夕方、新規のお客さんと打ち合わせするために後輩と外出。14時30分くらいに電車に乗る。後輩が「今日って18時くらいにこっち戻って来れますかね…?」と訊いてくる。新規のお客さんとの打ち合わせが40分くらいで終わる奇跡プレーができれば可能だろうが、そもそも現場の視察も兼ねているし、他のクライアントとかスポンサーとかも来ているから、まぁまず無理だと思う。それを正直に伝えると「今日iPhone15proが届くんですよォ」とうなだれて言う。そうか、こいつはそれをけっこう前からきっと楽しみにしていたんだと思い、気の毒に思う。さすがに後輩を「iPhoneが届くから」という理由で業務から離脱させて直帰させるわけにもいかないのだ。そして後輩もそんな当たり前のことは最初からわかっているのだ。わかっているが、言わないと気が済まないのだろう。
「今はiPhone なにを使ってるの？」と訊いてみる。「iPhoneな↑に↓」という言い方もバカっぽくて使いたくないが、他に言い方が見つからないのでそういうふうに訊くしかない。「iPhoneのどのシリーズ使ってるの？」っていうのもぎこちないし。調査したわけではないけれど「iPhoneな↑に↓」はけっこう市民権を得ているワードだと我ながら思っている。

「iPhone13proです」と後輩が答える。こいつ。13pro使ってるくせに15proに乗り換えるのか。普段そんなガジェットギークでもないだろうに贅沢すぎる。13から15にして、そんな変わらないのではないかと率直に水を向けると「全然違います」と反論してくる。
めっちゃ軽くなったんですよ。チタニウムなんで。13proは、重いです。あとタイプCになったんで。ライトニング断ちしたいんですよ。Airpodsだけはライトニングなんですけど、こないだヘッドホン買ったんで。Airpodsはなんか耳が痛くて結局合わなかったんですよねー。あと動画がすごいです。14から手ブレ補正ついたの知ってます？全然ぶれないんですよ。動画機能のアップデートはマジですごいです。
「動画そんなに撮るのん？」と訊くと、「いやまぁ….言われるとそんなに撮らないですね」と言って考え込んでしまった。可哀想なので突っつくのは辞めることにする。欲しかったものが届くのにワクワクしている人の話を聞くのは嫌いじゃないので、iPhone15proがいかに優れていて素晴らしいかについての話を聞きながら打ち合わせ会場に向かった。最後の最後で「でそのiPhone15proはいくらなの？」って訊いたら19万円くらいするらしい。おれのMacbook Proくらいの価格するやん…とびっくりしてしまった。

新規お客さんと会って、現場視察しながら打ち合わせ。無事終わって帰路。会社に戻って19時前くらいだった。後輩は「おつかれした」みたいなことを言いながら（他の面倒なおじさんに捕まらないように）忍者のように音を出さずに帰っていった。郵便が届くのが18時から20時なので、最後の1時間にかけたのだろう。

結局後輩は今夜iPhone15proを受け取れただろうか。受け取れてるといいな。明日出社したら受け取れたかどうか、訊いてみよう。

おしまい