譲渡、担保設定、貸与等は不可
○共有物としての分割請求は不可。所有者間の分割の合意も不可。
○サイト内で保有権の取引がされている間は、運営会社は自社都合で取引を中止できる。運営会社が分割保有権を販売したカードを第三者に売却等した場合、保有権所持者は第三者に対して所有権を主張できない。
(売却の場合は、保有権の口数に応じて売却額から手数料を引いた費用で保有権者から保有権を買い戻す)
○運営会社の明らかな瑕疵によって分割保有されたカードに損害が生じた場合以外は運営会社は保有権を買い戻す義務を持たない。

私の所感ではありますが、生殺与奪の権利を完全に委ねている気がします。
例えばカードの値段がかなり上がったから、保有権保持者全員の合意のもと、カードを売却して、得た現金を持分に応じて分配しようと思っても、運営会社がOKを出さなければそれができない。逆に運営会社が売却を決定した場合には保有権者は従わなければならない。
100万円分の保有権を所持していたとしてもサイト内でしか効力を持たないため、お店で使える商品券を100万円分持ってるようなものではないでしょうか。

保有権者の優待

なんとこの保有権を持っていることで受けられる優待があります。
それが
「当社の完全に自由な裁量により、アイテムの全部又は一部の鑑賞機会やアイテムの作家に関連する情報の提供など、保有権を保有するユーザー向けの優待を随時設定することができます (ただし、優待を設定しないアイテムもあります。) 。受けられる優待の内容は、保有する保有権の数量、保有期間その他の要素によりユーザー間で異なる場合があります。優待について、保有権の所有以外の、金銭的、経済的又は物理的負担を要する条件は付与いたしません。」
と記載されています。
運営会社次第で無料でカードの鑑賞会とかイベントするよ!ってことらしいです。

まとめ

トレカの共同保有は、サイト内でのみ意味がある株式の取引のようなものです。株式の代わりにトレカという媒体を使用していますが、実際には保有権といいつつ、運営会社の裁量で如何ともできるまやかしの権利です。
鑑賞会等の優待についても、実際には権利を保有していないトレカの鑑賞ですから、カードショップでカードを眺めているのと正直変わりません。
絵画の場合は世界にひとつしかないものなので鑑賞会はかなり価値のあるものだとは思いますが、トレカの場合は世界に一枚しかないものは少ないですからね。
短期取引で利益を上げるにしても手数料がかかること、サービスが終了してしまうリスクがあることを考えると、同じ金額を実物のカードに投資したほうがマシだと思えるのは私だけでしょうか。
アートの分割所有をトレカに転用したビジネスモデルと発想は感嘆しますが、アートとトレカでは畑が違いすぎて運営会社がユーザーから搾取する仕組みがより際立ってしまっているように感じます。
皆様はどう思われますでしょうか。
最初にも書きましたが、あくまで私の意見です。固定観念から、悪意のある表現をしてしまっている箇所も存在している可能性もありますので、参考程度にお読みいただき、皆様自身で一度お調べいただくことをオススメいたします。

保有権を購入しているユーザー全員がきちんと利用規約を読み込んで、同意した上でサービスを利用していることを願い、このnoteのくくりとさせていただきます。
ありがとうございました。


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