ふわふわの布団

知人と話していて昔のことを思い出した。

母は仕事が休みの日に布団を干してくれていた。母は月曜が休みなことが多かったため月曜は母にとっていつもの洗濯物プラス布団を干す曜日だった。私にとってはふわふわな布団で寝れる曜日だった。太陽の匂いなんてわからないけどなんとなく太陽の匂いがする気がした。

月曜日に学校から帰ると「おかえり。今日は布団干しといたで。」そう言っていつも出迎えくれた。カレーの匂いがする家で。その一言から夜寝るまでワクワクが止まらなかった。寝る準備をして布団にダイブすると幸せに包まれた。

そんな10年〜15年程まえの記憶が一気に蘇った。一人暮らしを始め、ベッドで寝るようになってから恥ずかしながらマットレスを干したことはない。あのふわふわで太陽の匂いに包まれて寝る幸せを感じることがなくなった。これから先もしかしたらもうあの幸せを感じることがないのではないかと思うと心がぎゅっとなった。


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