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鈴木小唄



紙切れは焚き火に

夕焼けのオレンジ色の光をたっぷり吸い込んで
夜になった今、少しずつ吐き出す
聞こえた声に 応えるように




笑ってさ

全て失うとどうなるんだろう
何もないってすごいんじゃない
空っぽで すごく広くて
思いっきり寝転んで 笑ってさ

それを表すには、伝えるには
大空とか
100万人のオーケストラがないと
空っぽで すごく広くて
思いっきり寝転んで 笑ってさ




世界をすくう

その指で
ツンと突っつけば
心がコロコロコロコロ
転がって
世界は変わる


毒きのこ

赤いきのこから抽出した
ぷーんと臭う白い気の毒
抜き差しならぬ花ときのこ
いとかなし いとかなし
折角満開の花に気の毒
ぼくらはまた忘れてしまって
慰めに踊る




つぶつぶの

乾かされた石の間
顕になった隙間から
日差し届き真っ白になる
光まみれ
悲しいほど綺麗になって
今日も出かける


泥遊び

さよならに行き着いたか
もういいかい? まあだだよ
泥遊び 派手に踊り
おセンチ ちょい待ち詫びて
行って帰って鬼と観音
喜んで綻んで埋もれ
迎えに行きたいと寝返って願ってしまって
赤いふとんも吹っ飛んだ
おはよう


作歌・実演〜鈴木伸明

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