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書記が物理やるだけ#333 BJTを用いた増幅回路,小信号等価回路の計算

増幅回路を扱うにあたって,まずは等価回路の計算から行っていく。


問題


説明

増幅回路とは,電源電力を基に入力信号より大きなエネルギーの出力信号を得る回路であり,BJTでは以下の3種類に分けられる。


BJTの等価回路を考えるには,まずダイオードと電流源で示した直流等価回路を示し,一定の条件によりダイオードを抵抗に変換した小信号等価回路に変換する。


等価回路の性質はhパラメータにより表され,更なる簡略化ができる。

Z行列,F行列については以前に扱った:




解答

ダイオードにはp→n方向の拡散電流が流れることを示し,少数キャリアによるn→p方向の拡散電流を定電流源に置き換える。

ダイオードを抵抗に置き換える際に,ベース接地では抵抗rcは逆バイアスのため非常に大きい値になることから,電流irは無視できるほど小さくなる。


エミッタ接地に変換するには,端子を入れ替えて,電流源と抵抗をテブナンの定理ノートンの定理により置き換えていく。

参考:



ではエミッタ接地についてhパラメータを求めていく。v2=0では出力を短絡し,i1=0では入力を開放する。



以上より,エミッタ接地の簡略化された回路を示すことができる。


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