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リアルアーケードPro(V3-SA)のスティックとボタンをセイミツ化


久々のWindows

スマホアプリの開発を個人で始めて暫く経った2013年頃からメインOSがずっとmacOSだったのですが、仕事の関係で久々にWindowsの環境を構築しました。(※下図写真は仕事ではなくプライベート)

デスクトップPCをテレビにHDMIケーブルで繋いで使っています。

Windows環境が整ったので久々に東方Projectの原作が遊べるようになり、上記ツイートの写真左側に映っているゲームパッドで遊んでいたのですが、Normal ALLぐらいまでならそれで全く問題ないのですが、それ以上の難度(Extra, Hard, Lunatic)だとゲームパッドだと色々と厳しくなってきます。

以前(10年前)は、東方Projectのプレイにはゲームパッドではなく、安いUSBキーボードを使っていました。ゲームパッドよりもキーボードのカーソルキーの方が細かい(ピクセル単位の)操作が容易なので、一定レベル以上の精度が求められる操作に適しています。

ただ、当時愛用していたUSBキーボードがもうEOL(生産終了)になっているようで、カーソルキーの形状が同等の後継製品も無さそうでした。

もちろん、中古で探せばあるかもしれませんが基本的にキーボードは消耗品なので安定的な調達が難しい中古に頼るのは厳しいです。(部品調達が難しくて修理も難しそうですし)

という訳で、良い機会だからアーケードスタイルのジョイスティック(アケコン)を使ってみることにしました。

アケコン導入

購入したのはリアルアーケードPro V3-SA(PlayStation3専用)です。

PlayStation3専用とありますが、PC(Windows 11)に接続したところ、専用のデバイスドライバ等も不要で普通に認識されました。

シューティングゲーム(STG)は専らキーボードで遊ぶ派で、アケコンでガッツリとプレイしたのは、高校生の頃にゲームセンターでARMED POLICE BATRIDERを遊んだのが最後だった記憶です。

アケコンはゲームパッドよりは遊びやすいです。

ただし、RAP V3-SAのスティックは柔らかすぎて微妙に操作が難しく、ゲームセンターでバトライダーをプレイしていた時の操作感覚とは異なります。

アケコンの部品メーカーは、三和電子セイミツ工業の2社が主流で、三和製は主に格闘ゲーム(格ゲー)向けに操作が最適化されている傾向があるのに対して、セイミツ製は格ゲー以外向けと言われていて、RAP V3-SAのスティックは三和製です。

アケコンを欲しがる層は一般的に格ゲーマニアなので、それは仕方がないことだと思います。(一応、セイミツ製のRAPもあり、格ゲーのトッププレイヤーにもセイミツ派は居るようですが)

ゲーセンが格ゲーに侵食される前(80〜90年代前半)までは、セイミツ製スティックが主流だったようですが、格ゲーだらけになった90年代後半あたりから三和製が主流に移ったようです。

三和製スティックは、格ゲーのコマンド入力のし易さに特化するため意図的にフニャフニャの操作感になっているものと思われ、確かに高速なコマンド入力が求められる格ゲーなら一般的にその方が遊びやすいのですが、正確な操作が求められるSTGではそれが操作ミスの原因となりがちです。

私が高校生当時(1990年代後半)に遊んでいたゲーセン(既に閉店済み)は、当然の権利のように格ゲーが主流でしたが、申し訳ない程度にSTG専用のコーナーも片隅にあり、STGコーナーの筐体のスティックはセイミツ製だったものと思われます。

セイミツ製スティックへの換装

という訳で、通販(楽天)でセイミツ製のスティックとボタンを発注してみました。

今回使ったのは下記です。

※ボタンは3つ購入

何万円もする高級アケコンだと天板の蓋を開けるのに躊躇してしまいそうですが、ハードオフで買った激安(3000円)のアケコンなら何も躊躇することなく保証シールを剥がして天板オープンができます。(というより最初から保証シールが剥がれていました^^;)

