見出し画像

人に写真を見せたくなったなら


「こういう写真撮る人って本質的に暗いんじゃないかって思っちゃうんですよね」と同僚のKくんが言った。それだけで僕は嬉しくてにんまりするのだった。



最近はいそいそと写真を撮ることが増えた。

誰に頼まれるでもなく、納期も、写真を楽しみにしている観客がいるわけでもなく撮っている。単純に楽しい。カメラを触るのも面白いし、写真をパチリと撮るのも楽しいし、後から写真を見返すのもワクワクする。1年前の自分が見たら「おぉ、すごいな、急にどうした」とでも言っただろう。


最近は建築内の光だまり(?)を写真に収めるのにハマっている。
僕は勝手にこの活動を「ひかりあつめ」と呼称している。


他愛もなければないほど良い


それで、会社勤務しながら発見した光だまりをちまちま集めていたら20枚くらいになって、集まってきたら今度は誰かに見て欲しくなってきた。
その感想が賞賛だろうが批判だろうが、そこは大した問題ではなくて、自分の写真を誰かに見てほしいという気持ちが湧き上がってきたのだった。


そこで会社の同僚Kくん(カメラにやたら詳しい)に話しかけて「最近買ったカメラで写真を撮ったのでちょっと見てもらえないか」とお願いして写真を見てもらった。



日常で見つけた色々な光と影を追うシリーズ「ひかりあつめ」


こないだの登山で撮影した「剣ヶ峰」


プリントはしていなかったものの、撮り溜めた写真はApple純正の"photo"でアルバム分類していたので、そのアルバムの「ひかりあつめ」と、最近行った「剣ヶ峰」のアルバムを見てもらうことにした。iPhoneだと画面が小さくてわかりづらいので、こういう時にiPadが非常に役に立った。






写真を見るなりKくんは「うわ出たこのフレーム、どんだけ流行ってるんすか」と言った。確かにこのフレームは猛威をふるっている。しかし無料で・見栄えがよく・情報がわかりやすくて便利 であれば多用するのは必定である。

「こういう光だまり撮ってる人って本質的に暗いんじゃないかなって思っちゃうんですよね」と言ってKくんが笑った。言われて見ればそれは言い得て妙なので自分でも笑ってしまった。

「わかるけど失敬な!」と言いながらしかし笑ってしまう。

こういう光や影を床や壁に探しているということは孤独で俯いていたということだ。孤独で俯いている人にしか光だまりは発見できない。







剣ヶ峰の写真の方は「空の階調めちゃ綺麗ですね」とか「これ拡大しても全然見れますね。画質すご。中判カメラみたいですね」と一通り写真を褒めてくれた。その間僕は100点の答案を母親に見てもらっている最中の子供のように笑みを浮かべながらくねくね動いていた。

写真が上手いとか、そういう類のことは全然言われなかったけれど、写真を見て感想をもらえたのは本当に嬉しかった。


写真を見せてよかった。
これからも色々な方法で写真を見せることはしていきたいと思った。
それはSNSでも、印刷するのでも、なんであれ。



この記事が参加している募集

今日の振り返り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?