底板を外した状態

物凄くシンプルな構造ですね。

ザックリとボタン、スティック、DIPスイッチからの入力を上部の基板で拾いICチップ(MNBE35AHB)でUSBに変換している感じのようです。

基板の裏面はこんな感じでした。

基板の裏面
(赤い部分は筆者補足)

ICチップ(MNBE35AHB)のデータシートはオープンになっていないので仕様はよく分かりませんでした。

単なるボタン交換をする時は全く気にする必要が無いことですが、ボタンは2本の端子があり1本がGNDでもう1本がGPIOのようです。そして、ボタンを押すとGPIOとGNDが繋がることで絶縁状態(0)になり、押していない時はGPIOが導電状態(1)と判定される仕組みでコンピュータがボタン入力を検出できる仕組みになっているようです。

なお、RaspberryPi、Arduino、自作基板などへ接続する時は、同じボタングループ単位で同じGNDを使う必要があるようです。

スティックも同様に上下左右それぞれのGPIO(4本)とそれらのGND(1本)で合計5本の端子があるものと思われます。(未検証)

スティックを交換時の注意点として、三和製とセイミツ製ではケーブル端子を接続する向きが逆になるようです。間違った向きに差し込まないようにプラスチックの形状によるガードが入っているので、間違える心配は無いと思いますが、ケーブルの長さが若干ギリギリな感じになるので、先に端子を接続してからパネルに取り付けた方が良さそうです。

なお、各端子の仕様は以下のサイトで分かりやすく解説されていました。

換装後は以下のような感じです。

レバー&ボタン(3つ)を換装後

ボタンは橙、赤、緑の配線部分の3つのみをセイミツ製のネジ式ボタンに変更しています。

換装後の様子

メインの目的はスティックの交換で、ボタンはオマケ程度に交換してみたのですが、結果的にボタンも交換して良かったかもしれません。

まず、アケコンのボタンは、主にネジ式と差し込み式の2種類があり、RAP V3-SAの標準のボタンは差し込み式ですが、ネジ式の方が安定感があります。

また、三和製ボタンよりもセイミツ製ボタンの方がボタンを押し込む時のストロークが気持ち長めなので、手動連射が必要なタイプのゲーム(怒首領蜂、虫姫さま、妖精大戦争など)のゲームプレイはセイミツ製ボタンの方が快適なように思われました。

一方、ストロークが短い三和製ボタンは瞬間的に叩くレスポンスが良いので、この辺も格ゲー向けの最適化だろうと考えられます。(つまり、アケコンのシューター向けのカスタマイズをする場合、スティックだけでなくボタンもセイミツ製にした方が良さそう)

実のところ、私はアケコンが全く初めてという訳ではなく、以前(10年以上前)にもアケコンでの東方Projectのプレイを試したことがあり、その時にスティックの操作性に満足できず、結局安物のUSBキーボードに落ち着いた経緯があります。

その時に色々と調べて「STGならセイミツ製スティックが良いらしい」という情報は得ていたのですが、DIYに敷居の高さを感じてチャレンジを避けました。

しかし、最近は電子工作に手を出したことでDIYへの敷居もそれほど高く感じなくなったので、セイミツ製のスティックへの換装を前提としてハードオフで5000円ぐらいの激安アケコン(何ならジャンク品)を購入しようと思っていたのですが、まさか正常に動作するRAPがジャンク同然のお値段(3000円)で入手できるとは思っていませんでした。

最近はアケコンの需要が低いのかな?

余談ですがカプコンのIRを見る限り、ストリートファイター6(2023.06発売)の売上が247万本とかなり好調なように見えますが。

換装した感想

プレイしてみて、やはり高校生当時プレイしていた筐体のレバーはセイミツ製だったのであろうことを確信しました。

メチャクチャ遊びやすいです。

この勢いで(?)Steamにバトライダー移植されないかなぁ…

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